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読書びより

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2022年9月の記事一覧

人間にとって個我とは、生存の一段階でしかなく、個我の幸福と合致しない生命の真の幸福はそこから開けるのである。人間にとって個我の意識とは生命ではなく、そこから生命が始まる境界線であり、その生命とは……幸福をますます大きく達成してゆくことにあるのだ。 トルストイ『人生論』第十五章

母のために選ぶ、児童書。6

90歳を超えて、さすがに母も小さい文字が読みづらい、眼鏡をかけても本が読めないというのです。電子書籍は母には使いこなせません。ルーペ眼鏡も、母には使いにくいようです。ならばと、視点を変えて、児童書にアプローチしてみました。これは、いけるかも! 📗  前回の記事では、8セット目の3冊についてご紹介しました。母の感想はどうだったでしょうか、ご報告します。 ・『大きい1年生と小さな2年生』古田足日著/中山正美画 偕成社刊☆ ・『ぼくはめいたんてい きえた犬のえ』マージョリー・

滅ぶべきもの、たえまなく滅びつつあるものを使い惜しんではいけない、いずれ滅びるもの、滅ぶべきもの、すなわち、われわれの動物的個我を否定することによってはじめて、われわれは、滅びることのない、又滅びるはずのない真の生命を手に入れられるということである。 トルストイ『人生論』第十六章

人に理性的な意識が与えられているのは、その理性的な意識の啓示してくれる幸福の中に生命をおくためにである。その幸福の中に生命をおいた者は、生命を持つ。ところが、そこに生命をおかず、動物的個我の幸福のうちに生命をおく者は……生命を失うのである。 トルストイ『人生論』第十七章

人間の真の生命、すなわち、人が他のあらゆる生命についての概念を作りあげるもととなる生命は、理性の法則におのれの個我を従わせることによって得られる、幸福への志向にほかならない。……人間の真の生命は時間と空間にかかわりなく流れているのである。 トルストイ『人生論』第十四章

母のために選ぶ、児童書。5

90歳を超えて、さすがに母も小さい文字が読みづらい、眼鏡をかけても本が読めないというのです。電子書籍は母には使いこなせません。ルーペ眼鏡も、母には使いにくいようです。ならばと、視点を変えて、児童書にアプローチしてみました。これは、いけるかも! 📗  前回の記事では、7セット目の3冊についてご紹介しました。母の感想はどうだったでしょうか、ご報告します。 ・『はれときどきぶた』矢玉四郎著/画 岩崎書店刊☆ ・『まちがいなく名探偵』杉山 亮著/中川大輔画 未来屋書店刊☆ ・『

トルストイ『人生論』、読んでいます。1

トルストイの『人生論』。この本を読みながらしていることがあります。各章から、エッセンスと思われる一文を引用して「つぶやき」でnote記事に。この複雑で難解とおもえる本の内容を読みとき、読みこなすための作業として……。ここまでをひと区切り。通しで振りかえりたいと思います。  今回は、第一章から第十二章までをまとめました。 📗 第一章  人にとって何より重要で、それだけが必要なもの、すなわち自分の個我は、やがて滅びてしまい、……生きていると自分に感じられないもの、……たたか

母のために選ぶ、児童書。4

90歳を超えて、さすがに母も小さい文字が読みづらい、眼鏡をかけても本が読めないというのです。電子書籍は母には使いこなせません。ルーペ眼鏡も、母には使いにくいようです。ならばと、視点を変えて、児童書にアプローチしてみました。これは、いけるかも! 📗  前回の記事では、6セット目の3冊についてご紹介しました。母の感想はどうだったでしょうか、ご報告します。 ・『かあちゃん取扱説明書』いとうみく著/佐藤真紀子画 童心社刊☆ ・『ゆれるシッポふんじゃった!』今西乃子著/浜田一男写

動植物や物質の存在を支配する法則の研究は、人間の生命の法則を解明するのに有益であるばかりか、必要ですらあるが、ただしそれは、その研究が人間の認識の主要な対象である、理性の法則の解明を目的としている場合に限るのである。 トルストイ『人生論』第十一章