![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/63253430/rectangle_large_type_2_0bd50048079409f5376f79fda85a7c71.jpeg?width=800)
噺家殺人事件パート3【ショートショート】
出番を終えて寄席の外に出てきた人気の千夜法家 もて吉。そこへ群がる出待ちのファン達。照れながら順番に何かを受け取ったりサインを書いたりしている。
それを電信柱の影から見ていた人物がいる。師匠に荷物を届けに来ただけの臼井亭 かげ太だった。
秋の月が流れる薄雲に隠れて、カラスかぁで夜が明ける。
翌日。同じ寄席の出番前に楽屋入りした船越亭 歌さすのもとへ訃報が飛び込んできた。臼井亭 かげ太が焼死したというのだ。
歌さすが前座枝照家 全文に話を聞いた。それで全てが飲み込めた。
ーーー 波が大きな音を立てて岩にぶつかって弾けるのを見下す崖の上。
船越亭 歌さすが千夜法家 もて吉を呼び出していた。
「歌さす兄さん、早く用事を済ませてください。アタシは寄席や脇の仕事で大忙しなんですよ」
「かげ太の事は聞いたな」
「残念だと思ってますよ。それがいったいアタシとどう関係してるんです?」そう云って腕時計を見やるもて吉。
「大ありよ。おめえ、かげ太のタレと寝ただろ」
「何をばかな! 兄さん、いくらアタシでもそんな仲間のタレに手を出すほど不自由しちゃいませんよ」
「まぁ、そんなこったろうとは思ったがよ。かげ太は、常々芸で同期のおめえに勝てねえ事を気にしていたんだ。そこへきて、唯一支えだった自分のタレも盗られたとあっちゃあ気がおかしくもならあ。俺が思うに、結局、アイツは己の嫉妬の炎に焼かれて死んだってことよ」
決まった! という表情の 歌さす。
そこへタイミングよく現れた聖母乃家 子守歌。
思わずサムズアップしそうになる 歌さす。
ここはパート1の時とは違う崖だよというジェスチャーをする 子守歌。
哀し気な顔で時計をみる もて吉。
ーーー ドローンカメラが崖にいる三人から徐々に遠ざかる。
キャスト
人気で忙しすぎる噺家: 千夜法家 もて吉
嫉妬に燃える噺家: 臼井亭 かげ太
事情通の噺家: 枝照家 全文
謎を解く噺家: 船越亭 歌さす
事件解決後に出て来た噺家: 聖母乃家 子守歌
脚本 ぼんやり亭 らじ男
🐈 🐈 🐈
楽しみにして頂いた方、お待たせしました!
(期待に添えてるかどうかは別ですが💦)
迷い込んで読んでしまった方、どうかお許しを!
最近はバカバカしいショートショートばかり書きたい気分です!
それではまた!
宜しければサポートお願い致します。今後の活動費にさせて頂きます♪