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【人生のほんの1日】20220925 ラフマニノフ 「楽興の時 op.16-3」を録画してみた

休日のピアノ練習。今日はラヴェルのソナチネと並行して2022年練習している曲、ラフマニノフの「楽興の時 op.16-3、4」にちょっと重点を置き、時間を割いて練習しました。

午前中にこの2曲を中心に手がけ中の曲総ざらい12曲を練習して、午後はちょっと本番に近い気持ちで、ゆっくりだけどちょっとニュアンスもこめて通せるようになってきた3番の方を録画してみました。

まだまだ演奏の熟練度が激低ですが、この曲の持っている重々しい苦悩感はなんとなく表現でき始めているように思います。

今日はこの曲プラス、来月の発表会に向けてのラヴェルのソナチネも1&3楽章を通しで録画しましたが、ラヴェルの方はまた別投稿で出したいと思います。ソナチネは、地味キツい練習をかなりやったのでこの2週間ほどで進化が目に見えるようになりました。ちょっとお楽しみに!😊

でラフマニノフの「楽興の時」ですが、3&4番とセットで弾きたくて、2022年春から譜読みと練習を進めています。将来的には1番も手がけて3曲セットで弾きたい計画です。

春からということは、すでに半年くらいこの曲と向き合っているので結構期間が経ってますよね😅
これもまた別記事で書こうと思いますが、私の練習スタイルとしては、「仕上げレベルの曲」「弾き込み練習中の曲」「譜読み中の曲」をバランス取って織り交ぜ常に10曲以上を同時並行で練習を進めているので、私的にはラフマニノフ「楽興の時」の進度も「まぁこんなもんかな」という感じで、自分の能力なり想定内の進捗具合です。

私の楽曲練習は多曲同時並行なので、1曲あたりに譜読みから仕上げまでにかかる期間はどの曲も比較的長めなってしまうのですね。
特に私の場合、譜読みとまずは通して弾けるようになるまでの期間が長くかかるので、この「楽興の時 第3番」も、やっとこさ「これから深堀りレッスンと熟練度アップさせる」ステージに入ったかなという感じ。

他の曲も並行しながらの取り組みで、「楽興の時 3、4番」合わせて、1回目の仕上げまで概ね1年ちょっとかかるかなと見ています。根気勝負ですね😅

多曲並行練習だと、各曲が仕上がるまでには1曲に集中して取り組むよりもかなり長い期間がかかります。しかし急ぎ足ではなく各曲と長い期間向き合う分、記憶に強く定着してその後も忘れにくく手がけた曲は一生のレパートリーのできますね。期間を長めに取ってじっくり曲を仕上げていくのも、非効率に見えて私にとっては利点かなと思っています。

ちなみに私が使用しているラフマニノフ「楽興の時」の楽譜は、平井丈二郎先生 校訂・解説の全音版です。
リーズナブルなのに日本語解説も充実していて、楽譜部分だけでなく読み物としても参考価値が高いのと、楽譜も原典と校訂者による変更・追記の表記が明確に分けられているので、楽譜としても信頼性と実用性を兼ねていて気に入っています。


今回録画した「楽興の時」3番は、9度や10度音程の手を大きく広げる和音が多く、私の手の大きさだと物理的に手を全開に広げても届かない箇所がいくつもあり、そういった箇所それぞれについて弾き方の工夫が必要でした。

この曲、広い和音を同時に押さえられる手の大きさの人であれば、もしかすると技術的な難易度は高くないのかもしれないですが、限界まで手を広げてなんとか同時に打鍵できるようにしたり、和音を高速のアルペジオで弾いたり、和音の一部を前打音にしたりして楽譜に書かれている全部の音を鳴らすとなると、楽曲本来の音楽性を壊さないセンスや技術が要求されて一段と難しくなるように思います。

私的には、この曲は安易に音抜きをすると曲がもつ重厚感が損なわれるので音を抜かずに全部鳴らす方針を取りました。手が届かない箇所を音楽性を出して弾くために弾き方を検討したり、ギリギリなんとか指が届いて弾ける広い和音をキレイに鳴らすのには努力や鍛錬が必要で、結構試行錯誤の連続でした。

上写真の赤で囲った右手の和音、最初は一番下の音を左手で取るように考えていたのですが、私的にちょっと音の雰囲気が違うなと思い、楽譜通り右手だけでソシレ♯ファラの5和音を弾くように変えました。私の手の大きさだと、和音の響きを濁らせずにメロディーにあたる一番上のラの音を強調して出すのが難しい、とか。

上写真の赤丸の右手10度の和音。これも最初は右手一番下の音を左手で取ることを検討したのですが、全部の音が同時に鳴る方が曲の雰囲気に合うし、この10度和音は手を全開するとなんとかギリギリ届くので頑張って右手だけで楽譜通りに弾くことにしました。この小節は右手を限界まで広げる箇所が複数あるため、掌に力が入ってしまいスムーズに弾くのが私には難しいです。

技術的な点はそんな感じでこのテの部分的に弾きにくい箇所を中心に日々練習を重ねています。

そしてこの曲の最大の魅力は、人生のどん底的な重々しい苦悩や哀愁を湛えたような曲調にありますよね。ゆっくりした曲ですが、終始に渡りこの重くそして微妙に揺れ動く感情の機微を表現していくのはなかなかタイヘン😅

先生と細かく打ち合わせや検討をしながら楽曲の色付けをしています。
氷河の流れのようなこの3番と、それに続く激流のような4番を続けて弾けるのを実現ベースで夢見つつ、引き続き頑張ります。


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