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「潜在能力を発揮した話」

人間は時に考えられないほどの「力」を発揮することがある。境地に立たされた人間は生きるため、プライド守るため、だれかを救うために普段隠されていた「能力」はプリっと顔をだす。

この話は私が京都に住んでいた頃の話である。休日になるたびに妻と一緒に京都水族館へ癒されに行っていた。その日は下ろし立ての服を着て、夫婦で通いなれた水族館への道を歩いていた。私はなんとなく、

腹の調子が悪かった。

まぁ、歩いて15分くらいだ。大丈夫だろう。そんな高をくくって雑談しながら歩いた。半分くらい歩いた頃警告が鳴った

「ギュイーン、キューッ、ゴリゴリゴリ!!」

中学生が買ったばかりのエレキギターを独りよがりで弾きまくる時のような、ひどい音が私の腹から鳴った。

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