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【Vol.29】御社の【武器】をアブリダス①

【理念・使命】を皆さん自身であぶりだすノウハウ(全6回)の3回目。

第1回目で『御社の現状の営業戦略の長所と短所』をアブリだし、第2回目では『御社が社員一丸となって目指すべき数字上のゴール』についてアブリだしました。

第3回目の今回は、この《ゴール》を達成するための【武器】を見つめ直すノウハウについて解説します。(2回シリーズ)

現在ホームページやパンフレットなどのリニューアルを考えている工務店さんは、リニューアルの前に今回の作業を行なうことを強くお勧めします。
武器を見つめ直すことで販促ツールづくりが劇的に楽になりますし、ホームページを起点とした営業戦略そのもの(こっちの方が大事)も作りやすくなります。



■御社の【武器】とは何か?


今回のテーマである【武器】とは、御社の《売り物(特徴)》のこと。

言い換えれば《ホームページ等で何を伝えるか?》ということになります。

一見簡単そうなテーマですがこれがなかなか難しい。

難しくなる原因は以下の3つです。

1.ほとんどの工務店さんが【自社の武器=建物】だと考えている。
2.社員さん一人ひとりが考える【自社の武器】がバラバラ。
3.【自社の武器】が【お客様のため】になっていない。

それぞれ解説していきます。



■1.【自社の武器=建物】だと考えている。


弊社がホームページを作る時には、工務店の社員さんに必ず【自社の武器(ウリ)】について書き出してもらうのですが、だいたいが以下のような感じになります。

・地元の木にこだわった地産地消の家づくり
・長期優良住宅に対応
・断熱材に●●を使用
・壁は身体にやさしい▲▲を使用
・家族に合わせた自由設計

見てお分かりのように、どの工務店さんも【建物(モノ)】の特徴が多くなります。

これらは決して間違いではないのですが、最近の住宅の性能は他の工務店が建てている家と目に見えるほどの差は無く、各社のホームページを見てもその違いが良く分かりません。

「いや、そんなことはない!ウチはどこにも負けないぐらい断熱性能にこだわっている!」

と言う工務店さんも多いのですが、残念ながらそのわずかな差をいくら熱心に伝えても、お客様には伝わりにくいのです。

そこで、【建物(モノ)】以外の面から自社の【武器】をアブりだす作業が必要になります。

その鍵となるのが【会社の武器】【人の武器】です。

この2つについて社員さんに意見を出してもらうとこんな感じになります。

★Q.御社の【会社の武器】って何ですか?

・創業80年の歴史
・熟練の技を持つスタッフ
・木に関する想いなら負けない 
・材木加工用の倉庫がある


などなど

★御社の【人の武器】って何ですか?

・(社長)いつも元気。決断が早い。木が大好き。虫が苦手。子煩悩。
・(営業のAさん)ファンが多い。一生懸命。休みでも仕事。料理が得意。
・(設計のBさん)物静か。奥さんの気持ちになった設計が得意。歌がうまい。
・(総務のCさん)社内の取りまとめ役。主婦目線。片付けが得意。みんなの中心。

などなど

「こんなものが武器になるの?」

と思われるかもしれませんが、逆です。

【これらを伝えないと他社との差別化ができない】と言った方が正しいのです。

※この《建物以外(会社・人)の武器の見つけ方》については掘り下げるのにコツが必要となります。長くなるので別の機会に改めて。



■2.社員さんが考える【自社の武器】がバラバラ


私が質問を投げかけながら、工務店の社員さん自社の強みを考えてもらうと、全員の答えがピタッと一致することはまずありません。

社員数が20名であろうが10名であろうが2名であろうが、みんなバラバラの答えを書いてしまうのです。

これは《社員によって自社を説明する言葉や視点が異なる》ことの証明となります。

この状態でホームページなどの販促ツールをリニューアルしても、御社の魅力がちゃんと伝わるはずがありません。

読者の皆さんも、先ほどの【建物・会社・人】の武器を各社員さんに書いてもらい、その答えを照らしあわせてみてください。

経営者や管理職の方は、毎日口を酸っぱくして言っていることなのにこんなにも社員に伝わっていなかったのか・・・と愕然とするかもしれませんが、この事実に気づく事もこのワークの大切な意義です。

こうして各社員さんの【自社に対する認識】がアブり出されたら、ホームページや販促ツールを作る前にしっかり時間を作ってこれらを《統一》する会議をする必要があります。

弊社でも【戦略アブリダスワーク】という会議を必ず行ないますが、大切なのは【トップダウンでどんどん決めてしまわないこと】

要所要所や最後の結論は経営者さんに委ねることになるものの、それまでの意見出し(ブレスト)は【ボトムアップ】を意識して社員さんを主役にしてあげてください。

それが自社の《考えるチカラ》《伝えるチカラ》を鍛える大切なポイントとなります。



3.【自社の武器】が【お客様のため】になっていない。

については次回の投稿にて。


★今週のまとめ

建物以外の武器が差別化の鍵になる。



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