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日本の旧暦とムスリム(イスラム教徒)ライフ

6月21日(金)が、夏至でした。

ムスリム(イスラム教徒)になる前はあまり意識していませんでしたが、ムスリムになると、自然と意識するようになります。

ムスリムには1日に5回の礼拝が義務付けられており、その礼拝の時間は、太陽の位置によって決まります。

たとえば今日の、東浅草での礼拝時間は次のとおりです。

多くのムスリムが、アプリで礼拝の時間を確認しています。

今日の最初の礼拝は、Fajr(ファジュル)礼拝で、午前2:37から日の出(4:26)の間におこなわなくてはなりませんでした。

夏至に近いこの時期は、1年で最も、このファジュル礼拝の時間が早いです。頑張って早起きしなくてはなりません。

そして、日没後におこなわれるMaghrib(マグリブ)礼拝の時間は年間で最も遅い時間帯です。

礼拝だけではなく、断食にも影響します。

イスラーム歴は純粋な太陰暦であり、太陽暦とは毎年ずれていきます。

つまり、ある年は(太陽暦の)6月にラマダーン月(ムスリムに断食が義務付けられている月)、またある年は12月にラマダーン月ということになります。

そして断食は、夜明けから日没までです。つまり、今の時期の断食は年間でも最も長い、約16時間30分となります。

ちなみに、今年のラマダーン月は3月の初めから4月の初めまででした。

このように、ムスリムとして生活していると、日の出や日没の時間の変化を意識します。

それから、イスラーム暦は太陰暦なので、月の満ち欠けも気になります。

「日の長さを感じる手帳」というスケジュール帳を発見し、今年はこれを使っています。

日の出や日没の時間帯が直感的に把握できます。月齢も載っています。
月間スケジュールのほうにも月齢が載っています。イスラーム暦の月の変わり目もだいたい把握できます。

「日本の豊かな四季や季節の変化を感じたい」ということがコンセプトのひとつになっているようです。

月の満ち欠けや、日の出、日没が確認しやすいので、ムスリムとして使いやすいと感じています。

10年以上前に、『日本の七十二候を楽しむ』という本を買ったことを思い出しました。

旧暦時代の日本人は、太陽の動きや月の満ち欠け、季節の移り変わりを豊かに感じて生活していたのだと思います。

十三夜、子望月、十五夜、十六夜、立待月など、月の形にひとつずつ名前が付いていることからも、それがわかります。

また、明治初期までの日本では、1日を昼と夜に分け、それぞれ六等分する「不定時法」が使われていたそうです。

この不定時法に基づく和時計も、興味深いです。

礼拝時刻を告げるアザーン機能付きの和時計なんかがあったら欲しいかも・・・と思います。ほとんど需要ないでしょうが。

ちなみに、菊野昌宏さんという時計師の方が、和時計の仕組みの腕時計を制作されているそうで、参考価格2,500万円、年産1本の受注生産だそうです。

1日の中の時間の移り変わり、1年の中の季節の移り変わりなどを、自然をとおしてもっと感じながら過ごしたいな、と思います。

残念ながら、礼拝時間(太陽の動き)はスマホの画面(アプリ)で確認するだけ、1日のほとんどを屋内で過ごしがち・・・というライフスタイルになってしまっています。

屋上に出たり、散歩をしたりして、外の空気を吸いながら、自然の中に自分がいることをもっと感じる機会を作りたいと思います。

ある日の浅草モスク屋上からの風景。日没前後の時間帯です。

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