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メルマガ特別編 SCAJ回

【長いメルマガだよ!おまたせ!】

ハロー!
アシッドコーヒーの塚田健太です。
だんだん涼しくなってきた。最高だよね。
そろそろアレが始まるね。日本最大級のコーヒーイベント。SCAJが!!!
SCAJっていうのは、スペシャルティ・コーヒー・アソシエーション(協会)・of ジャパンの略。
日本メッチャ美味いコーヒー協会って感じかな。バリスタチャンピオンシップとかもこの協会が主催している。
そして年に1回、ビックサイトでお祭りをやるんだ。日本、世界中からコーヒーのヤバい人たちや、ヤバいマシンやヤバい農園の人やコーヒーとかが集まって、お披露目会をする。一般人も入れる。
コーヒー好きがフガフガ言いながらブヒブヒする最高の祭りなのさ。

◆アシッドも参加する
アシッドコーヒーもこの祭を盛り上げる。実際にコーヒーを淹れてサーブしにいく。
今年は、

9/27(水)
【12:30〜14:15】 R&D ESPRESSOブース
【15:10〜17:00】 DA VIDA ブース
9/28(木)
【15:30〜16:30】 Lonichブース

にてコーヒーを提供します。

すごく凄いコーヒーを持っていく予定です。走って来たほうが良いかもです。
1杯1万円のコーヒーがタダで飲めるとか飲めないとか?杯数には限りがあるので、本当に急いでね。

はてさて、今回のメルマガはウォシュトについて語ろうと思ったんだけど、寝る前に目をつぶってよく考えたら、コロンビアについて語りたくなったので、そんなお話をするよ。

◆本当にコーヒー知っていますか?
僕はバリスタ10年以上やっているけど、コーヒーってどんなものか、実際に農園に行ってみるまでは全然知らなかったよ。
ボスが焙煎したコーヒーを【いかに美味しく淹れるか】それだけを考えていた。
やがて自分で焙煎するようになって、生豆というものに触れたが、それが何故そうなるのか、全然知らなかった。

◆コロンビア、たくさん農家。
コロンビアに着いて目的地に向かう車内、早速コーヒーの気配が。
なんかデカい工場。農家から届いたコーヒー豆をなんやかんや(脱穀)する工場。デカい。中学校くらいの敷地でコーヒーがどんどん麻袋に詰められていく。
名前の無き農家がここにコーヒーを持ってきて、市場に流される。空港から目的地まで何個もあった。規模がすごい。
ちなみに、普通の道の脇をみると、サトウキビかバナナっぽい植物、パーム、コーヒーの木がうじゃうじゃある。まさにコーヒー楽園。東京の街路樹、植え込みがコーヒーの木って想像できる?しかもめっちゃ広い。とんでもねえ。

◆名もなきコーヒーから名前のあるコーヒーへ
我々が行ったのは、超美味しい農園。
彼らは育てるコーヒーはブランドコーヒー。「エノレメスの新作見た?買っちゃおうかな」のノリで、彼らがつくるコーヒーは常に注目されていて、ちゃんと美味しい。
日本でイメージしてた農園主は、土で手や服の汚れたオッサン。そんなにお金持ってなさそうで、一生懸命耕して、全て自分の手で収穫している感じ。
だが、実際は違った。めっちゃビジネスマン。良い家!広っ!!設備綺麗!服綺麗犬かわいい!リア充やん!
まさに資産家、成功者といった感じ。
そりゃそうよね。日本でも有名農家はお金持ってるよね。
彼らの仕事は、新しい価値を生み出すべく計画的に収穫や発酵を行い、売り手を見つけみんなを食わすこと。経営者だ。

ミカバ
ウバ
1959
ロドリゴサンチェス
経営者オーラがカッコよかった。そして、本気でコーヒーとコーヒー産業と仲間を愛している感じだった。

彼らのつくるコーヒーは【名前のあるコーヒー】ここまでいけば、ヘマをしない限り大丈夫な感じはある。

◆最初はみんな無名
かといって、みんながみんな最初から成功したわけでは無い。みんな最初はゼロからスタートだ。

先代から農園を譲り受けた者は幸せである。
土地はもともとあって、運営するだけだもの。
いやいや、そんなことはない。
たしかにコーヒーは勝手に育つが、手入れをしなければコーヒー以外の植物も育つ。
コロンビアの自然はモンスター級。

手をかけなければ枯れてしまう日本と違い、手をかけなければ暴走してしまうのだ。

ほっといても生える、育つ。それは人間も同じだ。
問題は【どう育てるか】にある。
例えば、そうだな。、
ある男の努力の話をしよう


◆1959のホセ氏。
彼も先代から農園を引き継いだ男だ。
引き継いだ農園に植えられたコーヒーは、カトゥーラやカスティージョといった、いわゆる【名もなきコーヒー】可も無き不可もない、無難なコーヒーである。

彼はまだ若かった。野心に満ちていた。
ゲイシャを植えてみたかった。
頑張って育てたゲイシャを持ってサンフランシスコのコーヒーカンファレンスに持っていく。
しかし、酷評の嵐!
意気消沈して帰国。自信に満ちた大男が肩を丸めて帰国する姿を想像すると憐れである。
その後、彼は諦めることなく素晴らしいコーヒーづくりを目指す。
ゲイシャにも色々な種類のゲイシャがあることに気付く。チェリーが美味しい木、収穫量の多い木、不思議な香りのするチェリーを宿す木。
良い木から採れた良いチェリーだけを、もう一度植えてみる。
するとそのチェリーから育った木からは美味しくて収穫量の多い粒のそろったチェリーが採れる。
こうしてゲイシャのサラブレッドを大量生産するのだ。
これを彼は【ジェネティック・セレクション(遺伝選抜)】と呼び、最強のコーヒーチェリー農園をつくりあげた。
かつ、彼はマイクロクライメットも利用した。彼の農園は広い。農園というより、山!!!
山の中で良い感じの場所を見つけ、適切な木を植える。
川の両サイドにゲイシャを植え非常に甘いゲイシャを作ることに流成功した。この特別なロットを彼はRio Dolce、「甘い川」と名付けた。
発酵方法もしっかりしたものである。
雨を防ぐ巨大なビニールハウスにアフリカンベッドと呼ばれる乾燥棚を3段。2段ベッドならぬ3段ベッドのアフリカンベッド。網でできていて通気性抜群。

収穫したてのチェリーは1番上に。お日様が当たってソッコーで乾く。ほどほど乾かしたら2段目へ少し水分の残るチェリーはグミのように柔らかな弾力。じっくり乾かす。ある程度の水分地になったチェリーを今度は冷蔵庫で数ヶ月保管する。水分の多い時にはバクテリアの発酵が活きるが、水分の少ない時にはイーストの発酵により、なんだか美味しい味がつくれる。

と彼は言う。

こうして、美味しくなる条件を意図的に重ね合わせることで、持続的に確実に、狙った美味しさをつくることができるのである。
もちろん、雨がふったり降らなすぎたり、病気になったり、色々なイレギュラーがあるのが農業。怪物のような自然や不運とうまく付き合いながらも、科学をもって美味しさをつくっている。すごいよっ!

◆なんとなく美味しいで良いんだけれど
ホセだけではない、あらゆる一流コーヒー農家は日々クレイジーな程の努力を重ねている。

とはいえ、我々消費国のあらゆるコーヒー愛好家が、農園のリアルを知る義務はない。

素晴らしい寿司を食べるときに、その魚がどこでどんな生涯を遂げたか、いちいち想像する義務はない。目の前の人と楽しい時間を過ごしながら、舌鼓してりゃ十分だとも思う。

だけど、僕が言いたいのは、
農園の人がテキトーに作ってふざけて味を作ったり、たまたまなんか美味いのが出来たわけではない。

なんか凄い美味しいコーヒーは、なんか凄い大切に育てられて試行錯誤があるっぽい。ということを頭の片隅に置いてみてほしい気がするのだ。

◆名もなきバリスタから、ひとかどのバリスタへ
農園だけではなく、日本でも。
あらゆるコーヒー焙煎マンや、バリスタたちが切磋琢磨して美味しいをつくろうとしている。

なんとなく注文したコーヒーが、あれ、なんか美味いかも。と思ったら、それはコーヒーの苗から始まり生産者やインポーターなど、目の前にはいないたくさんの人たちの一生懸命の結晶っぽい、そんな気がする。と想像してみてほしい。

我々バリスタも、ただ注文されたコーヒーを作って渡すだけではなく。
おや、なんかこの人のコーヒーは一味違うぞ?
と思わせるようなスペシャルなバリスタになるべきだと思う。
やがて、バリスタじゃなくても我々一人一人が名もなき労働者ではなく、ひとかどの人間になれるように、なんか努力していきたいっすね。

みたいなことを、考えたのでありました。

さてさて、説教臭くなったけど、本当に言いたいことはこれ一つ。

SCAJで!
僕と握手!待ってるよ!!!

〜次回のメルマガはたぶんウォシュトプロセスについてです〜お楽しみに

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