2022/10/08 ほろほろ

「沼」は大成功だった。

米の生煮え、吹きこぼれなどが心配だったが、杞憂だった。わかめと干ししいたけから湧き出た旨味が、どろどろのおじや全体に行き渡り、カレー粉の刺激がアクセントとなって食事中に飽きがこず、満足感がハンパじゃない。吐瀉物のような見た目はどうにもならないが、味は工夫次第で化ける。カレー粉が入っているとはいえ優しい味なので、バリエーションを工夫すれば無限に食える可能性を見いだせる。

何より一番おどろいたのは、胸肉の柔らかさだ。レンチンした鶏胸肉ばっかり食べていた2ヶ月間は地獄だった。

パッサパサの不味い鶏肉を食べなければならないことに辟易していた僕は、You Tubeでウマい胸肉の食い方を探す日々を過ごしていた。

胸肉を柔らかくする方法は思いの外たくさんあるが、切り方を工夫したり、何らかの下処理をする方法が一般的である。無精者の自分がそんな芸当を毎食毎食できるはずもなく、調べてはその面倒くさそうな雰囲気に撃沈し、もも肉のような胸肉をむさぼり食う夢を見ては、目覚めた時に落胆する日々を送っていた。

沼は鶏肉に対してなんら下処理をしていない。はかって入れるのみだ。切りもしない。レンジで温めるよりも、普通に焼くよりも簡単なのにも関わらず、プリプリしつつホロホロに解けるほどの柔らかさで、味もしみており、非常に美味。感動した。これなら続けられるはずだと、現時点では思っている。こちとら、不味い鶏肉を2ヶ月間食い続けた男である。我慢せずに美味い鶏胸肉を摂取できるならば、やらない理由が無い。

僕が沼を実践しようと思った最大の理由は、楽であるということだ。特に僕が一番料理で嫌いな工程である洗い物を少なくすることが最大の採用理由であった。これはやってみて分かった。確実に僕の許容範囲内に収まる。一回の食事で出る洗い物は、沼を入れたタッパー、飲み物を飲んだコップ、スプーンの3個のみだ。本当に嬉しい。出会えたことに感謝。

と、ここまで絶賛したが、沼には注意点がある。僕の最大の目的である楽に美味い飯を食うことは達成されそうだが、ダイエット効果も一応狙って採用している。

沼はダイエット飯と紹介されているが、その正体は「バランスの良い1800kcalの飯」である。考案者のシャイニー薊さんはフィジーカーで、ジムトレーナーでもあり、基礎代謝や生活における行動量が僕とはぜんぜん違う。つまり、僕はこの沼を食っていても、運動していないと太る。消費カロリーが1800kcal以上でなければ太る、もしくは体重はキープである。冷静に考えれば分かることだが、食っただけで痩せる代物ではないことを忘れると、大変なことになりそうだ。

シャイニー薊さんは別の動画で、「ダイエットの成功は筋肉質な体になること」と公言しているため、運動を前提に作られているレシピであると思う。運動習慣をまだ確実に身に着けていない自分がこれをどか食いしたり、漫然とただ食っているだけでは痩せそうもなさそうだ。

しかしこれは「この沼で食事を済ませることができるようにするために運動をする」というモチベーションにつながるだろう。それだけ僕は料理する際の洗い物が苦手だし、それだけ沼が美味い。カレーが好きなので、カレー味なのが最高。献立をあれこれ考える手間も省ける。できればこの生活を続けたい。

なので、沼を食い続けるために筋トレと有酸素運動(ウォーキング)を続けることを目標にする。

あ、もう一つ注意点があった。

まじで部屋が一生カレーの匂いになるので、ワンルームに住んでいる人は覚悟しておくように。

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