【カメラマン必見】写真クリエイティブの制作手順
ACAPのIkkoです。(https://twitter.com/9vv4ME59uqL7H8o)
このnoteは、YouTube動画でも説明した通り今回ACAPが制作したクリエイティブの制作手順を細かく記載しております。
まだ、YouTube動画を見ていない方は先にYouTube動画を見ることをおすすめします!
【YouTubeリンク】https://youtu.be/6q2ZUmNxdyU
【実際に制作した今回のクリエイティブ】
それでは、最初に今回制作した写真をお見せいたします。
それでは、実際の制作手順に沿って今回のクリエイティブを振り返っていきます。
【制作手順1|クリエイティブのテーマを考える】
ACAPでは写真を制作する際に、まずはクリエイティブに対してのテーマづけをおこないます。
この作業は、クリエイティブディレクターのACAP JuM(https://twitter.com/acap3_J)が担当しています。
今回のクリエイティブはタレントさんの名前が「さくら」であることと時期的に花見のシーズンであったため「桜」をテーマにしました。
作品のタイトルは「桜灯:outou」
桜灯とはACAPが考えた造語で、花明かりという言葉からとっています。
花明かりとは、満開の桜であれば暗い夜でも明るく見えるという意味があります。
この言葉から着想し、暗い状況の中でも桜の美しさは変わらず光を放ち続けているというメッセージを伝えたく桜灯と名付けました。
この作品を見て、新型コロナウイルスによって気軽に日本の桜を見ることができなくなった海外の方やお花見、宴会を自粛している方に向けて日本の桜の美しさを改めて思い出して欲しいという意味を込めています。
このテーマに着地するまでに具体的には、下記の3点をおこないました。
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①クライアント・タレントへのヒアリング
②世間が求めていることの調査
③ACAPとしてどのような作品を作るべきか
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この3工程を踏むことで、単に自己満足で終わらない作品作りができると考えています。
それでは、1つずつ解説していきます。
1.クライアント・タレントへのヒアリング
まずは、クライアントやタレントへのヒアリングをおこないます。
ここでは、何故クライアントが写真(クリエイティブ)を必要としているのか、タレントはどのような写真を求めているのかを掘り下げていきます。
今回の場合は、zoomでのMTGやこちらが用意した企画書などを通して、ヒアリングの作業をおこなっていきました。
ヒアリングの結果、タレントや企業のイメージを壊さない範囲の中で今まで撮影してこなかった写真を撮りたいという結論に着地しました。
(SNS内での認知拡大や差別化などが背景にあります。)
クリエイティブの制作は、クライアントが満足してはじめて成り立つものなのでこの作業は丁寧に行うよう意識していきましょう。
2.世間が求めていることの調査
次に、世間が今求めている物を調査していきます。
具体的にTwitterやInstagramなどのSNSや雑誌などを見て、今の写真の流行りや、世の中の風潮などを探っていきます。
クリエイティブは評価されてこそ輝くものなので、世間との接点は意識しつつ制作することを心がけています。
SNSを探ってみると、
桜の下で宴会を大々的におこなえない物悲しさや綺麗な桜を見るために旅行することが難しいという歯痒さが見受けられました。
そのような世間の声を基に、どのような想いを世間に伝えたいかなどの構想が浮かんできます。
3.ACAPとしてどのような作品を作るべきか
最後に、ACAPとしてどのような作品を作るべきかを考えていきます。
1,2の作業は自己満足なクリエイティブにならないためや、ニッチすぎる作品になることを抑制するためにおこなっているのに対して、ここでは反対にACAPとしての意思を反映させていきます。
具体的には、「ACAPは今どのようなポートフォリを必要としているのか」「ACAPは世の中に対して何を表現したいのか」「ACAPのクリエイティブは最終的にどこを目指すのか」などをチーム内で話し合っていきます。
この3工程を行うことで、大衆に受け入れられるポピュラーな作品のテイストを維持しつつ、ACAPらしさを残した(会社にとって意味がある)作品が制作できると考えています。
その会社らしさを出すことは制作会社として生き残っていくためにははかなり重要になってきます。
また、いちクリエイターとしても自分でしか作れない物を提供することは大切な軸だと考えています。
【制作手順2|イメージ作り】
クリエイティブのテーマが決まった後は、そのテーマに沿った絵をイメージしていきます。
この作業は、アートディレクターの僕(https://twitter.com/9vv4ME59uqL7H8o)が担当します。
具体的には、下記の5点をおこないます。
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①クリエイティブの競合・世間体の調査
②リファレンンス探し
③プラスαとなる要素探し
④絵の決定(実現可能性を踏まえた上で)
⑤ACAP内でのイメージの共有____________________________________________________________________
それでは、1つずつ解説していきます。
1.クリエイティブの競合・世間体の調査
これは先ほど、テーマの章で書いた内容と基本的には同じで、「今何が評価されているのか」「どのような作品が主流なのか」「海外だとどう変わるのか」などを見ていきます。
一般的な作例を見つつ、自分ならこう表現するのにな、こんなのはどうかな、なんでこんな感じの作品はないんだろうな、などを考えながら見るようにしています。
この時点で、頭の中である程度の絵は決まってきます。
2.リファレンンス探し
リファレンス探しは、テーマ(桜)やタイトル(桜灯)に沿った既存のクリエイティブを探す作業です。
このときに、タレントのポーズや撮影場所のイメージも膨らませていきます。
競合や世間体の調査との違いは、自分が作りたいクリエイティブに似ている情報を集めていきます。
具体的には、Pinterest、Instagram、雑誌などを活用していきます。
テーマに囚われすぎず、できるだけ自由に拡散的な思考をすることを心がけています。
テーマやタイトルをどこまで細分化できるかがポイントになってきます。
この段階で、頭の中のイメージが実際に実現可能かどうかが見えてきます。
3.プラスαとなる要素探し
競合・世間体調査とリファレンス集めが終われば、ある程度のラインの作品は作れる未来が見えてきます。
ここにどうプラスαを足すかがクリエイティブの鍵になってきます。
あえてこの構図で撮ったら良いのではないか?
メイクをこうしたらどうか?
服装をこうしたらどうか?
など、既存の作品にはないポイントを探っていきます。
ここで注意したいのは、テーマや目的からそれないことです。
例で言うと、
今回作品としては桜のフェイスペイントをするのも面白いのではないかと考えましたが、「タレントを売り出す写真において顔に変化を与えるのは違う」、「服が派手すぎてタレントに目がいかなかったらPRとしては弱い」、などの意見が出ました。
このような足し算引き算を行いながら、今回はプロップを用いた室内撮影に挑戦しようとなりました。(既存の桜テーマの写真は外撮影が多かったため)
4.絵の決定(実現可能性を踏まえた上で)
ここでようやく最終的な絵が決定します。
「どこで撮影するか?」「服装は?」「質感は?」「髪型は?」「ポーズは?」「構図は?」「プロップは何を使うか?」「背景はどうするか?」「予算内でいけるか?」
などを加味して、絵の完成イメージを作ります。
そのイメージを実際に絵コンテとして落とし込みます。
絵コンテの制作は、ACAP THINがおこないます。
5.ACAP内でのイメージの共有
絵コンテができた段階で、ACAPの他のメンバーに絵を共有します。
メンバーからのフィードバックをもらい、調整して絵は完成です。
この後、具体的にどこのスタジオを借りるか、どこでプロップを買うか、どのカメラ・レンズを使うかなどを決定します。
【制作手順3|今回のクリエティブの撮影方法】
タイトルと絵が決まれば後は本番の撮影です。
撮影はACAP Nomoが行いました。
今回の撮影のポイントは、テーマである「桜」を表現しつつ、桜を主役にしないことです。
あくまで主役はタレントさんです。
もしタレントさんとテーマの両方を主役にした場合、被写界深度(F値)や照明の当て方が変わります。
今回はテーマの桜を掛け合わせてタレントさんの魅力を引き出す撮影を意識したため、SIGMA70mmにF2.8-4.0ほどで撮影を行いました。
70mmの焦点距離は標準と比べるとやや望遠のため、少し空間が圧縮された写真を撮影できます。今回はスタジオ撮影に加えプロップ(桜)を豊富に用意できる予算ではなかったため、70mmを選択しました。
被写界深度(F値)は開放寄りのF2.8-4.0ほどに設定し、
手前の桜の存在は認知できるけど視線は自然と中心のタレントさんに向かう
そんな写真にしました。
被写界深度を少し浅くF6程度、より浅くF10程度に設定して撮影することも可能でした。今回使用したストロボの光量が十分すぎるほど多いためです。
ただ、テーマ「桜」を表現するために写真の「柔らかさ」も要素の1つだと考え、開放に振り切りました。
レンズや照明が優れていればいるほど表現の自由度が上がります。
自由度が上がりどんな撮影でも50点を出せるようになるかもしれません。
ただ、60点、70点とクリエイティブレベルを上げていくためには、事前に決めたテーマに沿ったカメラ設定を自分が納得するまで考え、当日臨むのが良いと思います。
【制作手順4|今回のクリエティブの編集方法】
撮影が終われば、最後は編集作業です。
編集の作業はACAP Nomoが担当しました。
Beforeの写真がこちらです。
完成した写真がこちらです。
【今回のクリエイティブに使用した機材】
カメラ
レンズ
照明関係
【今回のクリエイティブで使用したスタジオ】
レンタル可能な機材の種類が豊富で、1時間3,278円でレンタルすることができます。
【今回のクリエイティブで用意したプロップ】
今回の撮影に使用したプロップは桜(造花)3種類です。東京堂本店で1本あたり5,000円-10,000円で購入しました。
まとめ
いかがでしたか?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回は、ACAPの写真クリエイティブの制作過程を細かく説明させていただきました。
作り方や考え方は多種多様だと思いますので、参考程度に知っていただければと思います。
ACAPは、今後もクリエイティブを通して誰かの心に刺さるメッセージを伝えていきたいと思っています。
良かったらSNSでシェアしていただけると嬉しいです!
写真制作に興味がある全ての人にこのnoteが届きますように。
・Nomo
https://twitter.com/AcapNomo
・JuM
https://twitter.com/acap3_J
・IKKO
https://twitter.com/9vv4ME59uqL7H
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