人の温もり
このぽっかりと空いた心の空間に、人の優しさという栄養を入れようと、私は必死に友達という友達に連絡をする。そして、電話をかける。その繰り返し。この寂しさを少しの時間も抱いていられなかった私は、必死だった。誰か、私と繋がっていて。朝に送った連絡は、夕方にしか帰ってこなくて、それまでに自分の持ち合わせている連絡先のほとんどに連絡をして。気づいたことは、私には、私にすぐに連絡を返してくれるような友達は、いないという事実で別に友達がいないわけではないのだけれど、その時の私は、どうやら、どうかしてしまっていたようで、友達がいないのだと錯覚を起こして、勝手に落ち込んだのでした。
やっと、好きな友達と連絡が取れて、すぐに返事をして、その晩、その子と会うこととなりました。今日の出来事を彼女に伝えると、彼女はごめんねと言って、さらりと私がいるじゃんと、私に声をかけてくれたのでした。私の妹よりも幼い彼女に私は救われたように思います。ただ返事が遅いだけなのだと。そんな友達がいてよかったと純粋に思ってしまうのです。どうやら、今夜も私は幸せなようです。そう言ったことで悩めるのだからきっと。たった一人、自分のことを思いやってくれるそんな人が一人でもいれば、世界は、平和なのだと。誰かは誰かの大事な存在できっと誰かがあなたを思いやってくれていて、この世に斬罪に扱って良い人などいないのだと痛感するそんな夜でした。
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