心の健康のために

私の祖母は90歳を超えてもなお元気に、一人暮らしをしている。
習い事を楽しみ、マイナポイントの手続きやら何やら、誰に頼ることもなくしっかりと暮している。

とにかく明るくて健康で、前向きだ。
そんな祖母が、
「私はいつお迎えがきても全く悔いがないくらい毎日が楽しい!充実してる!
でもコロナはひと様に大変なご迷惑がかかるから、感染予防を頑張らなきゃいけないよね」
と電話で笑いながら言っていて、ハッとした。

祖母の言葉は半分冗談だったとしても、生きる気力がなくなっている人は、感染予防をしない。というか、したくない人も、いるかもしれない。
自分がいつ消えてもいいと思っていたら、人への迷惑は考えないかもしれない。

もともと精神を病んでいる人を、病院に連れて行くのはすごく難しい。
自分は精神病ではないと思っているから病院に行ってくれない、というケースもあるが、
病院に行くということは、回復を望む行為である。

健康な心身になって明日を生きたい、という気持ちから、人は病院に行くのであり、
早く人生が終わればいい、なんて思っている人は、病気になって寿命が縮まるのを望んてしまうかもしれない。

心の病が深刻になると、心配になるのが自殺で、
そうならないために病院に行って治療をしてほしいと周囲は思うわけだけども、
当の本人に、自殺したいという気持ちが芽生えたら、病院に行く気がなくなるのは当然だ。

コロナ感染予防となれば、なおさら、そう。
感染予防のためには、外出自粛、孤独、神経質な消毒などなど、たくさんのことに耐えなければいけない。

そこまでして得られるのは、自分の健康と周りの健康。
正常な感覚であれば、それが何よりも大切と思えるが、心が疲れてしまっていたら、物事の価値観も狂ってしまう。

長引くコロナ禍。
周囲の人間に対して、不信感を抱いたり、そんな自分に対して、苛立つこともある。

こんな時、思っている以上に大切なのが、心の健康だ。
感染予防はあちらこちらで訴えてくれているけども、心の健康は自分で気をつけるしかない。
体温チェックしても、心の健康は計れない。
だから常に、自分にとって楽しいこと、自分の免疫を上げる対象、自分のストレスを減らす存在を、意識していきたい。

という理由で、今日も私は「日本文学の旅」の観劇に行きます。

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