息を

もうだめだ
もうだめだって言いながら歩くのをやめられない
たくさんのひとたち
立ち止まっても
座れないひとたち
急にたおれたりする
どうして
どうしてそんな風にしか
歩き続けられないんだろう
まるで
逆向きの歩く歩道に乗せられて
置いていかれないように足を動かして
動かすしか
呼吸する術がないみたいに
みたいに
歩いてる
僕も 君も
もっと深くきもちよく息ができるはずなのに
いつも息切れ寸前
ねえどうして
こんな装置に放り込まれて
息をしなくちゃいけないんだろう
もっともっと楽に息ができる方法があるはずで
あるはずなのに
これが一番いいんだって教えられたのに
一番いいものなんてひとりひとりちがって
ねえだから
こんな装置から抜け出したっていいでしょう
変な目で見られても
後ろ指さされても
何しても
息ができなきゃ始まらないのだから
息ができるところを探さなきゃ
自分の空気を吸いに
行かなくちゃ