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『古くて素敵なクラシック・レコードたち』 私的Youtubeリンク 41-60

41) ベートーヴェン ピアノ協奏曲第1番 ハ長調 作品15

・この頃のリヒテルは凄まじいものがあった
・迷いひとつなく、向かうところ敵なし、みたいな
・ピアノ一音の鋭い響きに、当時のベートーヴェンの清新な息吹を感じる
・ミュンシュの指揮もそれを受けて気合が入っている

42) ブロッホ  「シェロモ チェロと管弦楽のためのヘブライ狂詩曲」

・バーンスタインの演奏は、普遍的な意味において驚嘆すべき見事な演奏
・曲そのものが、一段階上の音楽に聞こえてしまうほど
・しかしそのあまりの「濃さ」に少しばかり身を引いてしまうかも

43) ラロ スペイン交響曲 二短調 作品21

・これまで聴いた限り、フランチェスカッティが何と言っても素晴らしい
・美しい音色に惚れ惚れとしてしまう
・ブラームスだとかベートーヴェンでは、美音を出すことは憚られる
・「スペイン交響曲」ならそのへんは「全開オーケー」みたいな感じ
・ラテン系の血がさわぐ、みたいな感じで遠慮なく堂々と弾きまくる

※3番目の III. Intermezzo は見つけられなかったので、別演奏で代替している

44) モーツァルト クラリネット協奏曲 イ長調 K.622

・同じクラリネット奏者がペーター・マーク指揮で再録。楽団も一緒
・打って変わって生き生きした、味わい深いものになっている

45) バルトーク ピアノ協奏曲第1番

・いちばんのお勧めは、ピーター・ゼルキンと小澤征爾の盤
・「そうか、こんなにわかりやすい曲だったんだ」を目を開かれる思い

46) シューマン ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44

・ここでのバーンスタインのピアノは頭を垂れたくなるほど見事
・シューマンの室内楽の美しい小宇宙を堪能させてくれる
・優れて知性的であり、かつ熱い感情も過不足なく持ち合わせている音楽

47) リスト ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調

・この曲の「絶対的歴史的定番」とされている、リヒテル/コンドラシン
・「絶対的歴史的定番」なんて言われるとついヘソを曲げたくなる
・でもこれは素直に認めるしかない
・ピアノが高々と飛翔し、地上ではオーケストラが燃えまくる。

※アナログ盤か、ステレオ盤か、高品質盤かは不明

48) メンデルスゾーン 交響曲第3番「スコットランド」 イ短調 作品56

・風景描写的な要素は希薄で、音楽自体の構造を骨太に明らかにしていく
・しかし同時に、その音楽は優れて叙情的
・クライマックスは思わず拍手を送りたくなるほど素晴らしい

49) ショスタコーヴィチ 交響曲第5番 二短調 作品47

・バーンスタインの五九年盤。無駄なく引き締まった筋肉質の演奏
・上野の文化会館でのディジタル・ライブ盤と双璧を為す名盤

※村上春樹が実際にきいて「まさに音葉を失った」「ステージが燃え上がるんじゃないかと心配になるほどの白熱の演奏」という上野のライブ盤は残念あながら見つけられなかった

50) リヒャルト・シュトラウス 「四つの最後の歌」

・シュヴァルツコップの表現力は見事
・音楽の隅から隅までを隈なく味わい尽くしている歌唱で
・「心で歌う」という表現がまさにぴったり
・特に終曲「夕映え」の密やかな終わり方には、いつも心が震える

51上) シューベルト ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960(遺作)

・アンダはこの長い曲はダレることなく、最後まで筋を通して弾き切る
・そしてこの曲がここまで長い理由を見事に解き明かしてくれる
・熾火を思わせる熱さ(温かさ)
・二楽章(アンダンテ・ソステヌート)がとりわけ素晴らしい

51下) シューベルト ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960(遺作)

・これは活目すべき見事な演奏
・外観を飾るための華麗さではなく、内面から浮き上がってくる華麗さ

※同じルービンシュタインだが、同一録音かは不明

52上) リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」 作品35

・演奏も録音効果なんて考えることなく音楽性一筋、平常心
・あざとさのない素敵な演奏

52下) リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」 作品35

・「シェエラザード」は「コマーシャルな通俗曲」と思われるようになった
・その責任の一端は、ストコフスキーとオーマンディの二人にあるかも

53) モーツァルト ピアノ四重奏曲第1番 卜短調 K.478

・現代寄りだが、とても雰囲気が良いのであえて追加
・ピアノと弦が一体化し、実にのびやかで軽快な演奏が繰り広げられる

54) クライスラー 小品集

・作曲者自身が演奏した、いわば歴史的な価値を持つレコード
・クライスラーは名演奏家に留まらない素晴らしいメロディメーカー

55)ラフマニノフ 交響曲第2番 ホ短調 作品27

・どうしてオーマンディがいいのかと訊かれても説明に困る
・あざとさとか嫌味のない、言うなれば人格円満な演奏

56上) J.S.バッハ ニつのヴァイオリンのための協奏曲 二短調 BWV1043

・イーゴリーは一六歳の時、父親と共演したこの曲でコンサート・デビュー
・二人にとっては記念すべき大事な曲だろう

56上) J.S.バッハ ニつのヴァイオリンのための協奏曲 二短調 BWV1043

・明るい方向を目指したバッハ
・アッカルドはパガニーニのスペシャリスト
・だから、歌うことを決して恐れない。ずいぶん割り切られたバッハ
・バッハ原理主義者や古楽器演奏愛好者には向かないだろう
・ここにあるのはあくまで爽やかでチャーミングな音楽

57)ストラヴィンスキー 「兵士の物語」

・ボストン交響楽団の腕利きメンバーによる演奏
・きびきびとしてシャープ。聴き応えがある

58上) デ・ファリャ 「スペインの庭の夜」

・ラローチャはわかっているだけで四度レコーディングをおこなっている
・うち三枚を聴き比べてみたが、「甲乙つけがたくうまい」
・ラローチャのピアノは美しいが控えめ
・オーケストラにきれいに溶け込んで色彩豊かな音楽世界を描き上げる

58下) デ・ファリャ 「スペインの庭の夜」

・ルービンシュタインは、独特な音の響かせ方をする。カラフルで官能的
・それは「スペイン情緒」的というより「ルービンシュタイン情緒」的

59) モーツァルト 弦楽五重奏曲第4番 卜短調 K.516

・カティムズ盤はなかなか聴き応えがある
・ステレオのトランプラー盤の持つふくよかな重層性には欠ける
・しかし、ストレートな姿勢に当時のアメリカ的即物主義的潔さを感じる
・けっこう気に入っている

60上) バルトーク 管弦楽のための協奏曲

・シカゴ響を振る硬派ライナーも、熱さでは負けていない
・豪速球一本ではなく、微妙なギアの上げ下げで、音楽を巧妙に活性化
・張り詰めた演奏だが、聞き手に疲弊を強いることはない

60下) バルトーク 管弦楽のための協奏曲

・音楽にも土着性がほぼ皆無で、「これがあのオケコンか」と驚嘆する
・強力カラヤン・マシーンはどんな曲でもスマートに仕上げる
・とにかく聴きやすさは天下一品
・カラヤンは、ひとつの曲に対する自分のイメージを堅く持つ
・そのイメージを、遺漏なく疑念なく妥協なく音として現出させる


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