日本史特化塾「合格への伴奏者(アカンパニスト)」特別講座 原始⑥ 弥生時代篇2
はじめに
模試と入試問題について、独自の分析により隅々まで知り尽くした協育の伴奏者が、問題を解く際に気をつけるポイントをお伝えしています。
① 稲作の流れについて
1年間の稲作の流れについて
弥生時代というと稲作の伝来なのですが、根本的に稲作の1年間の流れを押さえているでしょうか。道具を学習するにも、農村について学習するにも、稲作がどのようにして行われているのかを知らないと、単に語句だけの暗記になってしまいます。そこで、今回は1年を通して稲作がどのようにして行われているのかを説明します。ちなみに、最近のテレビ番組でいうと、稲作の流れを理解するには、個人的には「鉄腕!DASH!!」がオススメです。昔ながらの方法で稲作を行っており、1年を通じてどの時期にどのような作業があるのかを知ることができます。もし番組を見ることができる人がいれば、一度ご覧ください。
稲作に必要なもの
まずは、育つための「苗」です。これがないと稲を育てることができません。
次に田んぼです。田んぼには、「栄養がつまった土」と、「たくさんの水」が必要です。
あとは、「日光や適切な気温など自然環境」です。これについてはなかなか人力でコントロールできないので、歴史上しばしば不作や凶作になったことがありました。つまり飢饉などの問題が発生している場合には、こうした自然環境の変化も知ることが大切です。
② 田植えまでにすること
苗を育てる
現在では、弥生時代にはすでに「田植え」が行われていたとされています。つまり苗をあらかじめ育てておいて、その生育した苗を田んぼに植える作業をしていたことになります。
田んぼづくり
実はこれがなかなか大変な作業です。稲作をすると土地の栄養が消費され、そのままでは同じ場所で連続して稲作を行うのは難しいです。そのため、土地に肥料を与えて栄養価の高い土作りが必要となります。ここで、日本史で学習する様々な肥料(刈敷・草木灰・金肥など)が使用されることになるのです。
また、新たな土地を開墾して田んぼにするなら、まずは土地を耕すことが必要です。その時に使用される道具が「鍬」などです。弥生時代にはすでに「鉄製の鍬」が使用されていました。中世になると、牛や馬の力を借りた「牛馬耕」が行われました。
次に田んぼに水を入れます。今でこそ灌漑設備(田んぼに水を入れるための設備)が整っているので、簡単に水を入れることができますが、最初はこの灌漑設備をつくることから始まります。弥生時代の初期に稲作が伝来した当初は、灌漑設備がまだ整っておらず、低湿地などの「湿田」で稲作を行っていました。そのうち灌漑設備が整うにつれて、もともと水がない場所である「乾田」でも稲作が行われるようになりました。
この湿田で作業する時には、低湿地での作業となるので、足が沈まないように「田下駄」などが使用されました。
そしていよいよ水を入れた田んぼに苗を植える田植えが行われるのです。現在では機械で行いますが、昔は村人総出で行っていました。そうした協力作業を「結(ゆい)」といいます。
③ 収穫から脱穀・貯蔵まで
水の管理
稲作については十分な水が必要なため、水の管理はとても重要でした。村同士の争いも、この水をめぐる争いが原因となっていることがありました。また同じ水源を利用している村々では共同で水の管理することもあり、中世において「惣村」が形成される一因にもなっていました。
稲穂の収穫
秋になるといよいよ稲穂の収穫です。弥生時代には「石包丁」が使用されていました。これは「穂首刈り」といって、稲穂の上の部分だけを刈り取る方法です。一説には、弥生時代に稲作が伝来した当初、稲の種類が一定ではなく、生育の早さも異なっていました。そのため、生育した稲穂から順に刈り取るために「石包丁」による「穂首刈り」を行っていたという説もあります。
その後、稲の種類をある程度統一して植えるようになると、同じ時期にまとめて収穫できることから、弥生時代にはすでに「鉄鎌」による「根刈り」が行われていました。
脱穀
脱穀とは、刈り取った稲穂から籾米(もみ殻がついた状態のお米)を取り出し、もみ殻と玄米に分ける作業です。弥生時代において、この時に使用された道具が「木臼」と「竪杵」です。ともに木製の道具で、臼の中に籾米を入れて、竪杵で摺りながらもみ殻を取ります。
貯蔵
玄米は来年の苗に使用する分を置いといて、あとは食べる時まで貯蔵します。弥生時代には「高床式倉庫」で保存されていました。
お知らせ
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