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裁判実務に有用な書籍-民事裁判編

法律実務家として、裁判官の思考を把握することは大変有益です。

本稿では、直近の司法修習で現場の裁判官から直接指導を受けた者として、現場の裁判官がよく参照するとおっしゃっていた書籍を列挙しています(裁判官ごとに個人差があるでしょうし、もちろんこれらに限定されるものではありません。)。

民事裁判実務に携わる弁護士はリサーチの起点として、①コンメンタールシリーズ、②注釈シリーズ、③裁判官が書いている書籍(裁判所が出している書籍)の3つにはまず目を通すべきです。

日頃の業務において、下記の書籍中「どの書籍に何が書いてあるか」アンテナを張っておくことは、効率的なリサーチを行う上でとても重要なことです。

※下記の書籍等を基に『最後は自分の頭で考える』ことが重要であるということは言うまでもないでしょう。


『事例と解説 民事裁判の主文』(塚原編著、新日本法規)

『コンメンタール民事訴訟法』(日本評論社)(『全訂民訴法』(菊井村松)の実質的改訂版。民訴法は条解よりコンメが大事。)

・『民事証拠法体系』(門口、青林書院)

・『高橋民訴法』『新堂民訴法』(いずれも体系書)

・『許可抗告事件の実情』(判例時報社)

『書記官事務を中心とした和解条項に関する実証的研究』

『民事執行の実務』(金財)(通称「ホワイト」)

・『民事保全の実務』(金財)

・『改訂 不動産執行の理論と実務』(法曹会)(通称「イエロー」)

『破産管財の手引』(金財)

・個人再生の手引(判例タイムズ社)

・『条解 破産法』

『注釈民法』シリーズ(有斐閣)

・『新・裁判実務体系』『最新・裁判実務体系』(青林書院)

・『コンメンタールマンション区分所有法』(日本評論社)

・『判決による登記』(日本加除出版)

・『田中会社法』『江頭会社法』

・『類型別会社訴訟』『類型別会社非訟』(判例タイムズ社)

『〜訴訟の基礎』シリーズ(商事法務)

『一問一答』シリーズ(商事法務)

・『家裁における遺産分割・遺留分の実務』(日本加除出版)

『逐条解説 家事事件手続法』(商事法務)

いわゆる『調査官解説』(まず法曹時報に載って、それがまとめられる)

交通事故の通称『赤い本』(上巻が基礎編、下巻が公演。上巻は最新版だけを持っていればよいが、下巻は古いものでも大事に保管しておくべき。公演テーマが毎回異なるため。)

交通事故の通称『緑の本』

『判例タイムズ』(判例だけではなく、裁判官の解説もある)

・『司法研究報告書』

・『民事実務講義案』

・『民事訴訟関係書類の送達実務の研究』

・『民事上訴審の手続と書記官事務の研究』

・『塩野行政法Ⅰ〜Ⅲ』『宇賀行政法Ⅰ〜Ⅲ』

・『借地借家事件の実務』(東京弁護士会)

・『使用貸借の法律と実務』(埼玉弁護士会)

・『執行文講義案』(司法協会)

・『最新公用文用字用語例集』

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