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最上のわざ

私が尊敬する俳優さんの中に、故人となられた樹木希林さんがいます。
希林さんのイメージというと、とにかくユニークさが先行しますが、私は、知れば知るほど、希林さんの造詣の深さと人間性に惹かれます。

今回はその1つをご紹介。希林さんが登場する映画「ツナグ」のエンディングで、希林さんが詩を綴ってくれるのですが、その詩がとても印象的で、何年間も私の頭に残っていました。
そこで最近、ダメもと思いつつも、ネットで色々検索したところ、詩の出所を発見することができました。何度も読んで、改めて感動しました。

詩のタイトルは「最上のわざ」。上智大学学長も務めたヘルマン・ホイヴェルス神父(1890-1977)が、ドイツに帰国後、友人から贈られた詩で、映画で綴られたものは、その翻訳でした。

「最上のわざ」(冒頭のみ)

この世の最上のわざは何?
楽しい心で年をとり、
働きたいけれども休み、
しゃべりたいけれども黙り、
失望しそうなときに希望し、
従順に、平静に、おのれの十字架をになう--。
若者が元気いっぱいで神の道をあゆむのを見ても、ねたまず、
人のために働くよりも、けんきょに人の世話になり、
弱って、もはや人のために役だたずとも、親切で柔和であること--。
老いの重荷は神の賜物。
古びた心に、これで最後のみがきをかける。誠のふるさとへ行くために--

映画では上記で終わるのですが、実は、この詩には続きがありました。
ご興味のある方は下記をご参照ください。
http://home.interlink.or.jp/~suno/yoshi/poetry/p_thebestact.htm

映画:「ツナグ」(2012年)
既に亡くなった大切な人と、一度だけ再会させる仲介人「ツナグ」という職業を通じて、他人の人生に深くかかわっていく青年の葛藤と成長を描く。 直木賞小説を映画化したヒューマンドラマ。松坂桃李主演。

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希林さん。あちらの世界で、のんびり羽を伸ばしているでしょうね(笑)。

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