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なぜレンタル収納のシェアサービス「モノオク」を始めたのか

初めまして、物置きのシェアサービス「モノオク」の代表の阿部祐一(@abe_chan_dayo)と申します。僕がモノオクという事業をどんなキッカケ、想いではじめたのかという理由って全然話せていないと思ったのでnoteにまとめたいと思います。

そもそも物置きのシェアサービスってなんぞやねんって話なんですが、例えば3LDKの使っていない一部屋(これから生まれる息子娘のための子ども部屋とか)を物置きとして貸し出すことができるサービスです。民泊のトランクルーム版って考えるとイメージがつきやすいと思います。

1.起業するまで

モノオクは所謂「シェアリングエコノミー」といわれるサービスです。僕が、シェアリングエコノミーに興味を持ったのはAirbnbやUberが注目を集め盛り上がってきた2014年。当時は大学を卒業したばかりでオープンイノベーションのプラットフォームを運営する「Creww」でバイトをさせてもらっていたのですが、その当時の盛り上がりはとても熱狂的で、すごく印象深かったのをよく覚えています。

シェアリングエコノミーについて簡単に説明すると、個人と個人・企業等の間でモノ・場所・技能などのリソースを売買・貸し借りする仕組みです。

この仕組みが広まったのは、テクノロジーの進歩によってリソースの可視化が進み、適切に配分できるようになったことが大きいです。この動きは今後ますます進んでいくでしょう。

適切にリソースを使うことでだれも損をしない素晴らしい仕組みがあるもんだなとすごく関心を持ちました。

Creww卒業後、シェアエコ関連で起業したかった僕は元PARAFT代表で現シェアエックス代表の中川亮さんの勧めとサポートもあり、シェアカンファレンスvol.2というイベントを開かせてもらいました。
詳しくはこちら→https://prosheet.jp/blog/columns/6681/https://prosheet.jp/blog/columns/6681/
(登壇者がすげー豪華だぜ!)

ちなみに気合を入れて前日にパーマを掛けたら、かけすぎてパンチパーマみたいになってしまったのはいい思い出。

このときの収益もあって会社を立ち上げることができ、まずは「宅建を持ってる人をシェアする事業」をスタートします。
(当時の社名はLibtown。ちなみにこのタイミングで会社を立ち上げる必要はガチでないです。)

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初めての会社印はマジで興奮した

2.起業後

事業の計画としては、出資を受けて事業を大きくしていきたいと思っていたのですが「宅建を持ってる人をシェアする事業」は大失敗します。そもそもニーズがなかったとかダメだった理由を話しだすと切りがないのですが、それはまた別の機会に。まあ派手に失敗しました。

起業した当初も今と変わらずアホだったので、「20代前半でイケメンでグイグイいっとるからまあなんか出資?とか受けれんじゃね?😊👌」くらいの軽いノリで考えていて、しばらくは残り少なくなった資金を交通費などに当てていました。

もちろん、バイトなどもしていなかったので入ってくるお金は一切なく、家賃とかもすべてクレジットカードを現金化して支払っていました。

そして気づきます。
あ、これは出資受けられないんじゃないか。
するとこれからの生活どうなるんだ、と。

当然、今から考えるととても出資を受けれる内容ではなかったです。
はっきりいって世の中を舐めていたと思います。
マジでめっちゃ反省しています。

スキル、人脈、お金、経験、なにも持っているものがなく、圧倒的に追い詰められた僕に残されたリソースは月々47,000円で借りていたワンルームの部屋だけでした。

「とりあえずこの部屋をAirbnbで貸してみよう」

ここからAirbnbでホストとして本格的に民泊の事業を始めることになります。ちょうど2015年の5月くらいのことです。

当時の横浜の自宅。家具はジモティー

*当時、民泊は特に規制がなかったためどこでも始めることができました。
*当時は「民泊」という言葉すらなかったです。
*バイトは起業した意味がないので絶対にしないと決めていました。

3.民泊開始

非常にラッキーなことに、
①Airbnbが流行っている
②海外から日本への観光客が急増している
③Airbnbが日本に進出したばかりでライバルホストが少ない
といった要因が重なり、いきなり2週間の予約が入ります。

一泊8,000円の男のワンルームでも予約が来たことに感動を覚えました。
それからも、だいたい月の半分か三分の一くらいはコンスタントに予約が入っていたと思います。

当時の僕の収入源は、
・Airbnbからの収入
・不動産の仲介手数料
・その他、単発の業務委託(営業とか)

で成り立っていました。不動産の仲介は前述の事業の勉強ということで知り合いの不動産会社の方にお願いをして、一律仲介手数料20,000円という格安で行っていました。が、当然かけた時間に対しての収入としては全く見合わず、カードの支払いやその他待ってもらっているお金の支払いなど含めると、それなりに返済しないといけない金額があり、生活はかなり困窮していました。

生活が困窮すると、わかりやすく精神的な余裕がなくなります。
追い込まれる中でなぜ自分はこんなしんどい思いをしてまで起業をしたのか、自分がなにをしたいのかと常に考えるようになりました。

上京したてで当時は横浜に住んでいたこともあり、周りに知り合いが全然おらず、ひたすら一人で自問自答する日々が続きます。
(まあ横浜から渋谷までの270円の電車賃を物理的に持ってなかったからしょうがないね)

そんな中、僕はAirbnbを通して大きく2つのことで助けられます。

他のAirbnbのホストの方とのつながり
当時のAirbnbは個人でホストを始められた方が多く、よく海外旅行をしているから海外からの観光客をもてなしたいなど、かなりホスピタリティを持ってされている方がすごく多かったと思います。
(その後、事業の可能性を感じプロとして活動される方も多数)

Airbnbはとてもコミュニティを大切にするサービスで、よくホスト同士の交流会を開いています。

そんな中で僕自身もたくさんのホストの方と出会い、ゲストのもてなしの方や気遣いなどたくさんのことを教えてもらいました。

またその当時、自宅を貸していたこともあり宿泊の予約が決まると、オフィスやらを転々として寝泊まりしていました。
例えば1週間の宿泊予約が入れば、1週間そのまま家に帰らずといった感じだったのですが、その際、知り合いのホストの方が「今予約ないから泊まっていいよ」と言ってくれて無料で泊まらせてもらうことも多々ありました。

こういったホストの方の優しさは、精神的にも体力的にも追い込まれていたこともあり、とても心に響きました。

本当に感謝してもしきれません。
人は一人で生きていくことはできないのだと心底感じました。

②宿泊してくれたゲストの方とのコミュニケーション
僕の貸し出していた自宅にはたくさんの方が宿泊してくれました。
日本人はもちろん、アジア、欧米、人種問わずです。

みんなとても日本に来るのを楽しみにしていて、予約時にはこのようなメッセージを送ってくれました。
「古い友人に会うんだよ」
「横浜に行ってみたいと思ってたんだ」etc,,

対してラフな英語で返信します。
「横浜めっちゃええとこやで」
「ここおすすめ✋」etc,,

基本的には、JR石川町駅の南口で待ち合わせをして、部屋の使い方などを簡単に案内します。
コミュニケーションはマジでノリでだいたい伝わるし、言語の壁は特になにも困りませんでした。
元町・中華街までの行き方は ゴーストレートでだいたいOK.

こういった「接客」の評価はAirbnbのレビューに表れます。
大変ありがたいことに、たくさんの方から良い評価と感謝のメッセージをもらえたのはとても嬉しかったです。

Airbnbで民泊を始めて半年近く経ったとき、民泊業はとても楽しかったのですが、日々自問自答する中で1つの疑問が生まれました。

「こんなに楽しいことをしてお金をもらうってどういう現象?」

そしてこれが商売というものなんだと気づきました。

サービスを責任を持って提供し、人から感謝され、対価としてお金を得る。
こういった当たり前の社会的なつながりが生活を営んでいく上で必要不可欠なことなんだと実感しました。

実際のAirbnbのレビュー

4.Airbnbを通じた経験から

こうした経験を経てシェアリングエコノミーの神髄を見た気がします。

突き詰めると、シェアリングエコノミーはいろいろな形態、サービスはあれど”社会的なつながり(コミュニティ)”を生み出すことに帰結するんじゃないかなと。

そして2014年になぜ僕がシェアリングエコノミーに興味を持ったのか。

それは、シェアリングエコノミーがこういった”社会的なつながり”を生み出すことができる仕組みであるとなんとなくわかっていたからなのかなと。

そしてなぜ”社会的なつながり”に興味を持ったのか。
父が病気で臥せて家族がどうなるかすごく不安な時期に漠然と起業家になると決めました。その理由はだれもが安心して生きていけるサービスを作りたいと思ったからなんだなと。

人はなにかしら社会的なつながりがないと生きていくことはできないです。

漠然としたまま起業した理由もシェアリングエコノミーに興味を持った理由も後からはっきりとわかりました。

今僕は、僕も体験した「誰もが社会的なつながりを持てるシェアリングサービス」を本気で実現したいと思っています。それこそ老若男女人種問わず誰でもです。

ここからノリではなく、本気で事業を始めたいと思うようになりました。

5.その後と現在

民泊運営の事業は管理するスペース数が増えたり、企業から民泊の運営の代行をお願いされるなど順調に成長していきました。

このまま民泊業を続けることも悪くないですが、プラットフォーム側のサービスを作りたいと思っていたある日、僕の家で家電を預かってくれないかと連絡をもらいました。
トランクルームのような収納サービスは高くてしかも空室が全然ないとのことです。

この問題はシェアリングエコノミーの仕組みで解決できると直感しました。
それから自宅の押し入れをジモティーやメルカリで出品するなどのニーズの検証を行い、物置きシェアサービス「モノオク」は誕生します。

以上が、モノオクを始めたきっかけです。
モノオクという事業は、すんごいサービスなのですが、説明をしだすと脱線が止まらなくなるのでモノオク自体の話はまたの機会にお話したいです。マジですごいんよこのサービス。

サムネは当時、実際に僕の家に宿泊してくれたゲストの方のボードメッセージです。こういった人と人との繋がりをモノオクでもたくさん生み出していきたいと思っています。


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