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第二話~仲間作り~

おやつの分配

 今日のおやつは、キノコの山とタケノコの里だった。このお菓子は、キノコ派とタケノコ派が激しくいがみ合うという不思議なお菓子だ。さとしは、キノコの山とタケノコの里の箱の中から無作為にお菓子を取りだし、皿の上に乗せた。

サトシ:それじゃあ、二人で好きなように分けて食べてね。

 はるきが皿に手を伸ばし、なるべくたくさん取ろうとすると、はるかも負けじと手を伸ばす。

はるき:僕のは全部で10個。タケノコが3個とキノコが7個。
はるか:私のも全部で10個。タケノコが7個でキノコが3個。

はるき:はるか、ずるい。タケノコが4つも多い。
はるか:はるき、ずるい、キノコが4つも多い。
さとし:全部の数は同じだけど、二人とも不満そうだね。それじゃあ、わけるのやり直そうか。
はるかとはるき:うん。

 はるかとはるきはお菓子を一度皿に戻し、もう一度取り分けた。今度も、はるかもはるきも全部で10個、はるきはタケノコが4個とキノコが6個、はるかはタケノコが6個とキノコが4個であった。

はるき:はるか、ずるい。タケノコが2つも多い。
はるか:はるき、ずるい、キノコが2つも多い。
さとし:じゃあ、どうしたら二人とも不満にならないように分けられるかな?

はるき:うまくわけられるまで、何度も繰り返す。
さとし:それも一つの手だね。

仲間作り

はるか:一度、タケノコはタケノコで集めて、キノコはキノコで集めて、それからひとつずつ分ける。
さとし:やってみようか。

 こうして、はるかもはるきもキノコの山5個とタケノコの里5個で同じ数になった。

さとし:これで不満はないね。
はるかとはるき:うん。
はるか:はるきのやり方だとうまくいかないよね?
はるき:ええ!なんでそんなこと言うの。
さとし:今回は、はるかのやり方の方が良かったけど、はるきのやり方の方が向いている場合もあるんだよ。例えば、お菓子の種類がたくさんあったり、ひとつしかないお菓子がある場合には、はるかのやり方じゃわけられないからね。
はるき:えっへん。
さとし:一度、はるきのやり方で分けてから、欲しいものを交換すると、もっといいね。
はるか:ふ~ん。
さとし:はるかのやり方は、平等に分けるために最初に仲間作りをする方法だったね。今回のケースだと、一番いい方法だったんじゃないかな。
はるか:やったー!

 それからはるかとはるきは、楽しくお菓子を食べたが、ぼろぼろと食べかすが落ちてしまい、部屋が汚れてしまった。

さとし:部屋が汚れちゃったから、掃除をしよう。ここにほうきとふきんがあるから二人できれいにしてね。
はるかとはるき:はーい。

これも仲間?

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