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ながいあいだ。

「大きくなったら歌手になるんだ!」

と豪語していたあの頃。歌うことがとにかく大好きで、音楽の授業が一番好きで、カラオケに行けばマイクは離さないような、そんな小学生だった。何が好きなの?と聞かれたら歌が好き!と即答する、そんな子。

「歌手になりたい」という夢はいつしか薄らいでしまっていたけれど、それでも歌うことが好きなのは今も変わらず。ヒトカラはいつもフリータイムだし、自由に歌えるようになりたくてボイトレ始めてみるし、筋トレを続けるのは歌を安定させたいからだし、最近はMIX技術も勉強し始めた。

それだけ歌が好きなのに、「そういやCDをあまり購入していないなぁ」とふと思った。今でも買ってるのは多分モーニング娘。ぐらいじゃないだろうか。あ、あと高校生のときに、いきものがかりのアルバムは確か購入した。

学生の頃は自由にできるお金も少なかったから、レンタルCD屋さんで気になるCDを片っ端から借りて、愛用のウォークマンに入れていた。多分、4~500曲ぐらいは常時曲が入っていた気がする。

往復2時間の通学路で、シャッフル再生するのが好きだった。知らないカップリング曲もバンバン流れてきて、それだけ新しい曲を覚えて、「スピードラーニングって案外効果あるのかもしてない」なんて思うぐらいには音楽にどっぷり浸かっていた。


あのウォークマン、どこやったっけなぁ。

なんてことを考えていて、ふい、と思考がトリップ。


そういや初めて買ったCDってなんだっけ。過去に過去にと記憶をさかのぼっていくと、ひとつのアルバムにたどり着いた。


Kiroroの初のベストアルバム。朧気ではあるが、記憶が正しければこれが初めて買ったCDなんじゃないかな、と思っている。「だんご三兄弟」だった可能性も無きにしも非ずなのだが、多分こっちは両親に買ってもらっているはず。

(正しくはCDじゃなくてアルバムなのだが、当時の私の認識は「いっぱい歌が入っているCD」だったのだ。許していただきたい。)


正直、Kiroroと私の出会いが何だったのか、きっかけが全然思い出せずにいる。それでもそのアルバムが大好きで、繰り返しくりかえし聞いていた。特に収録曲のひとつ「Best Friend」は、当時小学校で行われていたのど自慢大会で、全校生徒の前で1人で歌った曲なので、思い入れもある。小学生だった私にも、歌詞の意味が理解しやすかった、というのも選曲の理由のひとつだった、ような気がする…けど、どうだったっけ。


もう一曲、よく口ずさんでいた歌が「長い間」という曲だ。

ボーカルである玉城さんのご友人が、仕事の都合で結婚を待たされていた彼との結婚が決まった際に、そのエピソードを元に、ご友人の気持ちを想像して書いた曲だ、という解説が歌詞カードに書き添えてあった。

正直、歌詞の意味はあまりわかっていなかった。ただ心地いいメロディが口ずさむのにちょうどよかったので歌っていた、そんな感じ。

今この曲を聴くと、自分が重ねてきた年齢もあるのだろうけれど、ひとつひとつの言葉が染みる。

笑顔だけは忘れないように あなたの側にいたいから

待ち続けるその強さとか、ちょっとだけいじけて素直に愛を伝えられない感じとか、これは私が歳を重ねてきたからこそ共感できる感覚、なんだろうなぁ。

あの頃と、歌詞もメロディもなにひとつ変わっていないけど、受け取る私が変わってきたから、この曲のどこか違う一面が見えた気がして。

10年後はまた違った一面が見えてくるのかな。

これだから歌って楽しいんですよね。

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