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『ロミオ&ジュリエット』私的最高傑作。シェイクスピア、ラーマン、ディカプリオ、デインズの個性のぶつかり合いは至高の作品を生んだ。

 シェイクスピアのこの著名な古典にしては、感動が少ないかもしれない。だが、アヴァンギャルドな世界観を光り輝かせたラーマンの演出は、一つの艶やかな美世界を作り出している。やり過ぎかと思うところまで、私には魅力に思える。その蛍光色の色彩と白と黒は、脳裏から離れない。また、ディカプリオの中性的魅力を解き放つばかりか、デインズの可憐なメソッドの演技を導き、彼女の最高傑作を作った。
 ネリー・フーパーの音楽も素晴らしく、“I'm Kissing You"が流れながら、二人が見つめ合い、口づけをするシーンはうっとりするほど綺麗だ。そして、レディオヘッドの“Talk Show Host“が流れるなか、もの憂げなディカプリオが映るシーンは、男ながらも見とれてしまう。
 1996年にシェイクスピアの古典を現代に置き換えて作られた本作は、いまだ全く色褪せておらず、筆者の思春期の悲しみとともに、人生の大きな宝石となった。

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