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アラフィフ女の読書記録

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小説、自己探求、自己啓発、エッセイ、ときどきミステリー。エッセンスを抽出してオススメしたいと思います。
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記事一覧

『春、戻る』瀬尾まいこ

読書の秋だ。といっても、秋はどこへやらという暑さが続いている彼岸入りである。 実はわたし…

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森沢明夫『たまちゃんのおつかい便』

この本は、女子大生のたまちゃんが、 過疎化が進む故郷の、買い物弱者と言われる高齢者のため…

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寺地はるな『わたしの良い子』 

主人公はこんな人です。 実妹がシングルで生んだ甥の朔(さく)を、妹の代わりに育てることに…

1

瀬尾まいこ『強運の持ち主』

主人公は占い師の女性。さまざまな人たちの相談に乗る毎日の中で、主人公の生き方や考え方が時…

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萬田緑平『家で死のう!』

衝撃的なタイトルですが、在宅緩和ケアの医師が長年の看取りの現場から見えてきた真実を誠実に…

3

原田マハ『<あの絵>のまえで』

この本では、ひろしま美術館、大原美術館、ポーラ美術館、豊田市美術館、東山魁夷館、地中美術…

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「悲しみに、こんにちは」~母親不在の数時間に思う

舞台はスペイン。 都会で育った少女フリーダが、母親を亡くした後、郊外で自給自足をしながら暮らす叔父叔母の家に引き取られたところから物語がスタートします。 母を亡くし、突然遠くに住む親せきの家で新しい生活を余儀なくされたフリーダの心の機微が、実に見事に、フィルミングの中で表現されていました。フィラーのコマは何一つなく、あらゆる映像がフリーダの揺れ動く心象を描いていました。気づくと、私自身、この映画を心で観ていたのです。 そして私自身の幼少期を思い出しました。 私は岡山で生

宮崎駿『風の帰る場所 ナウシカから千尋までの軌跡』

宮崎駿さんの「ナウシカ」から「千と千尋の神隠し」に至るまでのインタビュー記録です。 一気…

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水木しげる『ほんまにオレはアホやろか』

水木しげるさんの自伝です。 戦前戦後という過渡期を生きた人たちは、実に猛烈な時代を選んで…

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小林正観さんの言うことを真に受けていたら人生負け組に成り下がると思っていた私が読…

私が小林正観さんの本を初めて読んだ時のことは、今でも強烈に覚えています。 「だめだ。この…

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フジ子・へミング ~魂のピアニスト~ わたしのピアノ経験も交えて

一度は耳にしたことがあるであろうピアニスト、フジコ・ヘミングさんの自伝です。 フジコさん…

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コロンバニ『あなたの教室』

映画監督でもあり女優でもあるフランス人作家の作品です。舞台はインド。かつて、イギリスの植…

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大学時代に亡くした友人と、原田マハ『でーれーガールズ』

    私は岡山出身です。「でーれーガール」であります。しかし、岡山市内よりちょっとばかり…

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ん?違和感から入った世界とは…『線は僕を描く』

「線は僕を描く」?「僕が線を描く」んじゃなくて・・・? ちょっとした引っかかりを感じてこの本を手に取りました。 主人公は、両親を事故で失い、自分の「ガラスの部屋」に閉じこもって出てこれずにいた青年。その彼が”水墨画”を通して、自分を取り戻していく物語です。最近映画化もされたようですね。原作を読んでしまうと映画に行くのが若干怖くなるので、見に行くかどうかには悩んでいますが・・・。 水墨画については何も知らない主人公ですが、師匠は「何も知らないことが力になる。何もかもがありの