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無数の見知らぬ手 ~車椅子旅行で感じた韓国人の心~

 私は五十三歳にして心臓発作の低酸素状態の後遺症のため、身体障碍となった。若い頃からバックパッカーだった私はそれでも旅をあきらめられなかった。電動車椅子を手に入れた私はいくつかの国内旅行の後、外国へのひとり旅に挑むことにした。その時、最初に選んだのが韓国の釜山である。韓国語の初歩を勉強していた私は、SNSの韓国フアンのページでのやりとりから、釜山の地下鉄がすべてバリアフリーであることを教えられたのだ。

 大阪南港からフェリーに乗った。

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