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だいたいウンコの薬


だいたいウンコになるので一部の専門家に通称DU薬(DAITAI UNKO)と呼ばれている薬があります。

通称DU薬とは、第三世代の経口セフェム系抗菌薬のことです。

第三世代の経口セフェム系抗菌薬はバイオアベイラリビティが低く、あまり消化管から吸収されず、そのまま便として排泄される割合が大きいのです。

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この第三世代の経口セフェム系抗菌薬ですが、あまり使用が推奨されるものではなく、病院によっては採用そのものを削除している病院もあります。

その理由はどういったものでしょうか。


1.一般的な副作用

薬剤を使用することは常に副作用との隣合わせです。薬剤熱や過敏症状などの副作用のリスクがあります。

2.偽膜性腸炎

消化管で吸収されず、腸内に残った抗菌薬は腸内細菌も殺してしまうため、下痢を起こします。さらには、腸内細菌のバランスを崩し、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)腸炎を引き起こすことがあります。

3.耐性菌

2016年に政府より薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが発出され、抗菌薬の適正使用が求められています。スペクトルの広い抗菌薬の使用は最小限にとどめ、薬剤耐性菌を減少させるためのプランが講じられていますが、特に
第三世代の経口セフェム系抗菌薬の使用を控えることが求められています。

4.低カルチニン血症

セフカペンピボキシル(フロモックスなど)や、セフジトレンピボキシル(メイアクトなど)などのピボキシル基を持つ薬剤は低カルニチン血症とそれにともなう低血糖が起こる可能性があるため注意が必要です。

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外来などでは、未だに、比較的多く使われている第三世代の経口セフェム系抗菌薬ですが、出来ればなるべく使用を控えたいものです。



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