大殿筋のスタティックストレッチ[sstr-hj-005]
走るための身体の準備の専門家
ABCR菅原航陽
によるコンディショニングシリーズ
今回は
大殿筋のスタティックストレッチ
をお届け致します。
走るという動作は、
「身体を支え続けるスポーツ」
と言えますが、大殿筋というのはその中でも一番大きな力を発揮できる筋肉なので、常に使える準備を整えておかなければいけません。
走るというと、「地面を蹴る」とか「脚を前に大きく振り出す」というイメージを持たれている方も多いかと思いますが、自分の力だけで進み続けようとしても案外その労力に比してあまり上手く進めないだけでなく、疲れてもたなくなってしまいがちです。
そこで、地面に着地した際のエネルギーを上手く推進力に変えられるポジションで身体を支える=関節が深く曲がって潰れてしまわないように地面を押し返すような動きを持続出来れば、自分の力を節約しながら効率よく進んで行くことが出来ます。
ただし、筋肉は鍛えるだけ(使いっぱなし)にすると、短縮したままになってしまいます。
また、使った後にちゃんと「スイッチOFF」の指令を出してあげないと、スタンバイモードで電源の入りっぱなしの家電のように無駄なエネルギーを消費し続けて、結果として硬くなって行きます。
そして筋肉の収縮というのは、筋肉の長さが長くなったり短くなったりして起きるもので、筋肉が初めから短縮した状態だと、上手く力を発揮してくれません。
ということで、「お尻を使って走る」ための準備として、出来る限りのセルフケアを心がけましょう!
☆伸ばす筋肉☆
大殿筋(だいでんきん)
☆やり方☆
①椅子に腰かけるのが一番やりやすいと思います。出来れば腰かけた時に膝が90°程度になる椅子が一番ストレッチ感を感じやすくなります。
②伸ばす側の足首を逆脚の膝よりも少し上に乗せます。
③背筋を伸ばしながら、伸ばしたい側の膝を同じ側の手で床方向に向かって軽く押さえつけながら、正面に向かって倒れこんで行きます。
※膝の抑え具合によって伸びる部位が若干変わります。伸ばしたいところを伸ばせるように調節しながら伸ばしてみて下さい。
☆ポイント☆
①腰から折れないよう、骨盤から倒しこむように。
※背中が丸まってしまうと伸びを感じにくくなります。
②椅子に腰かけずに行う場合は、膝が前に出て行かないよう、お尻を引くようにしながら骨盤から上を倒して行くと、膝に負担がかかりにくくなります。
☆ワンポイント☆
やり方の似たストレッチに
があります。ランナーが痛めやすい「腸脛靭帯」は、この大腿筋膜張筋と大殿筋の2つの筋肉が筋膜様の組織に変化して走行しているものなので、腸脛靭帯のケアとして併せて行っておくと良いかもしれません。
また、伸ばしても筋力が不足していると結局またすぐに硬くなってしまうので
等を使って使い方を身体に教えてあげつつ、更に強化して行きましょう。
☆但し書き☆
身体の構造的な個人差や様々なパーツとの連動、タイミング等、走りを作る要素は非常にたくさんありますので、全てのエクササイズや動きの説明については、あくまでも一般的なこととして記載しております。
全ての方に同じ説明・同じ方法が当てはまるものではございませんので、ご質問等ございましたら
までお待ち致しております。
「ただ走る」だけでなく、「走るための身体の準備」も併せて行うことが、より走りを楽しむために大切なことを広く伝えて行きたいと思っております。 よろしければサポートをお待ちしております!