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恐怖回避の覚書

お腹でスクスク育った大きな子宮筋腫。
子宮全摘手術を受けるまでと、その後の日々の徒然を記録します。

~第21話~

第17話で、手術の麻酔をかける時に、呼吸ができなくて恐怖を味わった話を書いた。
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これは麻酔剤と一緒に筋弛緩剤も投与されて、麻酔剤が効くより先に筋弛緩剤が効いたためだと思われる。

この時の恐怖はかなり大きなものだった。
術後も気管内挿管の後の喉の違和感とあいまって、1日以上麻酔剤か筋弛緩剤の残り香のようなものが喉に残っていた。

手術後も1日間は酸素マスクを装着していたのだが、感染症予防のためのマスクの上からだった。
あの呼吸苦しい感覚を思い出して、マスクを外して直接酸素を吸わないと不安だった。
看護師さんが側を離れるとマスクをずらし、看護師さんが来るとまたマスクをしてるふりをして…と、激痛と闘いながらも、そんなちまちました小細工を繰り返していた。

手術翌日、麻酔科医が私の病室を訪れた。
「その後いかがですか?
手術の時に嫌だったことはありますか?」
と聞かれた。
なので、私は麻酔直前の呼吸が苦しくて怖かったことを話した。
すると
「それは怖かったですね。でも、女性はそう言う人がよくいますね。BECOさんもびっくりして大変でしたね。
でも、よくあることですからね。大丈夫ですよ。」
とのこと。
いや…よくあることなのは嫌なんですけど…。
そんなことも稀にあるけれど、滅多にないことですよ、の方が安心できる…。
そう思ったが、そうなんですか、と私が相づちを打って麻酔科医との面談は終わった。

同時に注入した時に、女性の方が麻酔剤よりも筋弛緩剤の方が到達が速いということなのだろう。
筋肉量の差だろうか。
筋肉量をもっと増やせば、そんなことは避けられるのか?

翌日、手術室の看護師も私の病室へやってきて、手術がどうだったか?と感想を聞かれた。
なので、私はまたそこでも呼吸が苦しくなったことが怖かった話をした。
すると看護師は
「それはぜひ次回手術を受けることがあったら、先に申し出てください。」
とのこと。
確かにそんなことが起こることもあるのだが、そうなる人だとわかっていれば、考慮して注入できますから、とのこと。

麻酔剤を先に入れるということだろうか?
麻酔をかけると呼吸抑制が起こるから、呼吸のコントロールをしなければならず、そのためには気管内挿管しなければならない。
気管内挿管するためには筋弛緩剤を入れなければ…つまり、一連の作業は同時進行しなければならない。
でも、本当にちょっとの差、なのだろうな。
ちょっとの差、ちょっとの手技で、あの恐怖心を避けられるならば、そうして欲しい。

しかし…
「もう手術受けたくないですけどね」
と言ったら
「それはそうだけど、事故等でどうしても手術を避けられないこともありますから。」
とのこと。
確かに…これは覚えておかねば、と思った。