見出し画像

ベトナム|DLCĐ ”もっと知りたい!少数民族観光”

少数民族観光って一体どんなことができるの?と思われる方も多いと思います。わたしが活動しているモクチャウ(Mộc Châu)の少数民族観光についてお話します。

形態はコミュニティ・ベースド・ツーリズムと言われているもので、ベトナムではDu lịch cộng đồng (DLCĐ:村落観光)と言われています。
・地域住民が主体となって、観光によって収入向上や生活向上を目指している。
・地域の環境破壊を考慮しながら観光振興に取り組み、地域文化を守りながら観光により地域振興を目指している。
なんとなく、そんな様子をイメージしていただければいいなと思います。


ベトナムの少数民族事情

ベトナムには54の民族がいます。
一番多いのがキン族(ベト族)で人口の84%。いわゆるベトナム人と言われている人たちです。その他に53の少数民族がいます。残りの14%の中に53もの民族が分布しているかと思うとびっくりですね

ベトナムの貧困層は北部の山間部に多いといわれていますが、北部でも山岳地域と町の中心部ですら地域格差が広がっています。

いくつかの原因として、村の道路インフラが十分に整備されていないため子どもたちが「学校に行けない」:十分な教育が受けられないので安定した収入を得られる職に就けない。道路が整備されていないため「物流ルートから外れてしまう」:物流ルートから外れると「農作物が売れない」といった問題が発生し、貧困を打開することが難しい現状が散見されます。

モクチャウでも、そういった少数民族の人たちが、伝統文化や自然を保護しつつ、地域観光の発展によって雇用創出・貧困解消を目指しています。

この前まで行っていたタイ族の村では、キッチンが外にあったり、トイレやシャワーも家の外にあったり。中心部から車で15分程度の距離なのに、まったく違う景色が広がっていてびっくり。

モクチャウの少数民族観光は何族に会えるの?

モクチャウでは現在、4つの村が少数民族観光を実施しています。そのうち3つはタイ族の村で、1つはモン族の村です。

タイ族の女性たち おもてなし用のごはんを運んでいます
お祝いごとのときに着るアオコンは、タイ族の伝統衣装
モン族女性 お洋服も手作りでステキでしょ
小さいころからお母さんに刺繍の仕方を教わるんだそう

モクチャウの少数民族観光を実施している村
Ang村(タイ族)、Vat村(タイ族)、Doi村(タイ族)、TaSo村(モン族)

こんな感じで、モクチャウはどこも自然が豊かで
それぞれの民族の文化も豊か

少数民族村観光って、要するに田舎に泊まろうってこと?

なんとなく、村の人の家にお邪魔するイメージがあるかもしれません。「貧困地域のお家に泊まるのは怖い」と思われるかもしれませんが安心してください。現状、モクチャウの少数民族観光はいわゆる「民泊」のスタイルではありません。村の人が住む家とは別に宿泊場所があります。(ややこしいことに「ホームステイ」と呼ばれていますが (笑))

タイ族の場合、ニャーサン(Nha San)と呼ばれる伝統的な高床式の建物に宿泊。モン族の場合、個室になったコテージタイプの宿泊施設に泊まることができます。※宿泊施設はシャワーもトイレも必要最低限以上のクオリティが確保されています。

タイ族の伝統の高床式家屋
モン族のホームステイ 壁にかかっている装飾も手作り

どんなことが体験できるの?

体験できるオプションは様々です。

  • 民族料理の料理教室(タイ族・モン族)

  • コムラム(com ram:竹筒で作るカラフルなおこわ)づくり(タイ族)

  • 農業体験:特産品のプラム収穫(5月)、いちご狩り(1~2月)(タイ族・モン族)

  • 伝統舞踊 xoe(ソエ)のステージ鑑賞または一緒に踊る(タイ族)

  • 伝統の機織り体験(タイ族)

  • ろうけつ染め体験(モン族) などなど

受けられるサービスは、
夕食 (夕食後に伝統舞踊Xoe(ソエ)の鑑賞ができる、夕食+Xoe+キャンプファイヤーのセットで実施しているホームステイが多いです)
朝食 
Wifi (無料でどのホームステイにもある)
お水 (無料で24時間給水できるタイプのお家が多数)
で、食事に関してのリクエストは予約の際に伝えておくのがベストです。

タイ族のおもてなし夕食の例 
バナナの葉っぱに盛られ、紫色のタイ族のおこわは可愛くて絶品

タイ族ごはんの動画です。雰囲気だけでも感じてみてください。
どのオプションやサービスも希望によってアレンジできますし、選択しないことも可能です。村の人から押し売りされることもありません。

おすすめの過ごし方は?

モクチャウに住んで1年、わたしの村でのおすすめの過ごし方は「何もしない」1日を作ること。一番贅沢な時間の使い方。

村では、ベトナム名物バイクや車のクラクションがほとんど聞こえません。聞こえるのは、子どもたちが遊ぶ声や自然の音だけ。風の音まで聞こえるんじゃないかと思うほど、穏やかな時間が流れています。
モクチャウの気候は涼しく、ベトナムだけど、夏ですら村は夕方6時以降になると涼しくなってきます。

ゴロゴロしながら風を感じる昼下がり
日常を離れた癒し時間なんてどうですか?

村の人たちが朝早くに農作業に出かける音や、朝の陽ざしと共に目覚めて、お昼ご飯のあとにはちょっぴりお昼寝。午後は穏やかな時の流れを感じながらぼーっと自然を感じるだけ。そんな過ごし方はいかがでしょうか?

+α
モクチャウの少数民族観光村ではイベントも実施しています。それぞれの村の伝統行事と掛け合わせて行われます。さらに伝統文化保護も兼ねて、各コミュニティの代表が楽器や伝統舞踊のコンテストに参加します。

伝統楽器の演奏や、伝統舞踊は特別なときしか見ることができないので、イベントのタイミングに合わせて観光にいらっしゃると文化体験もできちゃいます。

〈時期と内容〉
3月 Ang村:Het Cha(ヘッチャ)祭り
3月 Vat村:雨ごいの伝統儀礼
9月 TaSo村:モン族文化祭り(モクチャウで一番大きなイベント)

モクチャウガイドブックより

そして、わたしが4つの少数民族村に滞在したときのことを、こんな感じで簡単にまとめてみました。よかったら、こちらも読んでみてください。

⇓⇓ 4つの村のことが書いてあります よかったらちょっとした読み物程度にどうぞ ⇓⇓

最後までご覧いただきありがとうございます。 アベハル

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?