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瞳を洗いたくて

深夜雨の中、君を求めて、

夜の暗闇を探して、夜の街角を

彷徨うけれど、

やっぱり君を見つけ出すことは、

できなくて、どこもかしこも。

聞いて回るけれど見つからない。

その夜は、只々、君を探して

出歩く。

仕方なく、我慢して帰路に着く。

無駄足だったな、時間の無駄をしたと

嘆きながら、自宅につき、

夜な夜な眠れずに夜更かしをする。


翌日、また君を探して、

昨晩とは一変した心地よい暖かさを

まとった街に出かける。

そこでやっと、君を見つけた。

やっと目が洗える。

そう。私が求めていたのは、

目の洗浄液である。

購入して一目散に大事な眼球を

念入りに洗い、自己満足を繰り返す。

そんないつもの日々。

別に男の話ではない。

最近、思い立ってしまったのだが、

ここ数年で1人の時間が増え、

人に気を遣うことを忘れ、

楽しく暮らしすぎた。そのせいか、

好きな人はできても愛し合うような

最愛の人は、ここ数年現れてない。

今が美しくとも、いつかは、

枯れてしまう。枯れてしまっても、

自分が満足できていれば良いじゃないかと

思える自分ならどんなに楽かと、

思ってしまう。

きっと現れなかったとしたら、

今世では1人の時間を謳歌しなさいと

言ってくれているのだろう。

そういえば、言われたことがある。

「来世だったら、お嫁さんにしてあげる」

なんて。そんなの冗談って。

わかってる、わかりきってる。

それでも、今世で何もなく、追われたら、

来世で必ずお迎えに行こうと思う。

出会えるかもわからないから、

出会えるまで自分の命が終わるまで

探そうではないか。

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