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君と話したいそんな夜に

仕事で嫌なことがあった。その愚痴を言いたいわけでもない。ただ誰かと関係のない話をしたかった。ただそれだけ。そうたったそれだけ。そんな些細なことなのに。一番連絡が来てほしい人からは、一番連絡が来てほしいときに来ない。
 男ってそんなもん。その他大勢の男がたくさんいたとしても、求めているときに限って連絡が来ない。そんな男な捨ててしまうか、自分の中でのランクを降格させてしまえばいい。それでも待ちたいなら待っていればいい。きっと待っていてもその先に進展などないだろう。彼の中でも私への優先順位は高くないことに違いないだろう。そのくらいの気持ちで接していた方が、余程気分が楽だろう。だが、残念ながらそこまで割り切れるほどに、私は強い心の持ち主でない。幾度となく、待たずに決断を下して、その度に身勝手に悲しくなって、落ち込んで沈んでいく。そんな日々。幾度となく、立ち上がってしまう。だから今日も生きて次に進もうとしてしまう。全ては時間と他の経験が上手くカバーしてくれる。そうやって埋もれていって大事なかけらを撒き散らして生きる。そんなふうにしか生きれない。きっと不器用なのだろう。でもそれが楽しいからまだ生きてる。

それだけでいい。それだけで。

 朝になって、1番連絡が来て欲しい人から連絡がきた。今更遅いと思いながら、心なしかやっぱりこの人は違ったなんて少し喜んでしまっている自分が悔しい。
 昨日の2番手の男の株は充分に上がったために、彼らは同等の立場まで来たのである。一番手の彼の中で私は、まだ優先順位が高い存在ではないのかもしれない。だが、まだ可能性はある。可能性は見るもので手放すことも容易にできてしまう。自ら繋いだ綱を自分から引きちぎることもいとも簡単に。今まで引きちぎってきた私がいうのだから間違いない。まあ引きちぎったものは、もう元の姿には戻ることなんて不可能でたとえ戻ったとしてもきっとどこかに縫い目なり接着面が残ってしまって綻んだ時に崩れ落ちてしまうことだろう。

さようなら、今までの綺麗だと思っていた思い出たち。ありがとう、出会って私に恋をさせてくれた男性たちよ。

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