関係性の変化について
人は変化し続ける生き物だ。
……いや、人の根幹は変わらないよ!とか
思想とか信仰とか、遺伝子レベルとかになったらもうほんとごめんなさいって話なんだけど、もっと軽い感じでね。
久しぶりの友人と会うと、以前と同じように話せないってこと、ありませんか?自分にとっての当たり前が相手にとって当たり前じゃないことが意外に増えていることに気づく。就職、結婚、出産子育てなどライフステージの分岐が多いこともあってわりと女性は感じること多いんじゃないかな、どうだろう。
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地元の友人の一人が旦那さんの転勤で関東に引っ越してきたので会うことが増えた。
学生、社会人なりたてという時期にたくさんの時間を共有した彼女。楽しい思い出といえば真っ先に記憶に登場する相手。どのシーンを思い出してもとにかく二人とも笑っている。
住まいが離れていたため、地元に帰る頻度が減ってからは年賀状くらいの交流になっていたけど、会ってみると久しぶりとは思えないほど会話は弾む。彼女もわが家と同じくらいのお子さんがいるので現在の共通の話題も多い。思い出話、子どもの話と続き、産後の不調の話になった。
彼女は産後、全身、特に顔の肌が荒れてしまい膿んでしまうほどだったそう。たしかによく見ると少し乾燥している箇所がある。私も産後手足の皮膚が荒れてひび割れてしまっているので、かなり興味深く聞き入った。
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「…それで、○○っていう化粧品がいいと言われて使ってみたけどやっぱりダメで、皮膚科も行ったけどよくならなくて」
-大変だったね、私も皮膚科行ってるけどなかなか良くならないよ
「XXっていうサプリや漢方も試してみたけどダメでさ」
-漢方もかぁ、私も授乳終わったし気になってたんだけどなぁ
「でも、最近行き始めたところがすごく良くて、症状がようやく軽くなってきて」
-良かったね!見た感じ全然気にならないもんね。病院?
「体の毒素を抜いてくれるところなの」
-鍼灸みたいな感じ?いいね、気になる
「〇〇区にあるんだけど、人間の体ってさ、日々の食事とか生活で少しずつ毒をためていて、それが表面に出てくるんだって」
-化学物質とか有害物質が、とかそういう感じ?
「それでその邪気をね、とってくれるんだよね」
-へえ、○○区にあるんだね
「そうそう、その治療をやっているのそこしかないんだよね。」
-そうなんだ、気になるなぁ。
「だからその先生、業界では有名みたいで、本とかも出しているんだけど、政府から目をつけられているらしくて」
-え、
「みんなが知っちゃいけないことも言ってて、治療院のサイトもしょっちゅう攻撃されてページが落ちて、多分政府がやってるんじゃないかって」
-ええ、
てか、
邪 気 ?
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なんか途中ですごく会話の分岐を間違った気がする。邪気?邪気ってなに???
でも、タイミングを逃しもうつっこめないのでコーヒー飲んでるふりしてカップで顔の半分を隠す。緩んだ口元みられたら終わりだ。
そのまま政府の陰謀についてうんうんと黙って頷き続けた。
昔からの友人なのに、
いや邪気 って!
というひとことを返せずに帰ってきてしまった。
ちなみに、その邪気院での治療のほか、ホームケアとして○○万円する邪気を取る金属棒で毎日ケアをしているらしい。電気とか通ってないのに肌の表面をなぞるだけですごく痛みが走るらしい。大丈夫かそれ。
でも彼女はその邪気棒で日々健康を取り戻している。
ちなみに邪気棒、と呼んだらちょっとふざけた感じがバレて怒られた。
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人は変化する生き物だ。でもその変化を楽しめる大人になりたいな。
私も邪気とったらこの手足のガサガサ治るかな…
でも心の中が邪気の固まりなんだよな……邪気棒に触れた瞬間死ぬ気がする。
※ちなみに改めて調べたら、鍼灸とか東洋医学の世界で「邪気」って割とふつうに使う言葉らしい。笑ってしまってすみませんでした。しかしそのワードチョイスどうかと思うよ……
いやもうほんとそんなお気になさらず、あ、でもよかったらちょっとオススメの壺があるんです、どうですか、まあそんな遠慮なさらずに。