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愛犬が失明してしまった

3月末に引越しをし、友人や知人とも一通り再会した。

4月半ばからの仕事も頑張るぞ!法人設立するぞ!と意気込んでいた矢先、愛犬の調子が悪くなった。

具体的には右眼の急性緑内障。急性ということもあり、物凄い早さで視力が失われてしまう怖い病気だ。

愛犬の異変に気付いたのは妻で、妙に右眼をパチパチしていると。言われてみるとショボショボして気だるそうに見えた。

その日は仕事も落ち着いていたので、そのまま動物病院に連れて行き診察をしてもらった。獣医師さんに確認してもらうと、正常時10〜20前後の眼圧が90という異常値が出たことが分かる。眼の裏に怪しい影があると言われ、眼球摘出しないと何ともいえないが獣医師さんの見解。

とはいえ、愛犬は今年14歳の高齢犬。眼球摘出時の全身麻酔に耐えられるかどうかは分からない。元々身体も強くない子なので、結論は一度家に帰ることにした。

帰りの車中の記憶はあまりない。当日は愛犬も病院で疲れたのかそのまま寝て、翌日も多少目はショボショボしているが、ご飯も食べているので悪そうな様子はないが、前日の眼圧を考えれば良くなっているはずがない。

取り急ぎ点眼(目薬)で様子を見ることにしたが、その後も眼のショボショボは消えず……。

翌日になると、徐々に目が開かないような状態になってしまった。目が痛むのか、昼間は寝て起きて場所移動して寝て起きての繰り返し。ご飯も食べなくなり、グッタリとしてしまった。

そして愛犬は玄関のほうにスタスタと歩いて行く。トイレかな?と思って外に出るも一歩も動かない。家に戻って部屋に戻るも、再び玄関へ歩いて行く。

それを見た妻が「もしかして最後にドライブ行きたいんじゃない?」と。確かに愛犬はドライブが大好きな子だった。でも、こんな時に?頭の整理がつかないまま駐車場へ車を取りに行く。

車に乗ってエンジンをかけようとしたとき、色々な感情が押し寄せてきて涙が止まらなくなってしまった。

今までの楽しい思い出、愛犬が駆け寄ってくる姿、イタズラして怒ったら逆ギレして拗ねてしまったこと、晩ご飯の時に「僕も何か食べたいよぉ」という感じで甘えてくるところ。全ての思い出が愛しく、もう味わうことはできないのか、、、と。

波が止まった段階でドライブへ。ドライブ中も私か嫁のどちらかがすすり泣いている。愛犬は目閉じてもう何も見えなそうだった。こちらが弱っているところも見ないでくれ、、、と思いながら泣くのを必死に堪えた。

ドライブを終えて家に戻り、嫁が愛犬を寝かしつけようとすると、いつも寝るベッドに愛犬がバタンと倒れてしまった。恐らく昼間ほとんど寝れなかったことによる過労からだろう。

結局愛犬が起きたのは翌日の昼間近くだ。少しばかりか眼のショボショボは減った気がする。少しであるがご飯も食べてくれた。ただ、眼は完全に失明したようで、歩き方はおぼつかない。

その翌日以降もご飯は食べ続けてくれた。動物病院の獣医師さんの元へ再度連れて行くと、眼圧は変わらず高い結果が出る。愛犬が痛がってない様子を伝えると、痛みを感じる神経がやられているのかもしれないという答えだった。

とはいえめでたしめでたしではない。ご飯を食べてくれているなら、「手術をして眼球摘出することも検討してみましょう」と提案を受け、再びご家族でよく考えてくださいとなった。

その時は手術に対して反対だった。眼圧高くても痛み感じないならこのままで、、、と思っていたから。

しかし、翌日以降、確実に眼の状態は悪化していく。最初は白内障のよう白くなり、徐々に充血度も増していく。病院訪問から10日後には明らかに眼が飛び出してきた。目ヤニの量も増え、寝ていても眼が完全には閉じなくなってしまった。

幸いにも食欲は変わらなかった。むしろここ数年見なかった食べっぷりである。もしかしたら、失明したことで視力のパワーが食欲に移ったのかも?なんてことを考えていた。

ただ、笑ってばかりもいられない。眼の状態は一日一日悪化しているのが分かるし、眼の裏にある腫瘍が悪性で、他に転移するリスクもある。

やはり眼球摘出を前提とした検査を受けようと思う。高齢なので検査をパスできるか分からないが、この状態を続けるより、まずは悪化している眼を取ってあげたい気持ちが強くなった。できないことを嘆くより、まずは行動。

眼が見えなくなってもご飯は完食してくれるし、私と嫁がご飯の時に食べたそうに近づいてくるし、大好きなドライブも行っている。

きっと大丈夫。というより、大丈夫にしてくれ。

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