黒紋付のような蝶
かえるさんのこちらの記事を読んで、鹿児島で見た蝶のことを思い出しました。
鹿児島で『仙厳園』という島津家の庭園に行きました。
桜島が目の前に見える日本庭園や殿様が暮らした御殿など優雅な景色の一方、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産となる反射炉跡や日本最古の石造洋式機械工場もあります。
ちょうど「るろうに剣心」の時代のような、江戸から明治へと変わっていくつなぎ目のような所で、江戸時代も遠い昔のことではなく、今と繋がっていると感じられる場所でした。
NHK大河ドラマの「西郷どん」のロケも行われていたようで、写真付きのパネルも所々に展示してありました。
そのパネルの一つ、島津斉興、側室お由羅の方(西郷どんでは小柳ルミ子が演じた)が写っている写真の前で
「このお由羅さんっていうのがすごい人だったみたいでね、ここに幽霊が出るらしいんだよ」
地元の友達が話してくれました。
園内を歩いていると、レンガで工事された川が下の方に見えました。
奥に祠があるようで、川沿いの細い道を歩いていると、黒いアゲハ蝶がゆらゆらと飛んできました。よく見ると、まるで黒紋付のように白い柄が。
「わ蝶だ」なんて言いながらも、さっきの幽霊の話が頭をよぎり、声も小さくなりちょっとドキドキ
道を進むと祠があり、お参りしすぐに戻ろうとふと下の川を見ました。するとさっきと同じ黒紋付のような蝶がたくさん
「うわ、うじゃうじゃいる!」
頭には黒紋付きを着て、白い顔の小柳ルミ子が。
こっこわい
実際は数匹だったんだと思います。でも幽霊を思い浮かべていたり、川のジメッヒヤッとする感じと相まって、急に怖くなってしまいました。
なんで西郷さんは戦争をしたんだろう、なんで薩摩藩は強気なんだろう。生麦事件、西南戦争。なんでそうなったんだろう、と戦争を感じる場所に行くと思います。
私はそれほど歴史に興味もないので、詳しく調べるとまではしません。ただこの場所を訪れ、薩摩藩は早くに外国の技術も知り日本の近代化をリードする立場だったのかもなと思いました。
そして、何が正しいかもわからない中、自分達の正義を信じ戦わざるを得なくなったんだろうかと勝手に思いを馳せました。
戦争は、負けた方が悪のように見えてしまいます。でも薩摩藩は薩摩藩で、日本のために何かをしようとしていたのかもしれないし、理不尽なこともあったかもしれない。無念の中死んでいった人々も多くいるんだろうなと、
島津のお殿様の御殿裏の川で舞う、黒紋付の蝶たちを見て、そんなことを思いました。
いにしえの皆さん、今、平和に暮らしています。ありがとうございます。
タイトル画像は、仙巌園の隣にあるスタバです。昔の建物を利用しているようで中もとってもおしゃれでした。
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