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いだてんと同時期に海を渡った曽祖母、そしてBuddhist Church(明治45年)

曽祖母のヨキが、カリフォルニアの保次郎に嫁ぐため、1人で船に乗って横浜港を出発したのは1912年(明治45年)6月22日でした。

明治45年といえば、いま放送中の大河ドラマ「いだてん」に出てくる金栗四三(中村勘九郎)や三島弥彦(生田斗真)がストックホルムへ出発したのも同年5月16日でした。3月3日放送の第9話「さらばシベリア鉄道」を見ていて、ヨキとほぼ同じ時期だということに気がつきました。金栗四三20歳、三島弥彦26歳くらい、ヨキは23歳なので、年齢も近いです。

劇中、ストックホルムへの長旅で金栗四三がだんだん情緒不安定になり、イライラする様子が描かれていました。でも大森夫妻や三島弥彦という同行者もいたのだから、女1人で渡米したうちの曽祖母のほうがずっと肝が座っていたのではないか? と思ってしまいます。

もっとも、世話人や他の日本人妻たちも一緒だったのかもしれないので、本当に1人ぼっちだったのかは分かりませんが。

さて金栗さん達がストックホルムに着いたのは6月2日だそうですが、ヨキがサンフランシスコに着いたのは、おそらく8月の初旬だろうと思います。以下のエントリーで紹介したMarriage Licenseと結婚司式の領収書に記載されている日付が8月7日なので、その数日前に到着したのではないかと。

で、その結婚司式の時に撮ったものではないか? という集合写真が、つい最近、伯父(保次郎の孫)の家から出てきました。

それがこの写真。私も先週末に初めて見ました。

先週末、保次郎のことを聞きに伯母(保次郎の孫)の家を訪ねたのですが、それに合わせてこの写真を伯父から郵送してもらったそうで、伯母の家で見せてもらうことができました。伯母の家に行ってから初めて写真のことを聞いたので、大変驚きました。保存状態が良くなかったようで、だいぶ汚れて銀鏡が出てしまっているのは残念です。

前列の真ん中にいる牧師さんみたいな人が司式者なのでしょう。その右隣にいる男女が保次郎とヨキです。他の人は誰だか分かりませんが、現地日本人会やご近所の方々でしょうか。いずれにしても皆さん日本人のようです。

そして後ろの建物に書いてある「Church」という文字。これはすぐ読めたので教会だと分かったのですが、前半の文字が読めません。後日、この写真を友人に見せたら「Buddhist Church」ではないか? と教えてくれました。

……あ、ブッディスト!? 仏教! 仏教会か!

現代の感覚だと、キリスト教の教会で結婚式を挙げたのかと思ってしまいますが、考えてみたら保次郎もヨキも別にクリスチャンではなかったし、現地の日本人コミュニティで結婚司式をするなら仏教式というのは合点がいきます。

調べたところ、今でもカリフォルニア州にはBuddhist Churchがあるようです。そのWebサイトやFacebookページを見たら、この集合写真に写っている司式者の方と同じような法衣を着た方々の写真が載っていました。

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