【読書記録】「相場師一代」の本を読んでみて

投資に興味を持っていて、実際に株式投資など実践している自分。
最近、「相場師一代」の本を読んでみたので、読んだ感想をシェアしたいと思います。

「相場師一代」の本は、個人としては破格の数百億円の株取引に成功し、「最後の相場師」と称せられた「是川銀蔵さん」が93歳で記した唯一の自伝です。

まず、読み終わった感想を要約してみると、

『世の中のこれから経済の動きを捉える「先見の明」が半端なくすごいのと、ここぞというタイミングでの「大胆な決断力、素早い行動力」はとても真似できるものではない。』

というのが、第一の感想ですね。

そして、この本を通じて是川銀蔵さんの存在を初めて知ったのですが、
是川銀蔵さんが生きた時代(大正から昭和の戦前・戦中を経て、戦後の高度経済成長期からバブル崩壊まで)は、本当に世の中のルールが目まぐるしく変わる激動の時代で、

それぞれの時代における、その時々の世の中の経済の動きを見る目、そして世の中の動きに合わせた意思決定や行動は、本当に大正から昭和期の経済の動きを映したもの。
そういう意味では、大正から昭和の日本経済史の勉強にもなったような気がします。

是川銀蔵さんは1992年にお亡くなりになられたそうですが、
もし、バブル崩壊後も生きていて、その後の「失われた20年」を時代を見ていたら、何を考えてどう行動されたかな~、と個人的には気になったりもしました。

そんな、本を読んでいるだけで「天才相場師」と思える是川銀蔵さんですが、そんな天才が晩年には、

「株で成功することは不可能に近い。」
「危険も顧みずに、株式投資に大金をつぎ込み、人生を棒にふるような人達が出てきては困る。」
「株により巨万の富を得て、大金持ちになって豊かな生活がしたい、という目的でやったら必ず失敗する。」

という言葉を残していることが、とても印象的でした。

こんな天才相場師でさえ株で大儲けすることが無理だと言うならば、凡人の私が投資で一攫千金を狙おうなんて、自分のお金をドブに捨てる考えに等しい。という戒めになりました。

しっかりと世界の経済状況の分析を積み重ねて、一攫千金を狙わずに着実に経済成長に合わせた小さな利益を積み重ねていくことが大事。

ということを肝に銘じておきたい。と思いました。

以下、是川銀蔵さんが残している「投資五か条」と「カメ三則」。
そして、この本で学んだ名言を記しておきたいと思います。

投資五ヶ条・カメ三則

「投資五ヶ条」は、是川銀蔵さんが長年の投資人生を通じてまとめた投資の五ヶ条です。

<投資五ヶ条>
1.銘柄は人が奨めるものではなく、自分で勉強して選ぶ。
2.二年後の経済の変化を自分で予測し大局観を持つ。
3.株価には妥当な水準がある。値上がり株の深追いは禁物。
4.株価は最終的に業績で決まる。腕力相場は敬遠する。
5.不測の事態などリスクはつきものと心得る。

そして、「カメ三則」とは、ウサギとカメの例にとって、カメになった心境でじっくりと時間をかけて売買する。ということ。

<カメ三則>
1.銘柄は水面下にある優良なものを選んでじっと待つこと。
2.経済、相場の動きからは常に目を離さず自分で勉強する。
3.過大な思惑はせず、手持ち資金の中で行動する。

手持ち資金の中で行動するという原則から、
「信用取引には手を出してはならない」ということを訴えられていますね。

投資は正々堂々と

投資云々というより、人間として当たり前のことと思うのですが、
「大勢の人を犠牲にして自分だけ利益をせしめるなんて許されるわけがない。株式投資でも常に正々堂々と勝負することが鉄則」と言われています。

弱者を食い物にした投資詐欺案件などはもってのほか。
実際に是川さんは、投資の利益の一部を寄付したり、財団を作ったり、破産寸前の相手から土地を買い叩くことをせずにあえて高い値段で仕入れたりしてますね。

意思の強さ

実際に是川さんの自伝を読んで、鋼のような意志の強さを感じました。

・これだと思ったことは、どんな困難があってもやり通す。
  ⇒若い頃から常人には不可能なことをやり遂げてますね。。。

・やっちゃいけないことは、どんな誘惑があっても手を出さない。
  ⇒酒と女には手を出さなかったそうです。

・人から聞いたものは、本当にそうなのか、自分で分析して確信があるところまで突き止めて、やっと納得する。
  ⇒毎日、経済情報に目を通して分析した結果をノートに記録を続けていたということを自伝に記していますね。

もうは、まだなり。まだは、もうなり。

株価が「もう上がらぬ」と思う時は、「まだ上がる」。
株価が「まだ上がる」と思う時は、「もう上がらぬ」。

「もう」天井だ、これから後退する。と思う時は、「まだ」という心で控え、もう一度考えてみること。

そして、勝ちに乗じた買い方が「まだ上がる」と思う時は「もう上がらぬ」もの。「まだ、まだ」は、己の欲が言わせるものであり、現実はすでに「もう」なのだということ。

その他、印象に残った名言

「自分だけの情報を集め、二合目、三合目で買い、じっと待つ」これが株式投資の極意。

「ボロ株と言われ、世間が見向きもしない時に、水面下で安い株を拾い集め、じっと育つのを待つ。そして欲をかかずに腹八分目のところで満足する。」

「勝つのみ知りて負けることを知らざれば、害その身に至る」
負けを知らないと、勝った時に自信過剰になりすぎて、その後大敗を被ることになる。
勝ち続けるためには、小さな負けを経験することは不可欠ということ。


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