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2022/7/23(土)

お祭りだ。
近所の神社で、夏祭りがある。

昨今の事情で中止になったのを除いたら、記憶にある限りでは毎年行っていたお祭りだ。もう20年近く見ていることになる。
私は幼い頃から屋台のかき氷より射的より何より神楽を楽しみにしていたし、今もそうだ。そういえば、私は「おかあさんといっしょ」よりも「にほんごであそぼ」が好きな子供だった。
悪狐伝があって、菓子撒きがあって、紅葉狩りか、大江山か、土蜘蛛のどれかがあって、ヤマタノオロチで〆る、その繰り返し。小さな神社の狭い舞台で演じられる演目の種類などそこまで多くないから、去年も見た話を今年もやってるみたいなことは少なくなかったけれど、それでも劇団ごとに違う演出や、迫力のある舞、きらびやかな衣装を見るのがとてつもなく楽しみだったのだ。
古くて質が悪いスピーカーのせいでガビガビになった音声は、台詞回しが古典の教科書のようであることも手伝って聞き取りにくく、鬼役の台詞はお面のせいでさらに分からない。でも、抑揚や強弱は分かる。
まあ当時幼稚園児だった私に「(前略)先に天照大御神と御誓をなして自ら勝ち、その勝ちさびに荒び建びつるを、姉の命見畏みまして、天の岩戸をさして閉ぢ籠らせたまへば(以下略)」(石見神楽公式サイト「大蛇」より)なんて理解出来ていたはずもないが、親に翻訳してもらいつつ、絵本で読んだ「やまたのおろち」を思い出しつつ、テレビよりも真剣に見入っていた。
菓子撒きは体育の授業より俊敏に動いて浴衣の袂に駄菓子を突っ込んだ。劇団の方のご好意で神楽で使ったお面を触らせてくれると聞けば、舞台の前に飛んでいってぺたぺた触った。舞台に集中しすぎて途中で帰ることをせず、結局深夜まで起きてしまい、次の日物凄い遅起きをしてとんでもなく怒られたりもした。

脳に響く太鼓、甲高い横笛、リズミカルなチャッパなどが絡み合った日本の音を今年も聞けると思うと、もう既に興奮が止まらない。

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