見出し画像

私たちから変わろう!-カーティス教授の政治シリーズ-

2007年にスタートした「カーティス教授の政治シリーズ」。
11月18日(金)の開催で45回目になります。毎年、カーティス先生が来日されるタイミングで3回ほど開催をしてきました。流暢な日本語で、日本と米国を中心にした外交問題や国内政治について、海外からの視点も加えてお話いただいています。

2020年以降は来日ができなかったためにオンラインでお話をいただいておりました。ようやく9月に3年ぶりに来日が叶い、2022年は9月と11月にリアルで開催をしました。
「変容する世界体制の中の日本とアメリカ」をテーマに、9月は外交、11月は日米の国内政治を中心にお話をしていただきました。

9月の外交を中心にした講演はこちらの記事をご覧ください。


そして、今回は日米の国内政治がテーマです。
前半は11月に実施された米国の中間選挙の結果が意味することについてお話をいただきました。
共和党優勢という事前の予想に反して、上院は民主党が多数を確保するなど民主党が善戦した要因を詳しくお話いただきました。中間選挙の仕組みや2024年の大統領選挙への影響など多義にわたる内容でした。

この2022年の米国中間選挙については、アカデミーヒルズのpodcastでもカーティス先生がお話くださっています。
是非お聞きください。

そして、後半は日本の国内政治についてです。
カーティス先生は、「今の日本の国内政治の状況をどのように語ればいいのか分からない。」と現在の状況を表現されました。
「岸田首相は何をしたいのかが見えてこず、支持率は低下するばかり。
しかし、岸田首相に代わって日本をリードできる政治家も残念ながらいないのではないか?日本は沈没する感じ。」と率直なコメントをされました。

アカデミーヒルズのライブラリーメンバーの皆さんへ語りかけるカーティス教授

一方で、カーティス先生は「日本はもっとポテンシャルを持っているはずだから頑張ってほしい。3年ぶりに来日して、少しずつだが日本の変化を感じた。例えば英語を話す若者が増えたことや、スタートアップ企業も元気が良いと思う。しかしペースが遅い。この変化を加速させて欲しい。」と、期待を込めて締めくくられました。

参加したメンバーから「何故日本の政治家から強いリーダーが出てこないのか?」という質問がありました。
カーティス先生は、「有権者である皆さんが、本当に強いリーダーを望んでいますか? 本当に望めば(ニーズがあれば)、必ず強いリーダーは出てくると思う。望んでいない(諦めている)状態では出てこない。政治家に期待する前に、皆さんが変わる必要があるのではないか!」とのコメント。

別のメンバーからは「“変わる”と言っても、具体的に何をすれば良いのでしょうか?」という問いがありました。
カーティス先生は、「例えば、自分が興味がある社会課題について、何かをやってみる。それについて調べてみる、勉強してみる、セミナーなどに参加してみるなど、小さくて良いので一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。一人ひとりの一歩は小さくても皆が踏み出せば大きな動きになるでしょう。」とのコメントでした。

以前に読んだ『人生を面白くする 本物の教養』(出口治朗, 幻冬舎新書, 2015年)に、「リテラシーとは、たんに他人を責めることではない。例えば政府を批判することは市民の重要な権利だが、野党が代案を提案すべきと同様に市民も極力代案を提示すべきだと思う。まず我々市民がなすべきことは選挙へ行って投票率を上げること。現在の政府が気に入らなければ、我々の投票によって変えれば良い。」という主旨が書かれていたことを思い出しました。

「小さくても良い、一歩を踏み出すこと」は、人生全てに共通していることだと思います。
カーティス先生のお言葉は、厳しい中にも日本への愛情を感じます。沈没しないように、一歩を踏み出したいと思います。

アカデミーヒルズ 熊田ふみ子


#アカデミーヒルズ #ジェラルド・カーティス #米国 #中間選挙 #政治 #外交

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?