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ゴジラ-1.0の登場人物に見るエニアグラム

公開初日に観てきた、ゴジラ-1.0マイナスワン
すでに多くの人が観に行っているようですね。

自分も2回目、3回目も観たいと思いつつ、
とりあえず初めて観た段階の、
感想をまとめておこうと思いました。

2回目以降に、どんなふうに見えるのか、
新たに気づく部分もあるのか、
なども楽しみなので、覚え書きとして。

ただ、完全にネタバレになるので、
以降は間違えて見てしまう人がいないように、
有料で伏せておくことにしました。

<2/25追記>
ネタバレを間違えて読んでしまう人が出ないよう、
後半は有料記事としていましたが、
観たいと思っている人はひと通り
観たであろうということで、
有料を解除いたします。
お支払いいただき読んでいただいたみなさん、
ありがとうございました。

……という形でつらつらと書き始め、
基本的には内容について
書いておこうとしたのですが、
すでに多くの人が言及し始めているし、
しかも書こうとすると際限なく
書けてしまいそうな気配も。

そこでここでは、
主な登場人物について、
性格タイプ論の一つ、エニアグラムと
合わせて言及しておこうと思います。

結局はネタバレになるので、
伏せることは代わりありませんが…

エニアグラムで見る登場人物

エニアグラムとは

エニアグラムとは、大きく9つのタイプに分ける
性格分類論で、自分は学び始めて4年になりますが、
奥が深くまだまだ完全に把握するには
いたっていません。

ご存知ない方のためにざっくり9つのタイプについて
記しておくと、以下のようになります。

教えている学派によって、
タイプごとの呼称が多少異なるのですが、
ここではあえて、自分が学んだ岸正龍先生の
「エニアプロファイル」に基づく名称で記しておきます。
タイプの特徴はかなり省略したものなので、
いずれ機会を作って解説しようと思いますが、
興味がある方は参考文献もご紹介しますので、
ご参照ください。

タイプ1:ルーラー
 ルールや正しさを重視
タイプ2:スマイリー
 にこやかで世話好き
タイプ3:クール
 合理的で達成することを目指す
タイプ4:ワンダー
 独特の雰囲気や発想をする
タイプ5:シンカー
 自分の関心を徹底的に追求する
タイプ6:バランサー
 空気を読んで
タイプ7:ファンラバー
 明るく興味があることにすぐに飛びつく
タイプ8:ビッグボス
 場を支配しようとする
タイプ9:ピース
 のんびりとして平穏を良しとする

ざっくり過ぎるかもしれませんが、
とりあえずこんな感じ、
と思っていただければ。


以下、参考文献です。
(アソシエイトリンクになっています)
参考文献より後は、ネタバレとなっています。
まだ観ていなくて、ネタバレは避けたい、
という方は、ここまでにしてください。


澄子:タイプ8

さて、タイプがわかりやすいのは、
なんと言っても安藤サクラさん演じる
お隣さん・澄子。

おめおめと生きて戻ってきた敷島を責め、
きつい態度を見せる一方で、
敷島家に転がり込んだ赤ん坊を気にかけ、
なけなしの米を分けてくれる。

タイプ8と考えて間違いないでしょう。

終盤、敷島の留守中に届いた電報を
帰還した敷島に渡し、
彼の胸をグーで何度も叩くのも、
8ならではかなあ、と思います。

敷島:タイプ6

主人公、神木隆之介さん演じる敷島は、
嘘をついて特攻から逃げたり、
まだ小さかったゴジラにも怯えて
戦闘機の機関砲を撃てず、
勇気を持てないさまを見せます。

一方で、預けられた赤ん坊を見捨てられず、
転がり込んできた典子も追い出せないなど、
場の状況に流される部分もあり、
タイプ6かな、と思いました。

終盤に見せる目的のために見せる勇気も、
6らしいと言えるかもしれません。

野田:タイプ9

敷島が乗ることになった機雷除去船の、
学者こと野田は、タイプ9でしょうか。

学者なのでタイプ5、
というのが典型的なパターンになるのですが、
少しスローな喋り方や話の運び方なども、
5よりは9かな、と。
演じる吉岡秀隆さんの雰囲気の影響も
大きそうですが。

余談ですが、その吉岡さん。
公開前は言えることが少なくて、
インタビューは苦労した、
と話す他の出演者たちに対して、
記者もプロだから適当に対処してくれるだろうと思って、
あまり気にせずに喋っていたとか。
タイプ9らしい楽観さが出ていますね。

水島:タイプ7

機雷除去線に乗る、山田裕貴さん演じる
小僧こと水島は、タイプ7かもしれません。

「もう少し戦争が長引いていたらなあ」
(自分も活躍できていたのに)
という軽口でみんなに怒られるのが、
お調子者の側面があるタイプ7っぽいな、と。

終盤、最終決戦には置いてけぼりにされた彼が、
民間の大船団を率いてやってくるという行動力も、
タイプ7の特徴が出ているように思いました。

典子:タイプ3

あとになってしまいましたが、ヒロインである、
浜辺美波さん演じる典子。

厳しい状況だったとはいえ、
盗みを働いてでも生き抜こうという様子や、
敷島の家に転がり込むところなどは、
その場での最善を冷静に判断しているように見え、
タイプ3の特徴が出ている、といえるかも。

託された赤ん坊を捨てられないながら、
トラウマに苦しんですがってきた敷島を
思い切り突き飛ばす様子は、
簡単に情にほだされるわけではなく、
世話を焼くタイプ2とは違うようです。

銀座での仕事を見つけてきて
自ら道を切り開こうとする様子も
タイプ3らしいのではないでしょうか。

橘と秋津は…

メインキャラクターで残った2人は、
まだ判断が出来かねています。

海軍航空隊の整備兵、青木崇高さん演じる橘は、
自らもひどい怪我を負いながら、
ゴジラに殺された仲間の遺体を
きちんと並べ、それぞれが持っていた
家族写真を回収している。

それを家族に返すのではなく、
敷島に持たせるというのは、
きっちりしていながらも
怒りをベースにするタイプ1っぽいのか。

それとも、戦闘機整備という技術に秀でながら、
これ以上余計なことには関わりたくない、
という意味でタイプ5っぽいのか。

もちろん、日本人に多いと言われる、
タイプ6の可能性も捨てきれません。

佐々木蔵之介さん演じる、艇長・秋津も、
タイプがまだ読みきれません。

艇長なのでタイプ8っぽいところも
多少見せますが、
機雷除去という命がけの仕事に見せる
気楽さは、タイプ7なのかな、とも。

このあたりは、2回めを観たら、
より見えてくるかもしれません。

集大成といえる作品

登場人物以外の部分については、
明らかにこれまでの作品への
オマージュと思われる部分が多数ありました。

なんといっても大きな特徴は、
テロップがないこと。

誰かが登場したり状況が変わったりするたびに、
テロップが表示されていた『シン・ゴジラ』とは
対象的でした。

冒頭、主人公の敷島が着陸した島が大戸島であることは、
軍施設の表札からわかるようになっています。

以降、作中では船や戦闘機の名称が
いくつも出てきますが、これらにも
一切テロップは無し。
どんな文字を書くのかは全くわからないまま進むのも、
その世界への没入感を得られる演出だと思いました。

そして登場するゴジラ。
『ゴジラVSキングギドラ』で登場した、
ゴジラの前身・ゴジラザウルスを思い出した人も
多かったのでは。

人を咥えて放り投げる、という衝撃的なシーンがありましたが、
あくまで口を武器として使うのみで、
食べるわけではない、というのが、
すぐに人間を捕食するガメラ映画の怪獣に対する
アンチテーゼかと思ったのですが。

オタキングこと岡田斗司夫氏によれば、
流血等も少なく、酷い「死体」や死ぬ瞬間を
さほど描いていないのは、
海外上映時のレイティングに対する配慮だろう、
とのことでした。

敷島が気絶して場面転換がなされることが何度かあり、
これはギャレス・エドワーズ監督のいわゆる
レジェンダリー版『GODZILLA』へのオマージュかな、と。


そんなわけで、つらつらと書いてきましたが、
もう一度観てみたら、キャラクターの印象も
変わるかもしれません。

ただただ圧倒された初見との違いも、
今後の楽しみです。


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