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ロケットは突き刺さらずなめらかに小さな角度で宇宙に侵入する 空気の膜 しゃぼん玉を 割らな…
テーブルの上に並べられた朝を ひとつずつ食べていく 月曜の朝 火曜の朝 ひとつずつ食べていく…
ストリングスの奏でる音は群青色 足元の雫から立ち昇る季節 雨 さらさら 信号機を濡らす 街路…
通り過ぎていった雲の群れ そのひとつに乗った三毛猫のあくび 虫の声はしゃらしゃら鈴を鳴らす…
嘘をつかないでほしい 自分に自分の心に 響かない言葉を放逐して それは本当にそうなのかしら …
もうだめだ もうだめだって言いながら歩くのをやめられない たくさんのひとたち 立ち止まって…
ふとした瞬間に 我に返りそうになる 我に返って 気がついてしまいそうになる むなしい むなしい むなしいったらない! 叫ぶ魂に 魂の声に 耳が持っていかれそうになる 頭が支配されそうになる 打ち消して 打ち消して 首を振って 否定して そんなことないって言い聞かせる 魂が黙る 真実を抱えたまま黙る 本当の声を抱えたまま ずっとずっと黙らせている 黙らせている私の理性が いつか吹っ飛んでしまって すべてがむなしくてたまらない やっていられない くそくらえと 叫ぶ瞬間がやってくる