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あの人の、働き方。〈エルさん編〉

エースマーチャンダイズ(以下ACEMD)は、モノづくりの会社。
常に「コンテンツ価値を最大化」できるモノづくりをすべく動いています。
今日は、そんなわが社の輸入を支えるモノづくリスト、エルさんにお話を伺いました。

―ACEMDのモノづくりを語るうえで欠かせない存在のエルさん。改めて、どのような業務を担当されているか教えてください!

ACEMDは、たくさんのメーカーと連携しながらモノづくりを行っています。モノの特徴や状況に応じてベストなメーカーを検討し生産にあたります。
元々メダルを作る会社だったACEMDは、チャームなどの金属商品を作る技術に特化した中国工場との、長年の協力体制がありました。
さらに社長であるジェームス秋山が進めた新規開拓もあり、現在は金属に限らず、布製品やプラスチック製品まで、多くのモノを海外工場で生産することが可能になりました。
私が担当しているのはその複数の海外工場とのやり取り全般になります。


―具体的にはどんなことをしているんでしょうか。

一言で「モノを作る」と言っても、実はそこにはたくさんの要素や条件があります。
デザイン、色味、サイズ、使用する素材、数量、納期等々。
私たちはモノづくりのプロ。コンテンツに最も適したモノを、それら要素や条件を全てクリアした上で作るべきだと考えている為、ひとたび案件が発生すると、そこには膨大な量の「確認」や「調整」や「交渉」といったタスクが発生します。
クライアントのまだ気づいていない製造方法や素材等を私たちから「提案」することも。
私の仕事はそのすべてを管理し、完成までのルートを作る事です。
そうやってだんだんとルートを固めていき、ようやく実際の生産がスタートします。


―長い道のりですね!

そうですね。
しかし、生産の手配をするまでで終わり、ではありません。
出来上がったモノを日本に仕入れ、そしてそのモノがきちんと正しく作られているかの確認をすることも、私の仕事です。最終的には「正しいモノ」が「正しい納期」で納められなければいけません。そこまできちんと見届けることが大切だと思います。


―そこの苦労を知ると、ACEMDで作ったモノを見る目が変わりそうですね!しかしそこまで手がかかると、やはりトラブルも起きるのでは?

モノづくりは人が関わることですので、どうしてもトラブルがつきもの。
それは国内も海外も変わりません。
しかし、海外工場とのやり取りだからこそ発生するトラブルもあります。
その原因の1つとして、文化の違い、があげられます。


―以前ぬいぐるみを制作した際に「その動物があまり中国でメジャーではなく、イメージがなかなか伝わらない」ってことがありましたね(笑)。

まさにそういうことです(笑)。
「日本の常識」と「海外の常識」は必ずしも一致しません。
だからこそ、必要な情報を渡していたつもりでも、捉え方の違いでトラブルが発生することがあります。
しかも海外とのやり取りは、基本的に電話やメール、そしてデータ。
つまり、ひざを突き合わせて1つのサンプルを眺めたり、並んで色見本を見て確認したり、ということはできません。
だからこそ、「クライアントのイメージを数値や形に落とし込み、そして文化の違う海外の工場へ情報伝達をする」という自分の役割の責任は、非常に重いと感じています。
そしてさらに大変なのは、そのトラブルが予測できないということ。
もちろんこれまでの経験から、起こりうるトラブルを予測し、回避できるよう取り組んでいます。
しかしACEMDは、幅広く、そして新しいモノづくりに挑戦しているがゆえに、未知のトラブルがまだまだあるんです。
それに加え、まさに現在のように回避できない外的要因によるトラブルもあります。物流が滞れば「正しいモノ」が完成しても「正しい納期」で納品することができません。
ただ、大事なのはそういったトラブルが発生した後、どう軌道修正するか。
プランナーをはじめ、出荷担当者やクライアント、そして工場と綿密に打ち合わせし、最良の策を見つけます。


―難しい調整に大きな責任。自分だったら日々息切れしてしまいそうなんですが、そんな中でも仕事をするうえで大切にしていることがあるのだとか?

はい。それは、相手の気持ちを大事にすることです。
先ほどモノづくりにはたくさんの要素や条件があると言いましたが、その中には「人」がいます。
いろんな立場の、いろんな人が、1つのモノを作るために集まります。
仕事柄、様々なシチュエーションで交渉する場面がありますが、相手の立場や状況、そして共にモノづくりをする仲間であるということを忘れないようにしています。
要望も回答もただ右から左へ伝えるだけでは意味がありません。
よりよいモノづくりの為に自分で情報を精査、判断し交渉をすることが、とても大切なことだと思っています。


―「人」あってのモノづくりであるという考えが、とても印象的ですね。さて現在のリモートワーク、状況はいかがでしょうか?

モノづくりはどうしても実物を確認する必要があります。
実物に触れ、様々な角度で見てみなければわからないこともあります。
その点では、フルリモートという働き方にはまだ課題が多々あります。
しかし1番強く感じているのは、「伝える」ということの難しさです。
海外の工場とのやり取りはリモートの状況なので、日頃から伝えることの難しさは感じていましたが、やはりそれは国内でも同じことです。
正しく、そして簡潔に情報を伝えることの難しさを感じると共に、顔を合わせている時と同じ位にコミュニケーションをとることの大切さも感じます。
今後も、より意識的に連絡を取り合い、情報を共有していきたいと考えています。


―最後に。エルさんはACEMDに長く在籍されていますね。その間、エンタメ業界もモノづくりも大きく変化してきたと思います。なぜ、これまで、そしてこれからも、「ACEMDで」働くのでしょうか。

それは何より、モノづくりが好きだからです。
「自分の好きなことに裁量を持って関われる。」
それが何より大きい理由です。


―エルさんの、モノづくりに対する真摯な姿勢がビシビシ伝わってきました。本日は、ありがとうございました!

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