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『DUNE/デューン 砂の惑星』ぞっとするほどの完璧さ

 西暦1万190年。人類は宇宙帝国を築き、厳格な身分制度のもとで各惑星を1つの大領家が治めていた。皇帝の命を受けたアトレイデス家は、希少な香料を産出する砂の惑星「デューン」を統治すべく旅立つ。しかし彼らは現地で、宿敵ハルコンネン家と皇帝が仕組んだ陰謀に直面する。
 ルックに完璧でないところは一つもない。数多の種類ある飛行船の美しさ、衣装の緻密なデザイン、砂漠がどこまでも広がっていく息を呑む綺麗さ、俳優たちの繊細な表情のキャプチャー。全てが完璧だ。
 それでもまだ序章であり、現在公開中の次作でも、まだ一区切りという、フランク・ハーバートの古典。ヴィルヌーヴのキャリアを犠牲にし過ぎるのは惜しいが、原作の終わりまで映像化してほしい。
 ストーリーの最高潮だけが素晴らしいのではなく、ディティールを描く部分、終幕に向かうライン、全てをかけて砂漠の砂嵐の中を彷徨ったような、読後感。オールスターキャストのPART2へと気持ちはつづく。

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