見出し画像

マーケティング未経験のインサイドセールスがBtoBマーケターになるためにやった7つのこと

こんにちは。あぶかわ(@abukawais)です。

前回のエントリーでは、インサイドセールスからマーケティングに異動して10ヶ月間やってきたことについて書きました。BtoBマーケティングの王道といえることを地道にやってきましたので、これからBtoBマーケティングを始める方や、2021年こそはマーケティングに挑戦したい、という方は是非ご覧いただけたらと思います。

今日はもう少し前の話、インサイドセールス時代のことを振り返ってみようかなと思います。おそらく、今は営業やインサイドセールスをやっているけど、将来的にはマーケティングをやりたい、と思っている方もそれなりにいらっしゃるのではないでしょうか。そういった方々にご参考になる内容になれば幸いです。

私は、新卒で入った会社では動画編集システムのプリセールスと放送機器の外勤営業を担当していました。その後、IT業界未経験で採用してもらったマルケトでインサイドセールスを3年間やっていたので、異動した段階ではマーケティングは全くの未経験でした。

マルケト入社当時からずっと、マーケティングをやってみたい、楽に営業ができる仕組みを作りたい、という思いは持っていて、虎視眈々とマーケティングのポジションを狙っていました。そんな私が、マーケティングのキャリアを掴むためにインサイドセールス時代にやっていた7つのことをご紹介します。

1. 自社サービスやお客様について詳しくなる

これはマーケティングを目指す目指さないに関わらず当たり前のことですが、日々の業務に追われていると、自社商材やお客様について勉強することが疎かになりがちじゃないでしょうか。特に営業をやっていると、圧倒的なコミュニケーション能力を持った方や、行動量の鬼みたいな方がいて、そういった方が成果を残して昇給昇格していくというパターンがあると思います(それも努力によるものであって、私は尊敬しています)。

マルケトにもそういう方がいて、自分よりも成果を出して先にプロモーションしていく人が多かったです。ただ、私は性格上あまり人間関係がうまく築けないので、インプットをできるだけ増やす路線でいくことにしました。例えば以下のようなことを心掛けていました。

・ソリューション担当や導入コンサルが作った資料を読みまくる

・お客様登壇セミナーの動画や資料、導入事例をブックマークしていつでも見れるようにする

・社外で一般的に出ているMA(マーケティングオートメーション)の記事や書籍を読む

・業界誌を読む(MarkeZineや宣伝会議など)

ありがたいことに、Marketo Engageは熱量の高いユーザー様が多いので、導入事例を読んだり自社イベントの登壇セッションを聞くだけで、マーケターとしての心持ちや最新の取り組みなどを知ることができたというのは恵まれた環境にいたんだなあと思います。導入事例、とても素敵なのが多いのでもしよかったら読んでみてください。

いずれにしても、しごく当たり前のことをやっていただけではありますが、少なくともチームで一番知識が多いよね、と認識してもらえるようなことに取り組んでいました。

2. 社内で(そこそこ)良好な関係を築く

私が入社した時はまだ20代半ばで、中途採用の社員しかいなかった当時は最年少社員でした。また、人数も50名程度で、気さくに話しかけてくれる先輩が多かったので、そういった方々の優しさに甘えて色々と話を聞いたりして、いつでも相談しにいける関係を作るように心がけていました。

マーケティングは営業と比較して人数が少なく、社内のほぼほぼ全ての人と関わることになるので「あの人とならまあ一緒に仕事をしてもいいか」と思ってもらえる存在になりたいと思いながら業務に取り組んでいました。

ただ、当時の上司からずっと「プレゼンスが足りない」と言われ続けており、本当はもっともっと存在感を出していかないといけないところなんだろうなと思っています。

プレゼンスってなんだ?という話ではありますが、今振り返ると

・自分の成果をしっかりと発信できる力

・メンバーを巻き込んで新しいことに取り組める力

・日々の業務態度、朝早いとか礼儀正しいとか

こういうところなのかなあと思います(私は朝がとても苦手なのと、緊張しいなので人前で時々やらかしたりします)。

3. 社内チャットで定期的に情報をポストする

マーケターは社会の流れに敏感であればあるほど良いと思います。PEST(Politics, Economy, Society, Technology)のようなかなりマクロな視点も必要かと思いますが、現場では特に、競合の情報や市場のトレンドから目を離してはいけないと思ってます。

最近はTeamsやslackなど社内コラボレーションツールが普及していると思います。マルケトも全社で使っていたので、社員がたくさんいるグループで定期的にポストすることを心がけていました。

情報収集は主にインターネットですが、私は上述した業界誌に加えて、RSSリーダーとTwitterのリアルタイム速報を通勤時間に見るようにしていました。

どちらもスマホアプリがあるのでまたインストールしていない人は是非どうぞ。

また、私はスマホがAndroidなのですが、最近はGoogle Discoverが恐ろしい精度で記事をレコメンドしてくれるのでこれもとても重宝しています。

4. BtoBマーケティングの基礎を学ぶ

最近はだいぶ増えてきた感じがしますが、それでもBtoCのマーケティングと比べるとまだまだBtoBマーケティングの情報は少ないんじゃないかなと思ったりしています。

私もまだまだ新米なので全然見当違いな可能性も大いにありますが、大局的にみると、以下の3つを押さえておけばある程度の成果は出せるマーケターになるのかなと思っています。

マーケティングリサーチ(定性調査)

チャネル戦略

プロセスマネジメント

いくつかおすすめの本があるのでご紹介だけしておきます。

BtoCの定性調査のための本ですが、やり方は一緒なんじゃないかなあと思っています。

顧客視点でマーケティング戦略を立案するためのポイントがリアルに書かれていて勉強になります。

その他にも、BtoBマーケティングには色々と馴染みのない用語がたくさんあるので、そういったものは都度理解するようにしていました。Marketo Engageのマーケティング入門記事でも様々な用語を解説しているので、もしよかったら見てみてください。

5. 「ラストマン戦略」でSEOを突き詰める

ラストマン戦略というのは、クレディセゾンCTOの小野和俊さんの書籍「その仕事、全部やめてみよう 1%の本質をつかむ『シンプルな考え方』(ダイヤモンド社)」で紹介されている言葉なのですが、端的に言うと「特定の分野で社内で1番詳しい人間になる」というものです。

マルケトの社内には、CRMやMAのツール関連や、インサイドセールスには私よりも経験も知識も豊富な人がたくさんいましたが、webマーケティング、特にSEOやアクセス解析に特化した人がいませんでした。私は学生時代から独自ドメインを立ててwordpressでブログサイトを作ったりしていて、この領域はとても好きだったので、楽しみながら学んでいきました。

独学でGoogle Analyticsの認定資格GAIQを取得したり、当時メインで担当している人がいなかった、SEOの記事を書いたりしていました。そうこうしていると、マーケティングの前任の担当から「マーケティングに推薦しておくよ」と言ってもらえたりして、間接的にはマーケティングへの近道になったのかなと思っています。

「ラストマン」になる領域はSEOである必要はありません。最近はMAの導入が増えているので、ナーチャリング施策をインサイドセールス主導で立案したり、実際にメールを書いてみたりするのも良いと思います。その他にも、マーケティングチームが考えないようなウェビナーを企画したり、というものでもよいのかなと思います。

6. 外部ベンダーと一緒に仕事をする

マーケティングチームは様々な外部ベンダーにお仕事をお願いしながら業務を進めていきます。特に外資系のマーケティングは人数が少なく、自社だけでなんでもやるのは不可能です。

上記のSEOを突き詰める、ということとも関連しますが、web関連でもweb制作会社やSEOコンサルの会社のお力をお借りしています。インサイドセールスの段階から、マーケティングチームの方にお願いして会議に同席させてもらい、新たな知識を吸収しながら改善案などを出していき、関係を作っていました。そうすると、担当者が退職した時に後任として入りやすくなったりします。

同様に、マーケティングチームが使っているツールの使い方を理解しておくことも大事だと思います。誰かが管理者としての権限を持たないといけないので、担当者がいなくなった時には、必然的に詳しい人に、ということになります。アドビは自社でもMarketo Engageを全てのデータの基盤として活用しているので、Marketo Engage Business Practitioner(取得当時はMarketo Certified Expert)の資格を取得したり、APIで連携している企業DBのFORCASなどを日頃から使うようにしていました。

7. 時が来るまでやるべきことを粛々とやる

ここまで様々なことを書いてきましたが、結局は運の要素が大きいのも事実です。特に成長業界にいると組織はどんどん変化していき、ポジションが空くこともあれば部門の責任者が変わることもありますし、新たなキャリアを社外に求める人もいます。

真面目に働いて、異動のチャンスが生まれたタイミングですかさず手を挙げることが大事なのかなと思っています。私もインサイドセールスで転職を考えたことも何度かありましたが、かれこれ2年ほどタイミングを伺っていたお蔭で今のキャリアを掴めています。

最後に

色々と書きましたが、個人的には、これからのBtoBマーケティングはインサイドセールス経験者がもっと担っていくようになるのではないかと思っています。よりお客様に近い営業やマーケティングがどのようなお客様をターゲットにしているか、どのような情報を提供するとお客様は検討を進めて頂けるか、といった生の情報を理解しているので、特にナーチャリングフェーズのコンテンツや施策をよりリアルなものにできると考えています。

また、Marketo Engageのコンセプトでもある「プロセスマネジメント」を行っていくと、必ず分断が生まれボトルネックができます。そのボトルネックを把握し改善していくためには、部門をまたいでビジネスの流れを理解する必要があります。そういった意味では、マーケティングを敷居の高いものにせず、素養がある人には積極的に部門間異動をしていってもらうのがよいと思います。

長々と書いてしまいましたが、お読みくださりありがとうございました。

アドバイスやご不明点がありましたら、是非お気軽にTwitterなどでご連絡いただければと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?