【Heart Voice】好きになったところから嫌いになっていく
目に見えるものでしか愛情を測れない・信用できない。そうなると、相手を見るときに大量の条件が必要となり、条件でしか相手を見られなくなる。愛すること・愛されることに、なぜそこまでの条件が必要なのか、そこと向き合うべし。
GWが終わり、現実と非現実とのギャップに打ちのめされたり、非日常での疲れがどぶぁっと出てくる今日この頃、みなさま、いかがお過ごしですか?
春土用が明けて「立夏」を迎えたので、イケイケな感じ(古すぎん?)になる反面、落ち込みも激しくなる時期ゆえ、ペース保持に尽力されたし。
話は変わりまして、数年前、数秘を使って自分の“売り”やキャッチコピーを見つけるお話会の中で、数秘の先生にこんな称号をいただきました。『あやちゃんは“笑顔でぶった斬る天使”だね』と。
それ以来、この称号を掲げて活動しているのですが(めっちゃ気に入ってる)、ぶった斬られたい迷いの子羊ばかり相談に来てくださるので、わたしとしても“斬り甲斐”があって日々充実しております。
そんな今日も、ぶった斬って欲しいとのご依頼を受けましたので、遠慮なく斬り込む所存ですありがとうございます。
では参ります。
>そこで、本音を伝えることが大事だと言われたので、「もっと◯◯してほしい」
>と言ったら、
それ本音じゃねぇし。
>「もう無理だ」「俺がやれることはやってる」と逆ギレする始末で、私の本音が
>全く伝わりません。
わたしでも無理。
>私なりに努力してここまでたどり着いたのに、何で理想通りにいかないのー!?と
>イライラしてしまいます。
今は努力してんの?
>理想通りの現実にならないってことは、私も禁止令の影響を受けているのでしょ
>うか?
禁止令以前の問題。
>禁止令がなくなれば、理想通りの彼に変わるのでしょうか?
変わりません。
>幸せになる恐れが出てきていると言われたのですが、それも関係していますか?
それ以前の問題。
>このままでは結婚自体を考え直さないといけないかなとも思っています。
彼のためにも考え直しましょう。
大前提を申し上げますね。
Rさんの人生の主人公は紛れもなくRさん自身ですが、周りの人は周りの人の人生があり、それぞれが主人公です。誰もRさんの都合や理想を叶えるために生きてるわけじゃない。相手には相手の都合、理想、自由、権利、人生があるのです。
そこを理解し、受け入れ、尊重しない限り、誰かと幸せに暮らすなんて無理よ。
以上です。
と、ここで終わりたいところですが、どうやら世の中には同じようなことを訴える方がめっぽう多いようなので、もう少し斬り込んでみますね。
今回の相談文だけでわかるRさんの大きな問題は、
・バッキバキに依存心が強く、全て人任せ
・全て自分の思い通りにコントロールしようとしている
・本音と要求を履き違えている
・条件でしか人を見られず、人そのものを見ようとしていない
これらが考えられるかと。
依存心が強く、全て人任せ
Rさんは、もう子どもじゃないですよね?自分の力で生きていくことができる大人ですよね?
いつまで、自分の幸せを人任せにするおつもりかしら?いつまで、自分の不幸を他人のせいにするの?
Rさんの言葉を翻訳すると、『あなたは私の理想通りの人でいなさい!でないと、私が幸せになれないじゃない!』『あなたが私の理想通りにならないせいで、私の人生めちゃくちゃなんですけど!?』ではなかろうか?
この問題は、「全て自分の思い通りにコントロールしようとしている」ことにもつながっています。依存心が強すぎるがゆえに、コントロールや支配欲も強く出ているんですよ。
で、人は支配される気配を感じると、鉄壁の防御システムを構築し武器を持って戦うか、全てを放棄して完全撤退するか、どちらかで選びます。
潜在意識の第一ミッションは生命の維持。そこに危険を感じると「闘争」か「逃走」の二択で対処するんです。
ゆえに彼は、Rさんの言動(支配)を生命の危機だと本能的に感じ取り、とりあえず今は「闘争」で対処してますが、それでもRさんの支配が迫ってくるようなら「逃走」するかと。
でだ、どんなことが支配なのかって言うと、「~してほしい」という態度です。
Rさんは、彼にしてほしいことばかり訴えて、彼の望みや都合を一度でも聞いたことはありますか?
付き合う前は努力してたようですが、その後は?自分で自分を幸せにする努力や、お互いが幸せになるための努力をしてますか?自分の幸せや安定ばかり考えて、彼の幸せを考えたことは、一度でもあったかしら?
自分が何かしてもらうことばかり訴え、彼の訴えは何一つ聞かない。自分の人生なのに、なんでもかんでも人任せ。相手が自分の思う通りにならなければ不満をぶちまけ悲劇のヒロインを演じる。
これ、大人のすることですかね?
自分の中にある自立心に目を向け、自分軸を取り戻すことが何より重要だと思いますよ。
本音と要求を履き違えている
これね、Rさんと同じ勘違いしている人めっちゃ多いんですよ。
Rさんの言う「~してほしい」は本音じゃございません。日本語ではそれを「要求」って言います。「強要」とも言えるかと。
本音ってそーゆーことじゃねぇから笑
傷ついた子どもの自分(インナーチャイルド)が、本当はどうしてほしかったのか本音を探るセラピーがありますが、そのときの「~してほしかった」と、Rさんが言う「~してほしい」は全くの別物です。
本当の本音は、自分がどう在りたいのか、どんな状態でいたいのか、何を感じていたいのかのような“自分の存在”に関わること。誰かに何かを要求することではないんです。
ここ、勘違いしないように。
条件でしか人を見られない
依存心の強さと同レベルで大きな問題になっているのは、「条件でしか人を見られない」ってことでしょうね。
理想像が100個あるってことは、100個の条件があるってこと。それだけの条件をクリアしないと人と付き合えないんです。恋愛に限らずね。
ここでお伺いしますが、Rさんはこれまで、一度でも、彼を一人の人として見たことはありますか?条件というフィルターを外し、まっさらな、曇りのない眼で、彼を知ろうとしたことは?
多分ないでしょう。条件でしか彼を見ていないのだから。おそらく彼は、Rさんのその意識に気づいていたんじゃないかしらね。
Rさんが彼を条件で見るのなら、彼にもRさんを条件で見ることを許さないとフェアじゃないですよね。Rさんと同じように、条件に合わなくなったら「~してほしい」と要求することを許し、それが叶わなくなったらその場を去る。
その現実を受け止める覚悟、できてます?
最初からフェアじゃないんですよ。そりゃ誰だって嫌になりますって。
そもそも、なぜそこまで条件が必要なんでしょうね?なぜ、条件をクリアしないと愛せない・愛されないのでしょう?
ここ、一番大事なとこよ。
好きなところから嫌いになる
で、条件に関する大きな勘違いもされてるんですよ、Rさん。
「条件が合った=好き」で は な い ってこと。
条件に合ったのは、ただ合っただけで、そこに“好き”とか愛とか、そういうものはないんです。ただ条件に合った、それだけ。
「条件が合った=好き」と勘違いしてると、いずれ「条件が合わない=嫌い」になります。
人はね、“好きになったところから嫌いになる”のですよ。
例えば、毎日「可愛い」と言ってくれることが条件にあった場合、一回言い忘れただけでも「何で!?」と怒ったり不安になったりする。それが続くと「今は言ってくれないから嫌い」になるわけ。
もう一つパターンがあって、例えば「いつも楽観的で笑顔」が条件にあった場合。
Rさんがたまたま不機嫌なときに、彼の楽観的な笑顔を見せられたら「ウザっ、おまえ空気読めんか?」とイライラするのさ。そうなると、「いつも楽観的で笑顔」の彼が嫌いになる。
好きになったところから嫌いになる。これは、好きになる条件が多ければ多いほど、嫌いになるところも多いってこと。
“出会いは第一印象で80%が決まる”なんてことが言われるので、Rさんも彼も、出会いの場ではいつもとは違う自分を演出していたことでしょう。その演出が、Rさんの条件と合致したから付き合いを始めた。
駄菓子菓子(だがしかし)
演出はあくまでも演出。演出には、素の自分でいるより相当な量のエネルギーを使うので、いつまでも演出した自分ではいられません。いつしか素の自分が出てきます。つまり、条件が外れる。
ここからなんですよ、大事なのは。
条件が外れた素の状態の相手を、どれだけ受け入れられるか、愛せるか。この意識が、今後、幸せになれるかどうかの鍵なんです。
おそらくRさんは、婚活と言いながらも理想の相手と出会うことがゴールになっていたので、その後の努力はしてこなかったのではと思うのです。
まだゴールしてないから!そもそもあなたのゴールってどこよ?笑
総括(っぽいもの)
依存心や他者に対する不信感が強いと、目に見えるものだけで愛を測ろうとします。自分の力では幸せになれないと思っているから。
その“目に見えるもの”が相手に対する条件(要求)になり、条件に合うかどうかで人を選ぶようになります。それが信用・愛の基準だから。
そして、条件に少しでも外れると、相手を非難したり嫌悪するように。条件が信用・愛の基準である以上、それを満たさない限り信用・愛に値しないから。
ですが、他者は自分の駒ではない。相手には相手の都合があり、自分の都合通りにはならない。でも依存心の強さからそれを許すことができず、要求が強要・支配・コントロールに変わる。
これが今のRさんの無意識下で起きているこで、「依存心の強さ」「条件でしか人を見られない」ことが根っこにあるのかなぁとお見受けします。
まずは、Rさんはもう子どもではないこと、自分で生きる力を持っていることを自覚し、自分の中にある自立心に目を向けてみてください。
それと、なぜ人を好きになるのにこれだけの条件が必要なのか、なぜ条件がないと人を信用できないのか、ここと向き合ってみることをおすすめします。
禁止令と向き合うのはそこから。
あ、あともう一つ超重要なことがあるわ。
Rさんの問題は、Rさんにしか解消できません。多分、今回相談を送ってくれたのは、わたしに正解を求めたり解決してもらおうとしたからでは?
正解も解決法も、Rさんの中にしかない。わたしたちカウンセラーができるのは、それを見つけるお手伝いをするだけ。そのこともお忘れなきよう。
わたしのクライアントさんは自立系の方が多いので、あまり今回のような相談は来ないのですが、自立しているように見える人でも、ふとしたことで依存心が出てくることはあります。
依存と自立、両方を行き来しながら成熟の道を辿り、やがて「相互依存」の世界へ到達します。それまでは依存と自立の間を揺れ動くのがフツー。
もし読者のみなさまも、「~してほしい」と要求したくなったり、「あいつのせいで」と自分の不幸や不機嫌を誰かのせいにしてしまったときは、自分の自立心に目を向けてみてください。自分で自分を幸せにするのです。
その力が育ったとき初めて、“本当の自立”が可能になりますから。
今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
日々是感謝♡あや
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