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【野球の競技性】打ち勝つってなに?③【おかげ的】

③は「戦術の引き出しが多い」である。

これは上位に進めば進むほど以下のような状況になってくるからだ。

「好投手が多く、簡単に連打や長打は望めない」

「守備も隙がなく、エラーからの得点は期待できない」

「守備が硬く、中々得点に繋がらない」

上位に行けば行くほど、下位校相手には長打打って、盗塁してやりたい放題だったのが通用しなくなってくる。いわゆる「1点が重く」なってくる。そのときに「打つ」以外の引き出しがあると得点可能性が高まる。


代表的なものが「走塁」である。そもそもランナー2塁から1本で帰ってこれないと(甲子園基準で6.7秒以内)2塁の状況を作っても連打が必要となってしまう。

これではまず上位校と戦うのは不可能である。

それに加えて、盗塁能力、打球判断、ゴロゴーの精度を高めていくと効率良く得点ができる。また、バント、セーフティー、スクイズ、エンドランも代表的な戦術といえる。他にも、セーフティーエンドランや、セーフティースクイズが作戦としては有名である。

ここでいう戦術の引き出しにはゲーム全体を通してのものも含まれる。

例えば好投手相手にラインギリギリに立ってインコースは消し、真ん中からアウトコースの球を徹底的に狙う。フォークやスライダーが良い投手に多少無理してでも走らせて投球割合を変えていく。

序盤は徹底的に待球して打者が見慣れる+投手が疲れてきた試合の後半に一気に畳み掛ける。

スタメンだけなく、ベンチ内のすべての人間には勝つために役割がある。理解しているだろうか。

勝てないチームはスタメンの9人が同じように気持ちよくスイングしているだけだ。9人の中で誰が当たっているのか、誰が合わないのか、塁に出ることに徹する役割は誰か、繋ぐのは誰か、還すのは誰か。それによって初球を打つのか、見送るのかも変わる。

勝負をかけるカウントは何か。2−1からなのか?初球から行っていいのか。これを1球1球スタメン、ベンチが全員で考えているかがチームとしての力の差になる。

この状況で絶対にしては行けないこと、最低限のこと、最高のこと。この3つを踏まえた上で自分の役割は何かを考える。

流れを読んで、相手の出方を読んで、状況を観察するから、予測できる。予測できるから準備ができる。準備できるから整理して打席に入れる。整理するからシンプルに役割に徹することができる。

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