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研究支援という仕事<ファンドレイザー編>|渡邉文隆氏(京都大学iPS細胞研究所)

※記事の内容は掲載当時(2016年)のものです。

先日の「Research Fund 2.0」で寄附金について講演された、京都大学iPS細胞研究所の渡邉文隆氏に紙面インタビューを行ないました。研究支援という仕事、特にファンドレイザー(寄付募集専門職員)について、渡邉氏の経歴と併せてご説明いただきました。

渡邉文隆氏のプロフィール:京都大学iPS細胞研究所・所長室・基金グループ長。ファンドレイザー(寄付募集専門職員)。京都大学総合人間学部卒。デジタル ハリウッド大学大学院修了。デジタルコンテンツマネジメント修士。専門は、非営利/公共分野におけるマーケティング。民間企業でのマーケティング担当とし ての勤務の後、2013年にiPS細胞研究所へ着任。年間10億円を目標に、iPS細胞技術を患者さんのもとに届けるための寄附を集めている。

iPS細胞の研究を支える仕事

現在のお仕事について教えてください

iPS細胞研究基金への寄付募集活動を実施・管理する仕事をしています。具体的には、さまざまなメディアやイベント、刊行物などで寄付の必要性についてメッセージを発信したり、領収証書・感謝状発行・報告書送付などの寄付者の方々への対応を行っています。

最初から広報やマーケティングのお仕事を目指していたのですか?

目指していた、というほどではありませんで したが、大学時代から強い興味を持っていました。大学に入ってまもなくあしなが育英会での寄付募集のボランティア活動を始めたのですが、その4年間の活動 を通じて、広報やマーケティングの大切さを実感していました。広報もマーケティングも、相手や社会のことを深く理解すればするほど良い仕事ができるという
点で、とてもおもしろい仕事だなと感じていました。
大学では、主専攻で生理学を研究し、副専攻で途上国でのエイズ予防のための行動変容(コンドームをどうやって使ってもらうか等)を学んでいましたので、前者の知識はiPS細胞技術についての情報発信に、後者の知識は広報・マーケティングに役立っています。

前職の企業やNPOではどのようなお仕事をされていましたか?

前職では、環境ビジネスの会社でマーケティ ングの仕事をしていました。企業の環境・CSR担当者の方々に様々な情報を発信して、自社に相談を持ち掛けてもらうこと、環境対策・CSR活動の予算を増 やしてもらうことがゴールでした。すばらしい上司に恵まれ、「いかに少ない予算で、再現性のある成果を得るか」に熱中していました。そのうちに、他の企業 やNPOが行うマーケティング活動を支援するような仕事もいただくようになり、顧客の担当者の方と一緒に頭をひねっていました。
仕事で得たノウハウを社外でも活かそうと思い、友達のNPOや妻が勤務していたNGOのために、ボランティアとして寄付募集活動をすることも多くありました。

京都大学iPS細胞研究所に着任して、NPOや企業とのギャップを感じましたか?

患者さんなどの外部の方から浴びている注目、寄せられるご期待が、これまでの勤務先やNPOと比べて非常に大きいと感じました。国などからの研究費も手厚くいただいている中で、民間企業やNPOで働いていた時とは違う種類の、非常に大きな責任を感じています。

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