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手術に踏み切った押しの一手(信頼の力)

突然ですが、私、手術を受けました。

2日前の事です。


病名は"気胸"

肺に穴が空き、小さく萎んでしまう病気です。
背の高い男性に多いらしく、私はドンピシャで当てはまってしまったようです。(若くはないですが。。。)

3日前の午後、急に息が苦しく、吸うのも吐くのも出来ない状態に。

クリニックに行くとすぐに専門医に紹介され、気胸と診断→手術という流れになったわけです。



ちなみに、私は極度に怖がりです。


高い所も、痛いことも、怖いことも、出来るだけ避けながら生きて来ました。

映画で血しぶきを見るだけで身体の力が抜け、気持ち悪くなります。


はい、ただの怖がりです。
体質ではありませんね。


そんな私が今回、気胸という病気が発症した翌日に手術を受けました。

人生で初めての大きな病気、そして手術。

事前の担当医からの説明によると、

肺に3箇所の穴を空け、内視鏡という管状の機械で穴の空いた肺を切除する。
手術前後には肺に管を通しながら生活。
手術直後には尿道に管を通し、排尿を促す。

全ての経験が初めてで、どのくらい痛いのか、どのくらい辛いのか、ほとんど想像が出来ない。

そもそも全身麻酔って本当に効くの?途中で起きたりしないの?夢は見るの?


混乱状態でした。


では、そんなビビり症な私が何故病気発症の翌日に手術を受けることに踏み切れたのか、振り返ってみました。

きっと人とコミュニケーションを取ったり、説得する際に役立つはずです。

担当医への信頼

相手への信頼

答えはここに尽きるかもしれません。


結論から言いますが、私は手術を受けることに同意したと言うよりも、自分の人生を担当医に預けることに同意したのではないかと振り返っています。


私は医師でもないし、病気の経験者でもない。


いくら病気の事や手術の事を説明されても結局判断が出来ない。


自分にとって、家族にとってどの判断が一番いいのか。。。


仕事中突然発症してから、すぐに大きな病院へ連れて来られ、気胸の診断。そして手術。

状態は良くないので手術を受けた方がいい。
再発率も低くなる。
ただ手術室の空きが明日か1週間後しか空いていない。
手術せず様子を見ることは出来るが、肺に管を通し、1週間入院する。
その後状態が回復しなければ手術が確定する。



さぁ、どうしますか?!


皆さん、「いやいや、受けられるならすぐに受ければいいじゃない!」と思いませんか?


私も自分の事でなければそう思うでしょう。


でも実際は違いました。

怖い

ただただ怖い!

痛いの?

どれくらい痛いの?

辛いの?

どれくらい辛いの?

全く想像出来ないのです。

想像出来ないものがこれほど怖いものなのかと実感しました。。。

私には全く判断や踏ん切りが付かず、担当医に対し子供のように駄々をこね始める始末。

そして時間も夕方になり、明日の手術を受けるにはそろそろ予約をしなければ間に合わなくなる。

それでも迷い続ける私。

その時です。

私の目をまっすぐ見た担当医。

「私は手術した方がいいと思うよ!」


胸にズキっと響きました。


何の迷いもなく、言い切ってくれたのです。


ただ言い切ったわけではありません。


私の不安な気持ちを最後まで聞き、受け止め、認め、時には笑顔を見せながら家族の話や故郷の話で緊張を和らげていただき、最後にこの強いプッシュ。



恐怖と不安で揺れ動く私の心はすでに担当医に鷲掴みにされていました。


私の心はしっかりと固まり、「手術に挑戦します!」の答えしか考えられなくなっていました。


今でも自信をもって手術に踏み切って良かったとおもっています。


知識も経験もなく、自分にとって正しい選択なんか出来ようもない。想像も出来ない。


そんな中でも迫ってくる決断の瞬間。


いつしか損得勘定で考えてしまっていた私。
明日手術するメリットは?デメリットは?


それを読み取り、最後には強く正していただいた担当医。

「大丈夫。私に任せて。」

私にはそう聞こえました。


それからの時間、私は手術を受けるためにどうやって心の準備を整えればいいかだけを考えられるようになりました。


自分自身では到底判断出来ない状況に陥った時、
"信頼"の道しるべがこれほどまでに頼り甲斐のあるものかと学びました。


信頼は時間だけが作るものではない。
人柄であり、真摯さであり、情熱であり、思いやりである。

読まれている皆さんにとっては周知のお話かも知れませんが、身を持って知ることが出来た。というお話です。

私も迷った誰かの道しるべになりたいと思います。


担当医ならびに支えていただいたスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。

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