【WTCSドバイ🇦🇪男子レースレポート】

2021年のWTCS最終戦！
トライアスロントップカテゴリーのこのレースには、世界選手権3位のベルジェ🇫🇷、Super Leagueでも活躍したルイス🇫🇷、直近のWTCSハンブルグを優勝した新生ヘルウィグ🇩🇪、WTCワトゥルコ優勝のミスローチャック🇨🇦、WTCS横浜3位・WTCSリーズ2位のピアソン🇺🇸といった強豪が揃いました。日本男子からはニナー賢治・北條巧・佐藤錬の3選手が出場します。

気温34℃、水温31℃という東京五輪(気温26.7℃、水温28.9℃)よりも過酷な状況下で57名がポンツーンスタート。

〜Swim750m〜

横一列からスタートした選手たちは左側1/3の選手がやや遅れた集団になり、残りの選手が先頭のルイス🇫🇷を先頭に集団で泳ぎ進めていきます。第1ブイまで長い直線なので、バトルから抜けだす能力の高い選手が前方に集まり、先頭をいくルイスとその番手をとったディベイ🇭🇺が後続と差をつけてスイムアップしていきます。3番手は7秒差で北條！4番手は10秒差でニナー！先頭集団がほぼ確定した状況に高まります。佐藤は32秒差の37位と出遅れます。有力選手のミスローチャック🇨🇦は18秒差の12位、ピアソン🇺🇸は21秒差の20位でスイムを終えます。

〜Bike20km＝4km×5〜

レースを決定してしまう時もあるバイク序盤の集団形成。アブダビのバイクコースはサーキットコースを走行するため、高速レースにもなっていきます。

Lap1
ルイス・ディベイ
+7s　4名(北條・ニナー・ショームブルグ🇩🇪・ルコー🇫🇷)
+10s　18名
1周目序盤はスイム抜け出しを成功させたルイスとディベイがそのまま2人で逃げ続けます。追走は北條とニナーを含む4名集団が5秒差、その後ろに18名の集団が迫ってきます。1周目通過時には2名の逃げから7秒遅れで4名、その後ろの集団は10秒差で28名の大集団が追い上げていました。

Lap2(5:28)
先頭10名(北條・ニナー含む)
+7s 20名
このまま後ろの28名の集団に追い付かれると思いきや、サーキットの周辺エリアは細かいコーナーが多く数秒差がなかなか詰まりません。そんな中、後続集団からはバイク力のあるワイルド🇳🇿・ライダー🇺🇸・セラト🇪🇸・カイドル🇵🇱の4名が抜け出し先頭集団に追いつきます。この動きにより後続集団では中切れが発生し、2周目通過時に先頭集団を形成したのは10名でした。佐藤はここでDNFのアナウンスが入ります。

Lap3(5:24)
先頭17名
+25s 13名
+34s 16名
後続集団で再び中切れが発生しながらも先頭集団に追いつき、これで17名に。これまでの10名にジーンズ🇧🇪・ミスローチャック🇨🇦・ヘルウィグ🇩🇪・ピラサ🇵🇹・ビチャク🇭🇺といった有力勢を含む7名が追加され、超豪華な先頭集団が出来上がります。一方、中切れの後ろの集団はここで一気に減速し、25秒差で通過していきます。その後ろには16名の集団が出来上がっていました。

Lap4(5:29)      /Lap5(5:32)
17名　　　　　/17名
+36s 28名　　/+40s 27名
バイク3周目に出来上がった17名の集団が決定打となり、差が広がっていきます。2つあった後続集団は一つになり先頭との差を詰められるほどのペースを作ることはなく、バイクを終えます。降車手前ではバイク力あるピラサ・ルコー・ビチャク、そしてニナーが前に出て降車を迎えます。一方北條は疲れを見せるような形で集団最後尾でバイクを終えます。

〜Run5km＝2.5km×2〜

ピラサが先頭、ニナーが3番手でランをスタートしていきます。このトランジで5秒差をつけられ集団最後尾の17番手で北條がスタートしました。東京五輪よりも過酷な気温34℃(湿度は不明)の中、サバイバルレースとなります。1km地点で9名が先頭集団を形成、そこから7名➡️4名➡️3名と人数を減らしていきます。ジーンズ・ルイス・ビチャクの3名からラスト800mでジーンズがアタック！この展開、そしてこの局面で余力を残していたジーンズが頭一つ抜けた力があり、先頭でフィニッシュ。WTCS初優勝を成し遂げました。

優勝　ジーンズ🇧🇪
2位　 ルイス🇫🇷+5s
3位　 ビチャク🇭🇺+8s
4位　 ルコー🇫🇷+14s
5位　 セラト🇪🇸+17s
6位　 ミスローチャック🇨🇦+21s

出走55名、完走49名

◯日本選手結果＆エース的考察

9位ニナー賢治選手(+38s)/Swim4位・Run11位
超短距離レースのSuper  Leagueでの活躍からのWTCS復帰戦、スイムを北條の後ろで終えてバイク先頭集団で展開、ランでも序盤は先頭集団で走る積極性があった。5000m14分30秒台の実力を持つニナーでもWTCSメンバーではトップではないがトップ10フィニッシュを叶える9位でフィニッシュ。
17位北條巧選手(+1:03)/Swim3位・Run18位
世界選手権9位、2週間前のWTCヘウンデで準優勝しレース前から有力選手として紹介されていた北條、スイムを3番手で終えよい展開に持ち込むも、バイクで脚を使ってしまいランでは思うように走れなかった。
DNF佐藤錬選手/Swim37位
WTCでも出遅れ気味のスイムを修正し32秒差(WTCトンヨンでは54秒差)で終えるも、WTCSでは前に上がる選手が多くバイクで集団を形成できないままバイク途中でDNFのアナウンス。

トライアスロンの最高峰ランクのWTCSは流石の超高速レースで気を抜く隙もないレース展開でした。そんな中でも最後の最後まで力を残したジーンズがこの日のレースは強かったです。準優勝のルイスも超短距離レースSuper  Leagueでの活躍からショートレースでもしっかりと力を発揮しまた。日本勢としてもスイム先頭集団で泳ぎ終えた今や、世界ランキング上位のニナーと北條は日本男子の強化が成功している証だといえます。来シーズンに向けてさらに研ぎ澄ませていってほしいと思います。