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弁護士がChatGPT使ってみた!

2023年も早くも12分の1が終わりかけていますが、本年初めての投稿をいたします。今年最初のテーマは、今話題沸騰中のChatGPTについてです。
ChatGPTとは、アメリカの新興企業OpenAIが公開した人工知能(AI)で、質問に答えて自然な言葉で文章を生成してくれる優れものです。
AIの技術がどんどん進化しており、「我々弁護士の仕事もAIにとって変わられるのか!?」という一抹の不安と、「これを使えば仕事が楽になるのか!?」という期待の入り混じる複雑な気持ちで早速試しに使ってみました。

一般的な質問

まずは、手始めに一般的な質問を聞いてみました。日本語と英語とで精度が異なるのかも確認したかったので、2つの言語で試しました。
1つめの質問は、「義理の父へのプレゼントには何がおすすめですか?」と英語で聞いてみました。

https://chat.openai.com/のチャットによる返答(2023年1月29日時点)

なかなか悪くない返答です。スピードも速いです。そこで、次は日本語で中学受験の合格祝いの額について質問してみました。

https://chat.openai.com/のチャットによる返答(2023年1月29日時点)

うーん、今ひとつですね。まず、中学受験なので年齢は12歳(または11歳)と決まっているのにその点を把握していないのと、いくらくらいが良いかと聞いているのに、一発で金額については答えてくれませんでした。日本の風習についてはまだあまり詳しくないのかもしれません。また、日本語の文章もちょっと不自然ですね。

仲裁条項のサンプル

それでは、本題の法律の業務に使えるのかを試すべく、仲裁条項のサンプルをお願いしてみました。

https://chat.openai.com/のチャットによる返答(2023年1月29日時点)
https://chat.openai.com/のチャットによる返答(2023年1月29日時点)

仲裁条項については、通常それほどバリエーションを付けるものでもないので、想定に近い回答が得られたと思います。SIAC(シンガポール国際仲裁センター)の仲裁条項については、SIACが公表しているModel Clauseと全く同じではありませんが、かなり近いものが出てきました。最後に「ちゃんと弁護士に相談しましょう」という注意書きまで出てきたのは面白いですね。

契約書の雛形は作れるのか?

では、契約書の雛形は作れるのでしょうか?まずは、日本語の業務委託基本契約のドラフトをお願いしてみました。

https://chat.openai.com/のチャットによる返答(2023年1月29日時点)

なんともスカスカな契約書が出来上がりました。しかも、第5条と第6条は内容が同じ!その後、「報酬については月末締め翌月10日払い(ただし、営業日でない場合には翌営業日)にしてください。」などとリクエストを色々追加してみましたが、ちょっと微妙な感じです。少し、反応も遅く返答に時間がかかったようにも感じます(アクセス集中などの理由による場合も考えられますが。)

日本語は不得意なのかなと思い、今度は英語でNDAの作成をお願いしてみました。

https://chat.openai.com/のチャットによる返答(2023年1月29日時点)

どうでしょうか?日本語版の契約書よりはかなり良いです。内容も2ページ以上にわたる長いものが出来上がりましたので、最後までスクショは撮れませんでした。やはり英語の方が得意のようです。

感想


結果、今はまだ、既存の雛形集からとってきたり、今あるリーガルテックの雛形集の方が断然内容が充実していました。特に、日本語の方はまだまだ実務で使えるレベルではありません。
しかし、チャット形式で対話しながら、「ここはこうして」、「ここはああして」とリクエストを出しながら、契約書を作っていける可能性は感じました。もちろん最終的には法律の専門家がみなければ使えないと思いますが、これからますますリーガルテックがパワーアップしていく未来が見えてきたように思います!

それでは、また。

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