見出し画像

小児薬物療法認定薬剤師

昨日、小児薬物療法認定薬剤師の試験を受けてきたので、ご報告です。


小児薬物療法認定薬剤師とは

そもそも小児薬物療法認定薬剤師とは?

「小児科領域において医薬品に関わる専門的立場から医療チームの一員として小児薬物療法に参画するための能力と適性を備え、さらに患児とその保護者等に対しても適切な助言および行動ができる薬剤師の養成を目的として、日本小児臨床薬理学会と日本薬剤師研修センターが平成24年度から創設しました。」(日本薬剤師研修センターより)

たくさんある認定、専門薬剤師の中でも小児に特化した認定薬剤師になります。ちなみに専門薬剤師はありません。日本小児臨床薬理学会日本薬剤師研修センターが合同で創設した制度になります。

小児薬物療法認定薬剤師になるには

小児薬物療法認定薬剤師になる過程をざっくりと説明すると

・3年以上の臨床経験

  ↓

・eラーニングを申し込んで受講(36コマ)

  ↓

・他院での1日実務実習に参加しレポート作成

  ↓

・認定試験を受けて合格する(例年は毎年3月)

  ↓

・申請書類を提出して小児薬物療法認定薬剤師に認定

eラーニングの申し込みは毎年2月~3月ごろ、すぐに埋まることもあるので要チェックです。

3年の臨床経験を経ないとeラーニングを受けることが出来ないので、最短で4年目の3月に試験に合格して認定取得という形になります。


小児薬物療法認定薬剤師試験の内容は?

今回、小児薬物療法認定薬剤師の試験を受講しましたが、事前にどのような内容、レベルの試験なのか、情報が少なかったため、今後の参考になればと、以下、記載してみました。

【小児薬物療法認定薬剤師試験の概要】

・場所:都内(いつもは昭和大学、今回は東京駅近くの貸会議室)
・全国からの認定希望薬剤師が一同に集合し、試験。(WEB形式ではありません。)
・受験者数300人ほど(毎年このくらいだそうです)
・試験時間70分
・設問数70問
・マークシートによる選択式(4択)
・問題、回答は試験後回収

試験監督は小児薬物療法のパイオニアであるI先生が直々にしていました。

以下、覚えている範囲で問題の内容をざっくりと紹介します。

・用法用量の問題なし
・計算問題1問あり(賦形量の計算)
・小児期の分類で違っているものはどれか
・臨床検査値(新生児期でWBCは成人より多い、γ-GTPは出生後高値を示す、ALPは骨の成長が盛んな小児期で高値、TP(血清総たんぱく質は成人よりも低い)
・超低出生体重児でよく起こる疾患はどれ→未熟児無呼吸発作
・脳性麻痺の時のボツリヌス毒素の投与方法は?→筋肉注射(バクロフェンは髄腔内注射も)
・持続皮下インスリン注入法で使うインスリンは?→超速効型
・小児に適応のある糖尿病薬はどれ?→メトホルミン、グリメピリド
・外用薬塗布量は0.5gで大人の両掌のサイズ。すべての軟膏で1FTとは限らない。×擦り込むように塗る。
・エピペンを使う状況は?意識低下、不穏/呼吸困難/(蕁麻疹の発赤のみでは適応にならない)
・喘息の指標で使われるもの:閉塞的換気障害→スパイロメーター、経時変化→ピークフロー、低酸素血症→パルスオキシメトリー
・生ワクチンと不活化ワクチンの違い(生ワクチンは病原性を弱毒したもの、自然免疫獲得、長期効果が期待)
・川崎病の症状で違うもの(川崎病:発熱、結膜充血、咽頭粘膜発赤、不定形発疹、先端紅斑、リンパ腫張)
・川崎病の治療(初回:大量IVIG+ASA、1か月はASA継続、中等度以上の肝動脈瘤でワルファリンなどの抗凝固療法
・小児では少ない白血病はどれか
・糸球体腎炎の治療で間違っているもの→アルブミン投与
・小児のTPNで間違っているもの→大腿からルートをとる
・アミノグリコシド系は主に細胞外液に分布
・Schwartzの式は身長と血清クレアチニン値を用いる。年齢によって比例定数が異なる
・思春期の服薬指導のポイントは?→傾聴し、一緒に考えて向き合う
・抗インフルエンザ薬(オセルタミビルは0歳児にも使用可能、発症48時間以内に投与、ペラミビルは単回投与
・軟膏の混合の組合せ:水×水はOK、水×O/Wはダメ。
・離乳開始時はアレルギーの少ないおかゆが推奨
・天然脳溝流動剤に床下・吸収能は必要
・N/NPCは成人は150-200、小児は200-250
・コデインは12歳未満で禁忌
・2歳未満はOTCではなく受診勧奨

時間はけっこういっぱいいっぱいな感じです。
問題文を読めば常識的にわかるでしょうという問題もいくつかありました。


いかがでしょうか?


小児薬物療法認定薬剤師は比較的人気のある認定なので取得を目指している方も多いのではないでしょうか?

新規取得はこんな感じですが、実は問題は3年ごとの更新にあったり。。。

次のステップにむけて日々、患者さんのために頑張っていきます◎



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?