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白鯨感想その1

久しぶりに本を読んだ。というよりも読めた。なぜなら、去年の12月の残業時間は40時間を超えるか超えないかの瀬戸際であったからである。働き方改革?の一環でこれ以上の残業はするなと上司に言われたが、おそらくこの法律がなければ馬車馬のように働かせていただろう。1週間に休みは日を置いて2日、連続2日休めることはない。正月休みは6日しかなかった。改めて、社会人のキツさを思い知らされた。これでも世間にはホワイト企業と言われているから驚きである。世間の皆様お疲れ様です。🙇とまあ、学生気分が抜けない社会人の愚痴はほどほどにして本の感想に移ろう。
白鯨は上 中 下で1セットとなっており、とりあえず上巻を2日半で読了した。
メルヴィルという哀れな図書館秘書が世界中のありとあらゆる鯨に関する本の知識をそのままコピーアンドペーストしたような文がところどころにあり、最初は鯨に対する知識が深まると期待していたが、この本が書かれたのは1800年代前半。のっている「知識」も1800年代前半のものなのである。カミソリイルカ、イオウバライルカなるものが本当にいるのかgoogleで画像検索してみたが、出てきたのはカミソリの画像だけだった。いと昔前まで、人間の祖先が猿だなんて信じられなかったように学問は日々、信じられてきた学説が覆るのはよくあることであるらしい。(こと動物学の分野では)なので、この本に載っている知識は事実として受け取るのではなく、昔の人の物の見方を一種のエンタメとして受け取った方がいいのかもしれない。日本人には馴染みが薄いので、これも一種のエンタメ目線で読んでしまったが、物語1巻の舞台はアメリカから大西洋にかけてが舞台で、アメリカといえばつい最近もBLACK LIVES MATTERに代表される黒人差別が色濃く残っている。それでも昔に比べて良くなったというのだから、1800年代の黒人の白人に対する扱いはどういう物であったか想像に難くない。文章に至る所に「人喰い人種」というワードが出てくる。主人公のイシュメールが黒人クイークェグと同じベットで寝ると知った時の主人公の怯えように笑ってしまった。クイークェグがふかしているパイプをトマホークと言う始末である。クイークェグを発展途上の蛮人と評しながら、ラマダーンで自室が出てこないのを心配してドアを破壊する熱いところもある。この二人はコンビとしてエイハブ船長率いる捕鯨船に乗り込むのだが、給与の配分がイシュメールが水夫として777配当(捕鯨で得られた利益のうち1/777を給与として受け取れる。)クイーグェグが銛つきの腕を買われて17配当もらえることになった。要するに人種差別なんて建前で重要なのは仕事ができるかできないなのかである。高学歴に甘んじて入社をゴールと捉えるのか、高卒でも自己研鑽を怠らずに社会的価値を高めていくのか、今の日本社会問題に通ずるところがある。
僕も自分のバックグラウンドにある意味、甘えていたところはあるのでベッドでスマホをいじる時間を短くしなきゃなーと思うこの頃。
とりあえず、上巻の感想はこんな感じです。中巻 下巻も読んだら、随時感想を追加していきまーす。


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