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【読めば痩せるダイエット】第三章 東洋式ダイエット 編



01.鍼灸

中東の戦場から心身ともにボロボロになって帰還した米兵の心の傷を癒すため、アメリカ合衆国が第一に推奨している治療法は何だと思います? SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬=抗うつ剤)?  グループセラピー?  カウンセリング?  どれも間違っています!
 第一選択肢は、なんと、驚き、鍼治療なのです。え? あんまり驚かなかった? そうですか。先を急ぎましょう。
 日本と中国以外の国に「鍼灸院」があるかどうか、わたしは知りませんがあるんじゃないかしらね。でも、国内の鍼灸院に行って「痩せるためのツボ療法」を試してほしいとお願いしても断られることが多いのです。なぜなら、日本では、これ、医師法違反になるからです。
 しかし、わが国には「魚心あれば水心」ということわざがあります。通い慣れてしまえば、どの鍼灸院でもこっそりやってくれますよ…。
 実は鍼灸には体重を減らすのに役立つツボがあり、そこを刺激すると劇的な効果がもたらされるのです。ツボの考え方は、たとえば、耳を例にすると、耳のそれぞれのツボがからだの異なる部分と連結されていると考えられています。ですから、特定のツボを刺激すると、胃や脳などの食欲を生み出す部位に働き、食欲を激減させることが可能なわけ。耳には「飢点」と言って、食欲を抑えるツボがあるんです。
 週に一回、三か月ほど鍼灸院に通うだけで、自然に痩せることができます。わたしの知り合いは、これを半年続けて、別人のように痩せていました。

02.龍涎香

喫煙の習慣はそう簡単にはやめられません。合法・非合法を含めて、やめるのが最も難しいドラッグの一つです。なぜかと言うとですとね、ニコチンは、半減期が非常に短い強力な依存性薬物です。半減期が短いほど、クスリは、それだけやめるのが難しくなるんです。コカインも半減期が短い。 わたしはエルトン・ジョン以上のコカイン中毒で、お金も際限なくつぎ込みましたが、やめるのにも大変苦労しました。
 それが今では、病院の禁煙外来に行き、ニコチンパッチを処方してもらえば、誰でも簡単に禁煙できるようになりました。 
 しかし、サルトルはこう言っています。「タバコのない人生は生きるに値しない」。かっこいいですね。第一級の知識人はこうじゃないといけません。
 ニコチンパッチが出る以前、わたしは禁煙のために「禁煙バーム」と呼ばれる五千年前の中国の秘法を試してみました。これは非常に効果的なもので、この香油の香りを嗅ぐと、タバコを吸いたいという欲求が丸一日消えてしまい、三週間も匂いを頻繁に嗅いでいれば、完全に禁煙できちゃうんです。その時、わたしは香りと脳の、強力にリンクした関係に驚きました。
 さてさて、中国には、食欲を刺激する秘密の香りがあるのです。ミントとかそういったものではありません。それは、中国に三千年も伝わる魔法の香りです。もったいぶってないで、ご紹介させていただきます。
 コロナウイルスの深刻な症状に、「味覚の喪失」や「嗅覚の喪失」があります。それらがなくなると、食欲もまったく失われてしまいます。なぜなら、味覚と嗅覚は、脳の食欲中枢と直結しているからです。嗅覚を失うだけでも大変なことですが、コロナウイルスから回復した人の中には、アンモニア臭や糞便の臭いなど、極めて不快な幻臭に悩まされている人もいます。これは「無嗅覚症」と呼ばれる感覚の歪みです。人はこうした臭いを検出すると食欲を失います。
 アロマテラピーという言葉をご存知かと思います。 香りの効果で、暮らしを豊かにしようとするものです。食事の一時間三〇分前に、脳が「満腹感を感じる強い香り」を嗅ぐことで、ダイエットに活用することができるのをご存知でしたか? 
 香りを利用して脳に「もう、お腹がいっぱいだ。満足満足」と思わせちゃうのです。
 食品に不快なアンモニアの香を添加する必要はありません。その逆の香りが必要なんです。つまり、「うん、美味しい。もう満腹」と脳に思わせる香りです。
 みなさんは「アンバーグリス」という物質をご存知ですか?
 古代中国人はアンバーグリスを「龍の唾液の香り」と呼びました。アンバーグリスとは、独特の芳香特性を持つ、世界で最もエキゾチックで高価なフレグランスの一つです。香水の原料や保香剤として使用されており、その価値は金と同等とされ、高品質のものなら数百万~数千万で取引されることもあります。
 この、アンバーグリスはマッコウクジラから生み出されます。未消化物の塊がマッコウクジラの腸に入ると、ワックス状の物質が分泌されて塊を包み込み、腸内壁を保護します。このワックス状の物質は、ウンブレイン (芳香物質)、胆管からの消化液、および糞便の混合物です。
 ワックスに包まれた未消化物の塊が成長するにつれて、腸管に沿って移動し、直腸を閉塞します。そして、どんどん塊が積み重なって石のように固く大きくなっていきます。このようにしてアンバーグリスが作られます。
 アンバーグリスの香りの背後には、さまざまな化学物質が含まれています。ただ、アンバーグリスの香りは非常に独特なので、他の香りと同一視したり、比較したりすることができません。マッコウクジラから排泄されたばかりの生のアンバーグリス(黒または茶色)は良い香りではなく、動物の排せつ物のようなツンとした臭いがします。
 しかし、熟成させるにつれ、人によってさまざまに表現されますが、驚くほどいい香り(バニラのような、とよく表現されます)が漂ってきます。
 この眩暈がするようなバニラの香りがポイントです。この香りを嗅ぐと脳が「お腹がいっぱいだ」と感じるからです。
 アンバーグリスの価格はグラム当たり純金の約二倍もします。ですから、アンバーグリスを人工的に合成するシステムを確立し、医薬品として利用する研究が進められています。
 アンバーグリスの香りはアルツハイマーにも効果があると言われています。香りの主成分である「アンブレイン」に含まれる微生物の酵素を人為的に改変して合成し、医療への応用を探ろうという試みもなされています。
 十六世紀頃、イギリスのエリザベス Ⅰ 世は手袋にアンバーグリスの香りをつけていました。一体どんな秘密の効果があったのでしょうか? 知りたいですね。 聞くと、彼女は「お腹いっぱいになるからよ」と答えるのでしょうか?
 ただし、非常に高価なクスリです。勇気を出して純金の2倍もするアンバーグリスを買ったなら、あなたはきっと眩暈がして、必ず痩せられることでしょう(笑)。 

03.小石炒め

「中国人は足のあるものは椅子と机以外なんでも食う」という諺があります。だから石だって食べちゃいます。本当ですよ。中国の石を炒めた本格中華、それが「嗦丟」(スオディウ)です。
 「まだお腹に入りそう、もっと何か食べようかな…」。そう思うことが肥満への第一歩ですよね。そんな時は、中国人に倣って石を炒めて味付けしたものを口に入れ、お腹を満たしましょう。
 その後? その後は吐き出すので太ることはありませんよ! これは中国八千年の歴史の叡智だと言えるのではないでしょうか!
 スオディウは、そこらに転がっている路傍の石をニンニク、ネギ、生姜、唐辛子、ラー油などで炒めた料理です。もちろん、普通の石なので、噛んだり、飲み込んだりすることはできません。
 石を口の中で転がしてスパイスの味と香りを楽しむという料理で、 中国では屋台でも売られています。 唐辛子、ニンニク、大葉、ローズマリーなどのスパイスをかき混ぜて、小石の上で炒めたものなので 小石を食べるというより、吸って味わう感じですね。
 食べ終わったら、「小石は返しましょうか?」と尋ねてみてください。店員は「けっこうです。記念にお持ち帰りいただき、これから三代大切にしてください。あなたが亡くなっても、その小石は残るでしょうから。家でまた料理してくださいね」と答えてくれるでしょう。

04.痩せる石鹸

 二〇年ほど前、深海の神秘的な海藻成分を配合している石鹸なので、それで体を洗うだけで痩せるという噂が広がり、中国製の「痩せ石鹸」が日本で大ブームになったことがあります。
 この商品が爆発的ヒットとなった理由として、以下の二つが考えられます。
 一.スチュワーデスが口コミで広めたのが始まり。スチュワーデスは海外情報に一番早いと後進国の日本人は思っています。
 二.ある女性タレントがテレビ番組に出演した時にしゃべったため広がった。
しかし、その石鹸で体重が減った人は一人も存在しません。 まったくのデマでした。体重が減った唯一のものは、すり減った石鹸だけでした。

05.マクロビオティック

 桜沢如一(一八九三 - 一九六六年)は日本の思想家(ま、一応そう言っておきます)で、「マクロビオティック」という概念の提唱者です。さくらざわゆきかずが正式な読み方のようですが、“にょいち”や“じょいち”とも称し、海外ではジョージ・オーサワとして広く知られています。
 マクロビオティックとは、伝統的な栄養学と桜沢流の陰陽理論を組み合わせた食餌法あるいは哲学のことです。桜沢はこの食餌法を、日本から、北米、中南米、ヨーロッパへと広めていきました。
 マクロビオティックでは、主食は玄米と全粒穀物で、食卓は豆類、野菜、海藻、塩を中心に構成されます。
 わたしは二〇歳の時に試してみましたが、確かに体重は減りました。
 しかし、わたしの両親や友達からこう言われたのです。「あなた、顔が茶色で生気がちっとも感じられないよ。何か病気に罹っているんじゃないの?」。
 わたしはすぐにマクロビオティックをやめました。
 ちなみに、桜沢如一はミイラのようになって衰弱死し、後継者の多くは癌で亡くなりました。

06.飲尿療法

 昔々、日本で「飲尿療法」が大ブームになったことがあります。恥ずかしながら、わたしもこの療法に夢中になった一人です。
 わたしはこう思いました。「多くの健康法は偽物である。何故ならば、薬を売って儲ける奴らがいるからだ! しかし、この飲尿療法でお金を稼げる人間など何処にもいない。ただ自分の尿をグラスに入れて飲むだけだからだ。これらの事実に鑑みて、信頼できる療法はこれしかない!」
 残念なことに、飲尿療法に一定の「科学的根拠」はあるものの、「疑似科学」の範疇を出るものではありません。
 例えば、『尿療法-驚くべきこの効果』の著者で中尾良一という医師は、喉にあるセンサーが自分の尿を読み取り、病気、血糖値、肥満などの情報を脳にフィードバックさせていると述べています。 
 うーん、本当だろうか?

07.お灸ダイエット

 お灸は、もぐさを皮膚(経絡上のツボ)に当てて燃やし、その熱刺激によって体調を改善する治療法です。
 お灸の起源は古く、漢方の伝承によれば二千年以上前に中国の北方地域で生まれたとされますが、さらに古い時代にインドやチベットで誕生したという説もあります。日本には六世紀頃、仏教の伝来とともに渡来してきたようです。
 お灸によく使われるもぐさは、よもぎの葉を乾燥させて精製したものです。
 昔のお灸は、強い熱刺激で意図的に火傷を作り、化膿させて膿を出す方法でした。この灸法は瘢痕灸と呼ばれ、皮膚に火傷跡ができるため現在ではあまり行われていませんが、様々な物質が活性化され、免疫機能に良い影響を与えることが知られています。
 最近は熱くないお灸が流行っていますが、個人的には熱くないお灸は全然お灸らしく思えません。
 わたしは背中を短剣で刺されたような、熱くて痛いお灸が大好きです!
お灸をダイエットに使うなら、新陳代謝を促すツボを刺激しましょう。たとえば、おへそから指四本分上にある「中脘」というツボを刺激すると、代謝が改善され、痩せやすい体を作ることができます。
 また、おへそから左右に指二本分くらいの位置にある「天枢」も下腹をスリムにするツボとして知られています。お腹の皮膚は他の部位に比べて薄いため、いずれのツボでもお灸の温度は低めにしてください。
 「湧泉」は人差し指の付け根からかかとに向けて四・五センチほど下がった、少し凹んだところにあるツボで、老廃物の排出を促進し、脂肪燃焼効果を高める効果があります。
 耳の前の小さな骨の膨らみの少し下にある「飢店」というツボには、自律神経を整え、過剰な食欲を抑える効果があります。
 『お灸ダイエット』岡本真理(幻冬舎)という本のアマゾンレビューをご紹介しましょう。
 「非常によくまとまっていて読みやすく、ページ数もちょうどいいです。 座り方やツボの位置も、写真やイラストをたっぷり使って分かりやすく解説されています。お灸がダイエットに使えるというタイトルに惹かれて購入しましたが、大変勉強になりました」。

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