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「石原さとみ化」するマクドナルド

今朝、リモート会議に最適なスポットを求めてショッピングモール内を彷徨っていたんですよ。

そしたらマックが目に入り、

「朝っぱらから米国企業の世話になるの中国は人としてどうなん?」

まあ2秒ほど葛藤したのち、

「マックのロゴの配色は中国国旗と同じだからセーフ」

というそこそこIQが絶滅してる政治的判断を導き出した僕は、マックにインしたわけですけど、

記憶を反芻すれば、学生時代は毎週のように通っていたマック。

久々のマックだったわけです。

そしたらドン引きですわ。

マックがありえないぐらいオシャレになってるんですよね。

「あれ、間違ってスタバに入っちゃったかな?」

ってぐらい、オシャンティーぷんぷんなんですよ。

「オレたちマジで鬼キャッチーなオシャレ攻めてますけど何か?」

の匂いプンプンなんですよ。


ほら、昔のマックって、ぶっちゃけ食堂じゃないですか。

フードコートなチープテイストじゃないですか。

それがいつの間にこんなオシャレな子に・・・。

お父さんの心の中で切なさがマッハ1.5の速さで去来したのは言うまでもありません。

まるで上京してきた田舎娘が、大都会と芸能界の瘴気を吸って色気づき、

やがて「大人のオンナ」へと垢抜け、

かつての純朴さを銀河の彼方までかなぐり捨てた

石原さとみ

を思わせます。

「石原さとみ化」

がマックで起こっていたのです。


それと言うのも、僕って極度の

オシャレ・コンプレックス

なんですよね。

心理学の分野では色んな「コンプレックス」がありまして、

「ファザー・コンプレックス(ファザコン)」

「シスター・コンプレックス(シスコン)」

「エディプス・コンプレックス」

とかがよく知られており、

これらはスイスの精神科医・ユング先生の研究に詳しいのですが、

「オシャレへの恐怖心」に関して言えば

「オシャレ・コンプレックス」、略して

「オシャコン」

呼ばれ、

時代の最後尾に取り残されたがゆえに誕生した、

時代の最先端を突進する症例であると、

ユング先生も述べておられます。

大変クリエイティブな知見と言わざるを得ません。


この「オシャコン」の具体的な症状としましては

美容院に入れない

ZARAに入れない

GUをグーって読んでしまう

スタバは緊張する

キャラメルフラペチーノを頼めない

原宿を歩けない

お台場は過呼吸

表参道は死ぬ

といった症状が散見されます。

まあ、これ、全部、

僕なんですけどね。

僕のような重度なオシャコン患者には、

あういうキルゾーンに入ることは

激しく精神をすり減らす苦行に等しいので、

Wi-Fiスポットとかどうでもいいから、オシャレエリアにこそ

AED(自動体外式除細動器)を設置すべき

だと、シャウトしてやみません。

しかし、イシハラナイズされたオシャレマックにはAEDは設置されておらず、

これは全くもって厚生労働省の怠慢、民主主義の失敗にほかなりません。

あのねえ、これ、命綱なしで綱渡りさせられるようなもんやで。

このワイにどうしろと。

ドナルドの陰謀かと。

オシャレで俺を殴り殺す気かと。

刻一刻と迫るリモート会議の時間。

僕はついに意を決して

逃げちゃダメだ

逃げちゃダメだ

逃げちゃダメだ

を100ぺんほど唱えながらストレッチなどの準備運動を入念にこなし、

右手拳を天空に突き上げながらマックに足を踏み入れたのです。


月日は百代の過客にして、行かふ年もまた旅人なり。

海は死にますか。

山は死にますか。

風はどうですか。

空もそうですか。

おしえてください。

私は時折、苦しみについて考えます。

そんな朝、リモート会議5秒前。

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